PROGRESSIVE FOrMの歴史を凝縮した一枚を高音質で先行配信
V.A / 01:11
2001年のレーベル発足以降、2012年に設立11周年目を迎えるPROGRESSIVE FOrM、歴史を築いてきた希代の名曲群によりコンパイルされた初のレーベル・ベスト盤が完成しました!
※OTOTOYでは、24bit/44.1kHzの高音質ver.を配信しています。
【TRACK LIST】
01. Ryoichi Kurokawa - Sea In You / 02. Ametsub - Lichen with Piano / 03. AOKI takamasa - Pipe Tale - Indigo Rose feat. Tujiko Noriko / 04. RADIQ aka Yoshihiro HANNO - Till The Dawn feat. Damiana Terry / 05. Shuta Hasunuma - Exchange Groove / 06. MimiCof - Pulled Up (Serph Remix) / 07. Nao Tokui - Pan Pacific / 08. Caelum - Kyrie (Exclusive Mix) / 09. Pleq - Good Night (Go-qualia Lucid Dreamin Non Rem Sleep Mix) / 10. 30506 - VVV / 11. Fugenn & The White Elephants - Narcissus / 12. eater - Schoolyard / 13. AOKI takamasa - Kes. / 14. Ametsub - Sahsanoha
単なるコンピレーション・アルバムではない
進歩するということは、未来を描くことだと思っていた。そんな考え方しか出来なかった2001年当時の僕は、近未来的なものや目新しいものを求めて音楽を聞いていた。PROGRESSIVE FOrMというレーベルが設立されたのも同じ年だった。それから11年の月日が経った2012年、PROGRESSIVE FOrM初のレーベル・ベスト・アルバム『01:11』を聞きながら、僕は進歩することが未来を描くことだけを言うのではないことに気がついた。もし未来を描くことに成功したとしても、数年後に更に新しいものが出てきたら、前者は古いものになってしまう。『01:11』の楽曲を聴いてみると、古びた感じが全くしない。2001年から2011年にかけてリリースされた名曲をコンパイルしたアルバムにも関わらずだ。
それは時代が彼らに追いついていないという尺度の問題ではない。僕の進歩という言葉の捉え方が一元的で、違っていたということにある。PROGRESSIVE FOrMがリリースしてきた作品における進歩とは、言い換えれば洗練ということである。時代性からさえも垢抜けて、音楽を優雅なものにしてしまう。そんな進歩の仕方。そうした楽曲たちは、いくら時間が経とうとも古くさくならない。同時代にリリースされた他の作品と比べてみると、スマートさがより際立つ。作品が生まれた当時よりも、未来である現在から遡って聴いてみたときに輝きを増していく。『01:11』というコンピレーション・アルバムは、そうした進歩を検証して提示してみせる作品でもある。
青木孝充の1stアルバム『SILICOM』に収められた「Kes.」、『Forma.2.03』に収められて話題をさらったAmetsubのデビュー曲「Sahsanoha」を始め、同レーベルがリリースしてきた作品の中の名曲たちが、Daisuke Kashiwaのリマスタリングによって更に活き活きと表れている。これを単なるコンピレーション・アルバムと捉えてほしくはない。良質な音楽を発信し続ける、信頼できるレーベルによるレーベル・ベスト・アルバムとして捉えてほしい。今ではエレクトロニカや電子音楽が手軽に作られ、ネット上を飛び交っている。これからは、そういった音楽たちが淘汰されて本当にいいものだけが残っていくだろう。そんな中でもこのレーベルは良質な音楽を発信していき続けるに違いない。そんな安心感と確信を、この作品は裏付けてくれる。
アルバム・タイトルの『01:11』は、発売日の1月11日とかかっている。また、11周年ということとも、2進法で11を表すことにもかかっているし、他にも関連性があるかもしれない。ここまで細かい部分にまでこだわっている姿勢に背筋が伸びる。時代が変わっても、変わらぬ良質な音楽を発信していくレーベルとして、PROGRESSIVE FOrMをこれからも見逃せない。(text by 西澤裕郎)
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PROFILE
PROGRESSIVE FOrM
2000年に設立以来、日本における様々な、新しいエレクトロニック・サウンドをサポートし、海外との繋がりを絶えまなく継続、推進し続け、いまや日本を代表するインディペンデント・レコード・レーベル。