INTERVIEW : ユッコ・ミラー

ユッコ・ミラーがメジャーデビュー10周年を迎えるにあたり、ニューアルバム『Bloomin’』をリリースする。H ZETTRIOとの2枚のコラボアルバム(『LINK』『Dazz On』)を経て、初めて全てオリジナル曲で構成された約2年ぶりとなるソロアルバムだ。デビュー以来、彼女は誰もが知るヒット曲のカバーや他ジャンルのアーティストとの共演など、ジャズ・フュージョンのフィールドを越えてサックスの楽しさ、音楽の面白さを伝えてきた。10年間の集大成となる今作は、キャリアのスタートとなったソプラノ・サックスの演奏や、初めて手にしたアルト・サックスの使用、さらに2曲のオリジナル・ボーカル曲も歌っているなど、ありのままの自分に回帰したあまりにも潔く清々しい作品だ。様々なエピソードとともに、アルバム曲について聞かせてもらった。
インタビュー・文 : 岡本貴之 撮影 : 大橋祐希
10年経った本物の私を、そのまま出そうと思った
──髪を思いっきり、短くしましたね。
ユッコ:そうなんですよ!小学生ぶりぐらいに短くしました。
──10周年を機に、みたいなことですか?
ユッコ:いえ、なんか朝起きたら急に「髪をバッサリ切りたい」と思って(笑)。30センチぐらい切っちゃった。
──そんなに切ったんですね。とてもお似合いです。ユッコさんは今年の9月でメジャーデビュー10周年を迎えるわけですが、今率直にどのように感じていますか?
ユッコ:がむしゃらに走り続けて、気づいたら10年経ってたみたいな感じです。
──それだけ行動力がありますもんね。記念すべきアルバムになるわけですが、収録曲が全てオリジナル曲というのは意外なことに今作が初めてなんですね。
ユッコ:そうなんですよ。せっかくなら全曲、自分が作ろうと思って作りました。割とすぐに作曲できるタイプなので。例えば今作ってと言われたら作れます。
──そうなんですか!?それぐらい日常的に音楽、サックスがあるということですか。
ユッコ:そうですね。それはデビュー前からずっと変わらないです。
──最初にオリジナル曲を作ったのはいつですか。
ユッコ:初めて作ったのが高校2年生のときで、その曲がアルバム10曲目の“My Prelude”なんですよ。
──あ、そうなんですね。後ほど詳しく訊かせてください。最近で言うとH ZETTRIOとのコラボなど、本当にいろんな方と共演してきた10年だったと思いますが、その中で作曲方法や音楽へ向かうモードに変化はありますか?
ユッコ:ありますね。以前は「かっこよくしなきゃいけない」とか、「かっこいいものを作らなきゃいけない」っていう感じだったんですけど、今はそういう背伸びしないといけないような気持ちがなくなったというか。曲を思いついて、私が「これがいいな」と思ったらそれでいいんだ、と思えるようになりました。結局何をどうやっても私の音楽なので。それまでは、どこかで「ちゃんとしてなきゃいけない」っていう気持ちが強かったような気がしますね。それが、例えば高校生のときからファンだったH ZETTRIOさんなどコラボした作品を聴くと、「私は私のままでいいんだ」と思うことがすごく多くなった感じです。今は、自分から出てるものがもう個性なんだって思っているので、自分がやりたいと思ったことを素直にやることが一番いいことだと思っています。
──リード曲のタイトルは“Miracle Shine”ですが、ユッコ・ミラーというアーティスト名の由来はグレン・ミラーかと思いきや、ミラクルという言葉なんですよね。
ユッコ:そうです。ミラクル星の出身なので。
──デビュー当時からずっとそう言ってらっしゃいますが、それは10年経っても変わっていない?
ユッコ:変わらないですね。グレン・ミラーも、もちろん好きだけども、ミラクル星のミラーは変わらないです。
──ということは、この曲はユッコさんご自身を投影しているわけですね。
ユッコ:そうです。この曲は、スタジオでベースの中村(ヒロキ)さんにピアノを弾いてもらって、それに合わせて即興で歌を歌って、メロディを作ったのがこの曲です。歌詞をつけるつもりはなくて、もともとサックスで吹く曲を歌って作ったんです。すごくエネルギッシュな曲でいいなと思ってます。アルバム10曲のほとんどを私がアレンジしてるんですけど、この曲と“3-3-7”は中村さんもアレンジャーで参加してくれています。
──今回は中村さんをはじめ、ユッコ・ミラーBAND【平手裕紀(Piano, Keyboards, Trumpet, Melodica)、中村ヒロキ(Acoustic Ba, Electric Ba, Synth Ba)、Dennis Lwabu(Dr, Chorus, Guitar)】の演奏が基本になっていますよね。それはバンドでのライブを経て今作に結びついた感じなんですかね。
ユッコ:10周年記念アルバムを作るとなったときに、例えばいっぱいゲストを入れたり、大御所の方に参加してもらうとか、10周年なんだから何か特別なことをしようみたいな感じになるのが普通じゃないですか?そういうのがあんまり好きじゃなくて、10周年アルバムだからこそ、10年経った本物の私をそのまま出そうと思ったんです。「10年経ったら私はこれをやってるんだよ、これが好きなんだよ、こういう人たちとやってるんだよ」っていうことがわかるものを残したいと思ったんですよ。なので、今一緒にライブをしている自分のレギュラー・メンバーと一緒に録ったんです。
──ソプラノ・サックスを10曲中5曲を演奏しているというのも、今作の聴きどころです。 noteを拝読したんですけど、高校1年生のときに吹奏楽部で最初に担当していたのはソプラノ・サックスだったそうですね。
ユッコ:そうなんですよ。去年の11月にコラボさせていただいた中西保志さんのライブがあって、それでソプラノ・サックスを吹くことがあって。もともと、ソプラノも持ってはいたんですけど、もっといいものを買おうと思って10月ぐらいに購入したんですけど、そのときに「やっぱりソプラノいいな」と思って、今回のアルバムでも吹いたんです。

──高校生のときにはソプラノから始めて、やがて今メインで使っているアルトに変わっていったのはどうしてなんですか?
ユッコ:本当はアルトがやりたかったんですけど、1年生のときに吹奏楽部で入れるパートがソプラノ・サックスしか余ってなかったんですよ。それで、1年間はソプラノで、2年生のときにアルトを親に買ってもらったんです。それが、今回のジャケットで持っているサックスなんです。レコーディングもこのサックスで録っています。最近はもうこのサックスでずっと演奏していますね。高校を卒業してからはヴィンテージのサックスを買ったりとかして使っていたので、このサックスは眠っていたんですけど 2、3年前に久しぶり吹いたら、高校生のときの思い出が蘇ってきて。「あ、私にはこれしかない」と思って、これをメインで使おうと思ってから、このサックスを使っています。
──思い入れのあるサックスなんですね。一方のソプラノで吹いてる曲だと“Snow Song”は は親しみやすい旋律が際立ってますね。
ユッコ:これはもともとソプラノで曲を作ったんです。去年買ったソプラノサックスがめちゃくちゃお気に入りの楽器で、それを吹いてたらどんどんメロディが浮かんできて。もう、楽器が連れて行ってくれるんですよ。それで生まれた曲っていう感じです。“SHIOSAI”もソプラノサックスを吹いていたときに、勝手に浮かんできて、「あ、このメロディめっちゃいい」と思って曲にしました。
──そういうときって曲をどうやって形にするんですか?
ユッコ:iPhone のボイスメモにサックスで吹いたメロディーを録音して、メロディーが浮かんできた時点でコードも鳴っているので、それを元にピアノでコードを弾いて、それを譜面に書きます。アレンジもメロディが浮かんできたときにもうあるので、それをそのままDTMで打ち込んで、メンバーに「こんな感じにしたい」って伝えて、メンバーがアイディアをくれたりして、全部が固まっていく感じです。
──いわゆるヘッドアレンジみたいなやり方してるのかと思ったら、そうじゃないんですね。最初の頃から打ち込みもしていたんですか?
ユッコ:サックスのメロディだけで渡すときもあるんですけど、今回は全部打ち込みを作りました。































































































































































































































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