2021/07/30 18:00

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.127

OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)


真夜中のホラー小説と共に

基本的に夏のことがあまり好きではなく、唯一テンションが上がるのが花火だった。花火大会は行くたびに想像の倍くらい打ち上がる音がでかいしあまり煌びやかという感じもなく、そこが好きだ。まあ今年は見れないんだけど。そしてこれも毎年忘れてしまうんだけど、夏って落雷が多い。ここも好きなポイントに入れておくか。不穏な空の色と規則性のない光、近づくほどに鋭く突き刺すような音に変わっていくところが面白い。

先月小岩で観たPhewのライブもそんな、雷を眺めるような見方/聴き方をしていた気がする。アナログシンセで緩急をほとんどつけず、聴こえるか聴こえないか程度のビートをポイントに徐々に変化をつけていくライブは予測不可能なタイミングでノイズが混じり、そういった入り込んでくる音そのものを眺めているような体験だった。そしてそういったライブを観るときには思考が分離して全く違うことも同時に考えはじめる。それがその時の自分にとっては呪詛や死、トラウマについてだった(その前の週に行った『異常人間溌溂ナイト』のせい)。そこからPhewの『ニューワールド』をほぼ毎日聴き、流れでインダストリアル・ミュージックやクラウトロック、ノーウェーブなど、あまり系譜を気にせず「呪詛っぽさ」から改めてNUE!を聴いたりキャバレー・ヴォルテールをちゃんと聴いてみたり…ということをしている。

そうした音楽を掛けながら、適当な怪談の朗読を流したりホラー小説を読むというのが最近の過ごし方だ。こういうのも「夏は怪談」みたいなもののサブリミナル効果を受けているのかは分からないが、そうこうしているうちに左肩が痛くなってきたな。

この記事の筆者
津田結衣

時と場所を超えた、「逆襲」の指南書──野中モモインタヴュー:『女パンクの逆襲──フェミニスト音楽史』

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OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.163 「存在する」という抵抗

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散在する「現場」を捉える連載【In search of lost night】がスタート──参加ライターによる座談会

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FUJI──継ぎ接ぎの翼が導くカタルシス

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どこまでも“自分自身”であるために、響きわたる咆哮 ── 書評 : ジェン・ペリー著『ザ・レインコーツ──普通の女たちの静かなポスト・パンク革命』

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OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.151 冬に溶け出す歌

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OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.144 音による没入

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OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.138 街の混沌と閑靜

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OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.127 真夜中のホラー小説と共に

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痛みを受け入れること、その美しさ──NEHANN、ファーストアルバム『New Metropolis』

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OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.116 北の地への憧れ

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OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.110 踊りの再開!(祝)

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REVIEWS : 019 オルタナティヴ / レフトフィールド(2021年3月)──津田結衣

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生活の柔らかさと痛み──Cody・Lee(李)、ファースト・アルバム『生活のニュース』

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yuzuha──浮遊と疾走、自由に羽ばたくロック・アーティスト

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OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.87 We Will Have The Power In A Better Way

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Psychoheads──ピュアに追い求める「いまのパンク」のあり方

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OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.56 音楽はあなたを殴りはしない

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OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.48 何も考えずに音楽を聴いたっていい

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