DJ Sotofett 『DJ Sotofett & the Colours of Computer Generated Instruments』
Label : Clone West Coast Series
そこまでダブ感ないですが。昨年末の来日ツアーも最高だったノルウェーのソトフェットが、オランダ・エレクトロの老舗レーベルの〈Clone〉の〈West Coast Series〉からアルバムをリリース。ダブ・ハウスな自身のレーベル〈WANIA〉からのアルバムとは打って変わって、今回は8ビット・チューンなオールド・スクールなゲーム音楽に着想を受けつつの、彼のひとつの持ち味でもあるオールド・スクール・エレクトロが合体(で、接着剤がダブ)。クラフトワーク、エレクトロ古典『Computer World』、往年のドップラーエフェクト(特にジャパニーズ・テレコム時代)ことジェラルド・ドナルド偏愛なんかも感じさせる瞬間もあったり。スクリューな低速ジャングルをエレクトロと合体させた“Transfusion”にしてやられた感。
Richard Norris 『Oracle Sound Volume 4』
Label : Republic of Music
ベテランも頑張っているよと言うことで、1990年代初頭のUKテクノの古参ユニット、ザ・グリッドとしても活躍していた、リチャード・ノリス。DJエロール・アルカンとのビヨンド・ザ・ウィザード・スリーヴスなど、ときたま名前が挙がってくる息の長いアーティストではありますが、本作『Oracle Sound』ではダブ・ダウンテンポがサウンドのコンセプトのようで、本作で4作目。ある意味でかなり正調なダブ・ダウンテンポを追究していて、ちょっと懐かしい感じすらしますが、いやこの手の音はなくなりませんよねという。ルードなサイケデリック具合がたまらんのです。アルバム中盤“Flying Crane Dub”“Mirror Cave Dub”はどこか大阪ダブの雄、SOULFIREを彷彿とさせるブルージー具合。調べてたら初期アシッド・ハウス時代にジェネシス・P・オリッジと「キング・タビー」なんて名義で1曲コンピに参加していることを発見(無駄情報)。
Barrington Levy 『Prison Oval Rock - 40th Anniversary Edition』
Label : VP Records
最後にリイシューもの。1985年の“Sleng Teng”でデジタル革命ということは、同年リリースの本作は、ワンドロップの初期ダンスホール最後期の作品とも。バリトン・リーヴィーというシンガーの存在も含めて、バンドはスタイル・スコット率いるルーツ・ラディクス、レコーディングはチャンネル・ワン、ミキシングはサイエンティスト、そしてプロデュースはヘンリー“ジュンジョ”ロウズ、レーベルは〈Volcano〉と1980年代前半のジャマイカの、当時の完璧な布陣。今年頭に配信がスタートした40周年エディションでは、タイトル曲のこの時期のうま味がギュッと凝縮したUK〈Greensleeves〉、US〈Reggae Sound〉版12インチに収録されていた別ミックスなどなど、その他の曲もディージェイ・カット、ダブをはじめさまざまなミックス違いで楽しめる全39曲(本編10曲)まさにヴァーニングの祭典。