ロサンゼルスを代表するAVANT PUNKバンドMikki & the Mousesと、東京を代表するSTRANGE COREバンド・デラシネの、奇跡のスプリット版が完成！ 2度の西海岸ツアーを共にした両者。本作は、ロサンゼルスの重要レーベル「TEENAGE TEARDROPS」と、東京の最重要レーベル「Less Than TV」からの同時リリース！ 再生ボタンを押したら最後、あっというまに通り過ぎていってしまう、アヴァンギャルドな音の数々。現在の音楽シーンに風穴を空け、足跡をくっきり残していく両者のサウンドのぶつかり合いを、その耳で体感せよ！
deracine×Mikki & the Mauses
2011年3月9日(水)発売
価格 : 1000円(mp3/wav)
>>「Brother, are you hungry? (デラシネ)」「YOU TOLD ME YOU LOVED ME (Mikki & the Mauses)」のフリー・ダウンロードはこちら(期間 : 3/10〜3/17)
属さず、壊す
モッシュした後に服が血まみれになったのは、後にも先にも去年9月に行われたTOKYO BOREDOMでのデラシネのライヴだけだ。しかも、私の血ではなかった。「ブッ壊す」という彼らの結成時からあるコンセプトの通り、知らない誰かがブッ壊されてしまったらしい。いや、あのモッシュ・ゾーンに居た全員か。狂乱して喜び踊る人の中、本気で命の危険を感じた。何度も誰かの膝に、肘に、顔面を潰されそうになった。なのに、なぜあの場所から誰も離れようとしなかったのか。むしろ、なぜどんどん人が飛び込んできたのか。それはもう、理性をブッ壊されていたからだろう。そんな中に居るのだから、まともに歌詞など聴ける状態ではない。だから音源は彼らの音楽をじっくりと聴くことが出来る唯一の方法だ。じっくりと言っても一番長い曲で1分半しかないが。デラシネ結成におけるもう一つのコンセプトは「属さない」。歌詞を意識して聴けば彼らの音楽に対する姿勢の輪郭がはっきりと浮き上がってくる。音源とライヴ、その両方を体感することで彼らの本質は見えてくる。
そして、ロサンゼルスからやってきたMikki & the Mouses。どう見てもあの世界的に有名なネズミを意識した名だが、デラシネと共にスプリット・アルバムを出すぐらいなのだから、言うまでもなくポップでキュートでピースフルな人物な訳がない。スラム街で毎夜パーティを繰り広げている彼らは、LAアンダーグランドの最重要バンドと言われている。その中心人物であるアンソニーは2005年に自身のバンドMean Redsを解散させた後、東京に移住。その間デラシネのボーカル、風間コレヒコ宅に不法滞在していたというところからこの2バンドの稀有な交流が始まり、二度の西海岸ツアーを経て、今作『deracine×Mikki & the Mouses』のリリースに至った。Mikki & the Mousesの音楽は、メロディ・ラインだけで聴けば耳に馴染みやすい爽やかな曲が多い。にも関わらず、聴く時にはいつも緊張感が伴う。いつ牙をむくかわからない野性の狂気を秘めている。その点から言えば、かわいいキャラクターと多彩な色使いで近づいて来て人をトリップ状態へ引き込もうとする「不思議の国のアリス」「ファンタジア」などのウォルト・ディズニー初期作品に通ずるものがあるかもしれない。
驚くことにこの作品、20の曲数に対し全体で17分34秒しかない。とは言え、ここまでライヴの熱を保った音源が1時間以上あっても辛いだろう。しかもゆったり聴けるものじゃない。命がけのライヴが部屋の中で再現されてしまうのだ。今月末のデラシネ自主企画イベント「MISTAKE SHOW vol.21」にMikki & the Mousesが出演する。ここまで色々と書いたが、正直、彼らの音楽を評するのは無粋なことだと思ってる。何を言っても余計な言葉にしかならない気がする。だからこの日、無粋な理解が染み付いてしまったこの頭をライヴでブッ壊してもらおうと考えている。とは言え、人の原始的な部分を刺激し、異常な興奮の渦を作る彼らのライヴを体験したら、またそれについて何かしら書きたくなるのだろうけど。(text by 水嶋美和)
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デラシネ / デラシネ
自主企画の開催や、フリー・ペーパー「MISTAKE MAGAZINE」の発行など、自分達の取り巻く環境を提示し商業主義音楽シーンの打破を目標に活動を展開。ヨーロッパ・アメリカ西海岸などへの海外ツアーも敢行してきた彼らが、2006年にLessThanTVからリリースした1stアルバム。アヴァンギャルド・ノイズを撒き散らし、15分で過ぎ去っていく。
V.A. / 4-DIMENSION MUSIC THERAPY〜Tribute to GARORINZ〜
福岡のガールズ・パンク・バンドGARORINZ(ガロリンズ)のトリビュート・アルバム。メンバーの藤井よしえは、様々なイベントの主催や共催、フリー・ペーパー、レコ屋、カフェやライブ・ハウスの運営など、福岡のシーンを語る上では避けて通れない存在。そんな彼女と親交の深い15アーティストが集結し、ガロリンズとnoumi yoshie(藤井よしえソロ)の楽曲をカヴァー。熱量に満ちたコンピレーション・アルバムが完成した。デラシネは2曲目「chicken」で参加している。
デラシネ×Mikki and the Mauses Split Japan Tour！
3月19日(土)＠岡山CRAZYMAMA STUDIO
w / VELOCITYUT,TILL EWING,and more
3月20日(日)＠広島MUGEN 5610
w / [LIVE] VELOCITYUT / jailbird Y / nuill&un Cuente de hadas / etos / [DJ] chockee&DJ
3月21日(月祝)＠福岡HEART STRING STUDIO 5F
w / RUNNERZ / accidents in too large field / ナルコレプシン
3月22日(火)＠大阪本町NUOOH
w / [LIVE] bonanzas / ▼アザムカシ(ggpp.cc) / LARGE400 / [DJ] DJ 15位(EGYPT RECORDS) / [FOOD] FOOD:meets / [SHOP] EGYPT RECORDS
3月25日(金)＠東京小岩BUSH BASH(Mikki and the Mausesのみ出演)
w / GOD'S GUTS(Guest : 前川リカ(ex.we are the world/TRADE MARKS/DISCOBABY)) / TIALA / クリプトシティ / KEEN MONKEY WORK
3月26日(土)＠東京東高円寺二万電圧
w / bossston cruizing mania / PASTA FASTA / Limited Express (has gone?) / V/ACATION
3月26日(オールナイト)＠東京高円寺DOM STUDIO
w / [LIVE] HIMO / DUDMAN / ゲバ棒 / TIOVITA 1 / 新日本鎌斬 / [DJ] TENT / HELMET / SHIGA＆BS DJ's
