今、京都で活躍する2バンドの音源を体験せよ!
OUTATBERO / CUPRUNOID
2007年京都にて結成。京都の雄、FLUIDや溺れたエビの検死報告書などのメンバーが集結。エモ・ポストロック・シューゲイズ・エレクトロニカなど数多あるジャンルを再構築し、極限まで減らされた音数ながら、緻密に構成された楽曲と類を見ない独自のセンスで、新しい音と懐かしい泥臭さが混じり合わせています。彼らの初公式音源となる本作は、studioNUITOより現在活動凍結中のnuitoのヒラヰプロデュースにて制作されたもの。また、The XXや I am robot&proud、Anathallo、31 nots、NO AGE等海外アーティストのサポートを数多く務めるなど、ライブ・パフォーマンスにも注目が集まっています。
Lainy J Groove / f.VACATION
よく食べる。よく呑む。よく笑う。FUNK/HIPHOPからデトロイト・サウンド、エレクトリック、シューゲイズまでもが溶け合う人力アフロセントリック・じゃパニーズ・ニュー・ビート! 前作のメンバーら自身によるREMIX ALBUM とは打って変わって、今回は生の演奏と4人の歌声が詰め込まれた3曲入りシングル。ゲストにK-106よりK-taro (sax)を迎え、崩壊寸前なまでの強烈アシッドなサウンド・スケッチに4人の歌声が生命の息吹をあたえ、ウネるグルーブが増殖していくカタチを強引に体験させる!! 約3年ぶりのリリースとなった本作は、よりいっそうハッピー&クールな音に!!!!
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広がる雨雲と突き抜ける太陽
OUTATBEROがRADIO HEADを引き合いに紹介されるのに、最初は疑問が多かった。以前に京都で彼らのライヴを見た時に、そんな印象は全く受けなかったのだ。もっと感情的に、わかりやすく激しく動いていたように記憶している。
かと言って、音源が大人しい訳では全くない。ライヴでの激しさこそはないものの、音ひとつひとつへの執念がそこに見受けられる。音楽を解体して、部品をしげしげと見つめた後にもう一度音楽に再構築していく彼らの姿が目に浮かぶ。そしてやはり執念なんて爽やかなものではないのだから、聴けばたちまち頭上に曇り空が広がったような突き抜けない感覚を覚える。なるほど、RADIO HEADの要素は確かに強いかもしれない。
しかし、そこまでで彼らを評する事は出来ない。中盤から終盤に向けて全く別ものになっていくのだ。機械的な緻密さはそのままに、メロディに感情の起伏が、音に皮膚の温度が加わっていく。どこか陰鬱でありながらすっと耳に馴染むポップさも持っている。こうなるともう他と比べようがないのではないだろうか。
そして彼らとは対照的な、湿度0%の先天的な陽気さを持つのがLainy J Groove、OUTATBEROと同じく京都を拠点にするバンドだ。自身のバンドHPにある「よく食べる。よく呑む。よく笑う」というキャッチそのままに、ある体力すべてを音楽と踊ることに注ぎ込んだような音楽。聴いているこっちは自然と顔がゆるんでしまう。その勢いのままにさぞかし楽しかろうとにこにこライヴに赴けば、そのグルーヴの厚みに間違いなく圧倒されるだろう。楽しいだけではない、ストイックに音楽に向き合い、音楽と生活を共にしているから、彼らの音楽は突き抜けた陽気さを持っているのだ。
そんな陽気さに究極のロマンチシズムを加えたのが3曲目「ホシクズ」。「一人の星屑と、見た事の無い花」歌詞はたったこれだけ。これだけでも、どっしりとしたグルーヴがあって、その上にドラマチックなメロディが流れていれば、十分に物語は完成する。
OUTATBEROとLainy J Groove、音源の段階では毛質が全く違う印象を受ける彼らだが、バンド同士がジャンルレスに姿勢で共鳴し合う京都の音楽シーンのことだから、そんな彼らが既に共演していてもおかしくない。雨雲と太陽、対極の位置にあるこの二つのバンドを知るだけで、京都ではどんな面白い事が起きているのか想像せずにはいられない。(text by 水嶋美和)
脈々と続く京都の音
キツネの嫁入り / いつも通りの世界の終わり
歌とアコギとアコーディオンが奏でる、どこか異国の地のようで懐かしい地に迷いこんだようなメロディとパーカッションが繰り出すリズムは、変拍子を織り交ぜプリミティブに聞く人の心を打ちます。紡ぎだされる歌は、あまりに日常的で普遍的かつ懐疑的でもある言葉の数々。忘れていたことを思い出し、気がつかなかったことに気がついてしまう… そんな力を持った作品。
Nabowa / Nabowa
SOIL&"PIMP"SESSIONSの元晴を迎えたメロウなNabowa風ラテン・ジャズやジャズ・ギターのスケールを大胆に取り入れたアグレッシヴなジャム・チューン、更には、ACO、NAOITO(KINGDOM☆AFROCKS)をヴォーカルに迎えた本作のハイライト2曲など、実にヴァラエティに富んだ充実の内容。
the dokuros / 遅い昼食
浅川マキmeets BECK!?妖艶でドロっとした唄心を軽快に、複雑な女心をロケンローに。京都ライブ・ハウス・シーンでは知らぬものはいないギャルバン、いや、本格派、女ロック・バンド。一度観たら、聴いたら、虜になっちゃいます。
ゆーきゃん / サイダー
京都で歌い始め、現在は主に東京で活動しているシンガー・ソング・ライター。アシッド・フォーク/サッド・コアを体現するようなその声と日本語詩は、聴くものに儚くも強烈な印象を残します。今作はギターとヴォーカルのシンプルなつくりでありながら、その歌声はグッと心に染み渡る力を持っています。ギターの弦の音や呟くようなヴォーカルを、高音質HQDファイルでよりリアルに感じられます。
長谷川健一 / 震える牙、震える水
正に魔都京都から届けられた最後の歌とでも言おうか。二階堂和美、七尾旅人、トクマルシューゴなど良質なアーティストをご紹介しているP ヴァインがお届けする最後のシンガー。歌が純粋に歌として響くことの素晴らしさを思い起こしてくれるシンガーソングライター長谷川健一。繊細で冷たい穏やかな光が暖かく震えながら降り注ぐ誰にも真似できないハセケンの世界。その官能的で優しくも切ない叫びは聞くものを別世界へと誘う。
JESUS FEVER / lemniscate(HQD ver.)
少年ナイフ、DMBQ等のバンドにも所属した凄腕ドラマー故チャイナのオリジナル・バンド、Jesus Feverの未発表アルバム。4月にCD-Rで発売された『lemniscate1』は、デモ盤ながら大きな反響を呼んだ。そして、ついに完全版『lemniscate』が完成。本作は、2002年に収録されたもの。彼女等が吐き出したあまりに透明な音は、今なお人々の皮膚に染み入ります。8年の時を経て届く無限大の歓喜が、2010年、音楽の可能性を問いただします。
CONVEX LEVEL / New Moon 1st Contact
Jesus Feverの先輩であり、京都の1時代を築いたバンドCONVEX LEVELのオリジナルとしては10年ぶりの新作アルバム。名曲「You Are The Alien」や「What's Going On」、そして大名曲の「Another Man」等、彼らの10年の軌跡が惜しむことなくコンパイルされています。もしあなたが音楽好きならば、彼らの音楽に一度触れてみる事をおすすめする。ポップとは、これほど斬新なのである。
Limited Express(has gone?) / LTD
京都で結成、2007年より拠点を東京に移した彼ら。解散、上京、加入、出産・・・数々の出来事を重ねてきたLimited Express(has gone?)の、約5年ぶりとなる最新作。谷口順(U.G.MAN)と竹久圏(KIRIHITO)をプロデューサーに迎えて制作された今作では、持ち前のアヴァンギャルドさはそのままに、ライブを重ねてきたことで生まれた強靭なグルーヴ&バンド・サウンドを繰り広げています。
京都の音楽フェスティバル BOROFESTA2010
2010年10月22日(金)、23日(土)、24日(日)
京都KBSホール&club METRO
出演 :
DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN / ときめき☆ジャンボジャンボ / BRAHMAN / PE'Z / つじあやの / ホフディラン / Riddim Saunter / PARA / bed / 片山ブレイカーズ&ザ☆ロケンローパーティ / 前野健太 / Limited Express(has gone?) / LOSTAGE / KING BROTHERS / ハヌマーン / Predawn / ゆーきゃん / JAPAN-狂撃-SPECIAL / Taichi Furukawa(Riddim Saunter) / Tomoh / LARGE400 / 高橋孝博(HALFBY) / 田中亮太 / Caravan / キセル / 曽我部恵一 / world's end girlfriend / やけのはら+ドリアン / Predawn / 毛皮のマリーズ / 神聖かまってちゃん / 踊ってばかりの国 / 奇妙礼太郎トラベルスイング楽団 / Turntable Films / ロボピッチャー and more!
PROFILE
OUTATBERO
2007年京都にて結成、2009年現在の編成に至る。B(vo/gt)、C(gt)、U(ba)、G(dr)の4人編成。緻密に構成された楽曲と類を見ない独自のセンス、音源からは想像できない激しいライブ・パフォーマンスで人気を博す。Qomolangma TomatoやLOSTAGE、cinema staff等J-INDIE勢との共演、The XXや I am robot&proud、Anathallo、31 nots、NO AGE等海外アーティストのサポートを数多く務める。2010年夏、1stアルバム『CUPRUNOID』をstudioNUITOよりリリース。
Lainy J Groove
よく食べる。よく呑む。よく笑う。そんな4人が開き直ってDANCE TO THE MUSIC!! ハウス/テクノ、アフロまで貫いてロック始めました。関西を中心にLIVE活動を行い数々の海外アーティストのstarring actを勤めた後、2007年にMCにkunihiko(a,k,a espell)、VJにfishが参加。1st album 『googol plex tracks』を発売。2008年にヴォーカルに田中ケムル(こっきり)が参加。FUNK/HIPHOPからdetroit sound、Electric、shoegazeまでもが溶け合う人力アフロセントリックJapanese new beats! 崩壊寸前なまでの強烈アシッドなサウンド・スケッチに「4人の歌声」が生命の息吹をあたえる。 それは唯一無二の誕生でもあるのだ。 引きずりまわされようにウネるグルーブが増殖していくカタチを強引に体験させる!!