OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.383 散歩雑記
OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)
散歩雑記
元気がないときほど散歩はしたほうがいい、と、最近思う。帰宅後、疲れてるから “一旦” のつもりで横になるとしばらく起き上がれないことがほとんどだ。それでも、空腹との戦いに負けて蘇る死者のように這いつくばり、なんとかその日を終えるような日常。こないだ、このままでは自分のなかのなにかが終わってしまう気がして、その「なにか」を求めるようにして夜の散歩へ外に出た。
真っ暗な近所の住宅街を道筋を決めず直観のままに歩き進める。この頃は紫陽花がきれいに咲いていた。白くまんまるな紫陽花の真横に植えられていた植物はツヤツヤの葉っぱの形がクワガタの頭ような猫の顔のシルエットのような、見たことのない形をしていた。よく見ると葉っぱひとつひとつの形が少しずつ違う。「こんなにかわいい形で元気に育っているんだな」と元気をもらう。きっと疲れている。
散歩をするときは自販機を見つけたら軽くチェックする習慣ががある。「ペットボトルも今は180円もするんだー」などと物価高を嘆いたり、見たことのない商品を見つけて「へー」と思ったり好き勝手にいちゃもんをつけたりする。こないだは自販機限定と書かれたヨーグレット味のペットボトルを買った。あの懐かしのお菓子そのままの味でおいしかったので500mlでも販売してほしい。
地域の掲示板も見つけたら必ずチェックする。基本的には地域の施設での催し事のチラシばかりだけど、これが案外あなどれない。こないだは世田谷文学館で松岡正剛の展示がやっているのを近所の掲示板に貼られたチラシで知り、行ってきた。生前取り組まれていた『千夜千冊』がどのような試みだったのか、初心者の私にもとてもわかりやすく展示されていて、学びの多い展示だった。松岡さんは理解力や読解力もさることながら、なによりも人や物事を「おもしろがる」ことに長けたひとだったのかな、と勝手に思うなどした。宇宙規模で散らばった膨大な人の歴史や事象の特徴をつかみ、ひとつのテーマのもと星座をむすぶように線でつなぎ、他者にも見える形に編みあげる。編集ってそういうことなのかも。いまの自分の仕事にも持ち帰ることがたくさんで、行けてよかった。
散歩の成果って意外とある。小さな石ころみたいな断片たちがそこら中にたくさん転がっていて、それらを見つけて拾い上げ、観察してみる。そこから自分なりの思うことを浮かべているうちは不思議と疲れを忘れられる、気がする。なにより、気分がとても良くなるんだ。





































































































































































































































































































































































































































































