
「きず」ビデオ・クリップ配信開始
在日ファンクのファースト・アルバム『在日ファンク』のリリースに先駆けて、アルバム収録曲「きず」のビデオ・クリップを販売開始します。ディレクターは、氣志團、矢井田瞳やフジファブリックなどのPVも手掛けるスミス氏。深夜の上野・アメ横で撮影された、レトロで妖しげな雰囲気の作品です。ぜひじっくり鑑賞してみてください。
【asfファイルとmp4ファイルについて】
・Windows標準のWindows Media Playerをご使用の方 → asfファイル(WMV8)
・mac標準のQuickTime Playerをご使用の方 → mp4ファイル(H.264)
下記のmp4ファイルの方が効率の良い圧縮のされた動画ファイルです(内容は同一)。Windows環境でmp4ファイルを再生できる方は、mp4ファイルのダウンロードをオススメします。GOM PLAYERやmplayerなどの対応プレーヤーを使用するとWindowsでもmp4ファイルを再生できます。
「きず」REVIEW text by 水嶋美和
年明けにファースト・アルバム『在日ファンク』をリリースする在日ファンク。結成から二年余り、今までは「浜野謙太と在日ファンク」という名前で活動していた事もあって、「浜野謙太がSAKEROCKのサイド・ワークでやっているバンド」と認識されることが多かった。その認識が強い人ほど、この改名の意味がわかりやすい。浜野謙太が本気になったということだ。このアルバムで彼らは新しいファンクを開拓している。まずはアルバムのリリースに先行して配信される「きず」のPVからそれを感じ取ってもらいたい。

このPVを見る前に、過去の特撮アニメや漫画に登場した主人公たちのことを思い返してみてほしい。額や頬に十字の傷、背中に大きな火傷の跡、顔がつぎはぎ、心に深い傷を負った暗い過去。彼らはなぜいつも傷だらけなのだろう? そして、私たちはなぜ彼らに惹きつけられるのだろう? 「傷を負っている人って、アーティスティックでかっこいいですよね。僕は健康だし、鬱になることもない。だからそういうのに憧れてしまうんです。」浜野謙太もまた、傷に憧れを抱いている。そんな気持ちから生まれたのがこの曲だ。しかし、どんなに「傷をもっと付けて欲しいの」と自虐的な言葉を叫ぼうと、彼にはその影が生まれない。だからこそファンクの音に「傷」という生々しい言葉を乗せられるのだ。その影の部分を補うのが、このPVに登場する女子高生三人。眼帯、ギプスや突き刺すような目。触れるだけで傷つきそうな、もろく危うい存在感をかもし出している。
撮影場所は、深夜の上野アメ横。演奏する在日ファンクと交互に映し出される彼女たちの深夜徘徊の画は、まるで映画のワン・シーンを切り取ったよう。彼らの曲調や衣装、管楽器が光る光景はレトロな印象なのに、携帯をぶら下げて歩く眼帯をした女子高生からは、病んだ都会を連想させる。現代と昭和、陰と陽が、深夜のアメ横を舞台に絶妙なバランスで隣り合っている。歌詞のストーリーをそのまま役者に演じさせて、観る側から想像力を奪うPVが増える中、見る度に違うストーリーを想像させるこのPVは何度でも見たくなる中毒性を持っている。PVの存在意義が曲の世界観を補うことにあるならば、曲の世界観を大きく膨らませているこのPVは、もはや曲から独立した映像作品として紹介しても間違いないだろう。
在日ファンク ファースト・アルバム『在日ファンク』1月6日発売!

在日ファンク / 在日ファンク
2010年1月6日(水)販売開始
1.Intro Funk / 2.最北端 / 3.きず / 4.のこってしまった / 5.神頼みFunk / 6.罪悪感 / 7.ダンボール肉まん / 8.京都(Live Version) / 9.最北端(Live Version)
在日ファンクのデビュー・アルバム『在日ファンク』を販売開始します。SAKEROCKのトロンボーン担当、浜野謙太が楽器をマイクに持ち替えて、極太ファンク・アルバムを制作。ジェイムズ・ブラウンの流儀を現代に継承しつつ、日本人にしかできない、新しい時代のファンクを追及しています。音源化を心待ちにされていた末に完成した本作は、タイトなダンス・チューン「きず」、JBマナーのシャウト・ナンバー「ダンボール肉まん」、そして旅情あふれる青春ファンク「最北端」など、ライヴの定番曲を収録。
PROFILE
在日ファンク
浜野謙太(Vo) / 村上啓太(Ba) / 仰木亮彦(Gr)/ 永田真毅(Ds) / 福島"ピート"幹夫(Sax) / 久保田森(Tb)/ 村上基(Tp)
新しい時代のディープ・ファンク・バンド、在日ファンク。高祖ジェイムズ・ブラウンから流れを汲むファンクを日本に在りながら(在日)再認識しようと、音、思想、外観あらゆる面から試みるその様は目を覆うものがある。しかし、それこそがまさにファンクだということに彼らはまだ気付いていない。
浜野謙太がトロンボーンを務めるSAKEROCKもどうぞ
SAKEROCK2年振りのフル・アルバム。本作より先行でリリースされたシングル「会社員と今の私」は、オリコン・チャートで25位に入る快挙を達成。インディーでインストでこんなことが起きるなんて! 今作も快晴の空のように痛快で、熟成された古酒のように芳醇な最高のサウンドが詰まっております。これが日本の新しい音楽。
ハナレグミ、高田漣、ヒットミー(CaSSETTE CON-LOS)、JUNE(BEAR GARDEN from Thailand)、山田里香(Bophana)や野村卓史(グッドラックヘイワ)ほか豪華ゲストがこれでもかと参加した、セカンド・フル・アルバム。アナログ・レコーディングされた音色と、「エイト・メロディーズ」や「スーダラ節」などの懐かしのメロディが温かな一枚です。