【LIVE REPORT】やっぱりELEKIBASSはパーティーの名人だ! 〈ELEKIBASS TOKYOTOWN LIVE 2018〉

ELEKIBASS

ワンダフルボーイズや空中カメラ、PARIS on the city! が所属する〈WaikikiRecord〉のレーベル・オーナー、サカモトヨウイチ率いる、ポップ・ミュージック・バンド、ELEKIBASSがおよそ2年ぶりとなる配信シングル「Hallelujah」をリリースした。今回は、本作のレコ発パーティーであるELEKIBASSのワンマン・ライヴ〈ELEKIBASS TOKYOTOWN LIVE 2018〉の様子をお届け。そして合わせてこのタイミングで期間限定で「Hallelujah」の無料配信もスタートします! 渡辺シュンスケ(Schroeder-Headz、cafelon)、弓木英梨乃、小貫早智子(Stefanie)、沖田優輔(はいからさん)、そしてジュリアン・コスター(ニュートラル・ミルク・ホテル)といった豪華ゲストも登場した、まさに“パーティー”をお楽しみください。

ハイレゾ配信も実施中!


下記リンクでは期間限定のフリー配信もやっています!
https://ototoy.jp/_/default/p/175042

【配信期間】
2018年11月2日(金)〜11月9日(金)23:59

【配信形態】
MP3

LIVE REPORT : 〈ELEKIBASS TOKYOTOWN LIVE 2018〉@Shibuya TSUTAYA O-nest

文 : 峯大貴

活動19年となるポップ・バンド、ELEKIBASS。日本随一の海外志向から成るポップ・ミュージックへの愛着を消化した芳醇なパーティー・サウンドは、断続的でマイペースな活動スタイルも相まって、ひとたび動きがあれば常に注目を集める存在だ。一方でサカモトヨウイチ(Vo,G)は〈WaikikiRecord〉のレーベル・オーナーとしても、長らく顔役であった自身とワンダフルボーイズに加えて空中カメラ、PARIS on the city! といった若いバンドもジョインし、新たな局面を迎えている。そんな中2018年10月21日に渋谷O-nestで久々に行われたワンマン・ライヴは、サカモトと亀田JP(G,Cho)のメンバーふたりも40歳を超える中“まさに不惑! 音楽を止めないことに迷いなし!"と言いたくなるようなポップ道楽っぷりに拍車がかかっていることを実感する、しこたまにハッピーな2時間であった。

サカモトヨウイチ(Vo,G)

客席後方からおなじみのお面をつけながらバンド・メンバーと共にひとしきり客席を練り歩くジプシー&チンドン・スタイルで登場。「We all live happilly together」からスタートした前半ブロックはおなじみのバンド・メンバーで送る盤石のポップ・パーティーの様相。フォーマルなベストでキメたサカモトがマスター・オブ・セレモニーっぷりを発揮しながら、観客にシンガロングを促していく。

この日ゲスト参加した小貫早智子(Cho)は、観客と一緒にステージを楽しむようなゆるやかな佇まいと歌声が印象的だった。その歌声は、オールディーズ・ポップスのコーラスワークが肝となるものが多いELEKIBASSの楽曲に、一層ラグジュアリー感を与えていた。特に「Don't Stop Believe in Music」での〈やめちゃダメったらやめちゃダメ―ダメ〜!〉という屈託のない真っすぐなコール・アンド・レスポンスは、キャリアを重ねてきた彼らだからこそ「悩むこと、迷うことをやめ、音楽を止めるな!」というポジティヴなメッセージとして実感伴って突き刺さってくる。そして1幕目最後のザ・キンクスのカヴァー「Skin & Bone」では歌詞を無邪気にいじりながら観客をどんどん歌わせていく、そのアッパーな流れに会場はピースフルな盛り上がりを見せていた。

小貫早智子(Cho)

その後バンド・メンバーは一旦退場し、サカモトとJPの2人で「Almanack」、「Mellow Yellow」と2004年の1stフル・アルバムからの懐かしい曲を披露。するとJPのギター・ソロ・パートを飛ばしてしまったり、MCでも2人が同じ話を2回してしまったりするなどオリジナル・メンバーだけになった途端に、まるで専修大学のサークルで出会って結成した当初の光景を見ているかのような持ち前のユルさが決壊。しかしそんなところも丸裸のまんま見せていく愛嬌が人を集める神通力となっているのが、彼ら最大の魅力とも言える。

左からサカモトヨウイチ(Vo,G)、亀田JP(G,Cho)

そして先のMCでも憧れと話していたジュリアン・コスター(ニュートラル・ミルク・ホテル)が神通力に引き寄せられたかのように登場し、ソロ・プロジェクト、ザ・ミュージック・テープスの楽曲「Takashi and eljah」をバンジョー弾き語りで披露。ジュリアンの声はじっくり観客を引き込み、後半にかけてバンド・メンバーが再登場しセッションしていく様は終始ハッピーな空気感であったこの日の中で、緊張と緩和を生む至高のフックとなっていた。

ジュリアン・コスター

後半パートからは盟友・渡辺シュンスケ、KIRINJIのメンバーでもある弓木英梨乃、はいからさんの沖田優輔も登場し、一層豪華仕様に。今年は2年ぶりの音源として配信シングル「Hallelujah / SEASONS IN THE SUN」をリリースしたが、その2曲を含めた6曲入りミニ・アルバムの制作と、内5曲で渡辺シュンスケが参加することもこの日発表された。そんなおめでたい告知も挟み怒涛のラスト・スパートとなるはずが、サカモトは「聴きたいから!」と渡辺シュンスケの楽曲「デラシネ」「背番号」「ミラーボール」「ステキナイト」と次々挟んでいって全力で主役を譲っていくスタンスに。「ステキナイト」ではサカモトが「歌詞見なくても歌える!」とパートを交互に歌うことになるがぜんぜん歌えず中断し、渡辺から「こんなバンドいねえよ!」と叱られ、観客からもツッコミと笑いが起きる。

渡辺シュンスケ

弓木英梨乃

一方JPも、弓木の可憐かつ剛腕なギター・プレイが炸裂している中、果敢にもギター・バトルを挑むが一瞬で打ち抜かれる微笑ましい一幕も。フィナーレに向かうにつれてふたりの隙の部分も増々露わになって観客から歓声が上がる。幾度ものアメリカ・ツアーを経験した度量と、そもそもELEKIBASSの楽曲に通底するセッション性と人懐っこさが共振して、そんな隙だってフリーダムに丸ごと楽しめてしまう心地はなかなか他では得難いのだ。

亀田JP(G,Cho)

終演後、なんだかすごく楽しい時間だったという体感を持ち帰って、にやにやしながらシームレスにそれぞれの生活に戻っていく。“あそこの場面が"というより、あの場そのものの多幸感に満たされてつい“なんだか"と接頭についてしまうところがELEKIBASSのライヴの稀有なところ。やはり彼らはパーティーの名人なんだ。(Texted by峯大貴)

〈ELEKIBASS TOKYOTOWN LIVE 2018〉セットリスト

1. We all live happilly together
2. Vegitable
3. 自警団
4. Cecilia
5. Garden Party
6. All the People come,let's get down
7. 愛だろ
8. Don't stop believe in music
9. Skin&Bone
10. Almanack
11. Mellow Yellow
12. Takashi and eljah
13. マチルダ
14. デラシネ
15. IT Woul'nt be nice
16. Hallelujah
17. 背番号
18. 自分の胸にきいてみな
19. SEASONS IN THE SUN
20. ミラーボール
21. ステキナイト
22. 星降る夜にきらめいて
《アンコール》
23. 君は恋泥棒
24. Baby it’ me

過去作もチェック!

新→古

【過去の特集ページ】
・『Theme of Melancholic Matilda』特集 : インタヴュー
https://ototoy.jp/feature/20161025
・『Home Party Garden Party』特集 : インタヴュー
https://ototoy.jp/feature/20140123
・『Garden Party EP』特集 : インタヴュー
https://ototoy.jp/feature/2013122400
・『TOKYOTOWN LIVE 2011』特集 : ライヴレポート
https://ototoy.jp/feature/20110826
・『Paint it black-EVERYBODY COME !!LET'S GET DOWN-』特集 : レヴュー
https://ototoy.jp/feature/20090612
・『Paint it white』特集 : インタヴュー
https://ototoy.jp/feature/20090320

PROFILE

ELEKIBASS

ELEKIBASS

1998年に結成し、強い海外志向を持ち、後にアメリカで人気バンドとなるOf montrealと早くから交流を重ね、現在までに8度のアメリカ・ツアーを実施。一方、国内でも渋谷系の流れを組むバンドとしての評価も獲得。また、自ら主宰するレーベル〈WAIKIKI REOCRD〉からは国内外のアーティストの作品を数多くリリースしているサカモトヨウイチ率いる60年代後半のブリティッシュロック、ブルース調のリズム、ミュージックホールメロディー、そして風変わりなサイケデリックさの要素をあわせ持つバンド、ELEKIBASS。

【公式HPはこちら】
http://www.waikikirecord.net/elekibass
【公式ツイッターはこちら
https://twitter.com/ELEKIBASS

この記事の筆者
この記事の編集者
鈴木 雄希

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