世界を変えるアーティストを! NEW SENSATION!

インディーズに力を入れるレコード店disk unionと配信情報サイトOTOTOYがガッチリタッグを組んで、1ヶ月にわたって、たった一つのアーティストを押し続ける企画、「NEW SENSATION」が始まります! この企画でもっとも大事にするのは、バイヤー目線。広告予算がなくても、メジャー・レコード会社が決まっていなくても、「こいつら、絶対すげぇ! 」そんなバンドが現場にはいっぱいいるんです。「NEW SENSATION」は、disk unionとOTOTOYがバイヤーの威信をかけ、本当に押したいもののみを展開する気合い2070%のコーナー。「本企画から必ず世界を変えるアーティストを出します!」そう誓い合い、高円寺の居酒屋で杯は交わされたのでした。(OTOTOY編集長 飯田仁一郎)

第2弾アーティストはトリプルファイヤー!

第2弾アーティストは、都内に留まらずじわじわと名前を広めつつある『トリプルファイヤー』です!!!

2010年より現体制になり本格的に活動開始。これまでライブに主眼を置いた活動を続け、多種多様な場所/メンツと共演。都内のライブハウスはもとより、4月にTACOBONDSと行った九州ツアーでは、初見の観客が多い中大喝采を浴びたほど。このバンドのセンスは本当に新しい!!!! 「パチンコがやめられない」、「つぎやったら殴る」、「おばあちゃん、俺、俺」等ショッキングで、ある意味世相を色濃く反映した詞世界。人間の生活の中での闇を見据えつつ、でもそんな深く掘り下げたりもせず、日常的に思ったことを歌詞にしたような世界観は笑えながらも、各々の心にチクリと刺さってくる。そんな歌とは裏腹に演奏は無駄な音を一切排除した、ストイックなニュー・ウェーヴ・サウンド。今年、必ずインディーズ・シーンを席巻するバンドです!


初のスタジオ・レコーディング作が完成!

トリプルファイヤー / エキサイティングフラッシュ

1. エキサイティングフラッシュ / 2. 次やったら殴る / 3. パチンコがやめられない / 4. ガンダーラ / 5. 富士山 / 6. 抱きしめたい / 7. おばあちゃん


“人の生活の中での闇を見据えつつ、でもそんな深く掘り下げたりもせず、日常的に思ったことを歌詞にしたような世界観は笑えながらも、各々の心にチクリと刺さってくる。”これは去年彼等の自主盤を取り扱った時に書いたコメントだけど、端的に表していると思う。クールなバンド・アンサンブルは正に現代の生活音。そしてこれ以上ないリアルな歌詞観。「New Sensation」第二弾アーティスト「トリプルファイヤー」。自信を持ってオススメします。(DISK UNION / 矢野)


悲しいかな、努力型の人間がどんなに努力したところで、生まれ持った感性でそれをさくっと越えてしまう人間というのが世の中にはいる。トリプルファイヤーは、そういうバンドだと思う。努力だけでは決して作れない。だからといって、決して器用というわけでもない。だから、こういうバンドが出てくることは、とても貴重なことなのだ。重苦しいことを、重苦しくなく言ってしまう。そんな感性に嫉妬しながらも、愛してやってください。(OTOTOY / 西澤)

トリプルファイヤー INTERVIEW

このバンド、何か変だ。「次やったら殴る」という暴力的な歌詞を叫んでいるのに、まるで殴られるような気がしない。聴き進めていていくうちに、それは心の中で葛藤している声であることが分かる。そして、きっと殴れないんだろうなという想いが強くなっていく。心の中の声にもかかわらず、振り切ることのできない青年の想いを、言葉と音楽で表しているのがトリプルファイヤーというバンドの肝である。負け犬や弱者の想いといったステレオタイプの中に潜む違和感を、最小限の音まで削いで表現する。最初聴いたとき、関西を中心に活動しているオシリペンペンズのことを思い浮かべたが、その内実は似ているようでまったく違うものだ。似ているのは、当たり前と思っている空間を鋭いナイフで切り裂き、自分たちの空間にしてしまうという点である。東京にもこんなバンドがいることを知って、とても嬉しくなった。それと同時に、より多くの人たちに聴かれるべきバンドだと思った。当たり前が当たり前じゃないと思っていることを、さらに疑え。トリプルファイヤーが、いかにして成り立っているのか。メンバー4人の初インタビューをお届けする。

インタビュー&文 : 西澤裕郎

(バンドを)やめようと思っていたけど、気が弱くて言い出せなかった

――トリプルファイヤーはどのように結成されたのでしょう。

大垣 : もともと、サークルで知り合ったのがきっかけです。最初は3人でやっていたんですけど、限界を感じて1回リセットしようってことになり、新しくギターに鳥居君を誘って、2010年に4人になりました。

――3人でやっていた時期はどういう活動をしていたんですか。

吉田 : そのときは何も考えていなくて、あまり突き詰めてやっていたわけじゃなかったんです。だから、バンド自体をやめようかと思っていて。でも僕の気が弱くて、スタジオで言い出せなくて…。
大垣 : すごく消極的な理由だ(笑)。
吉田 : だから、そのまま続けようって言ってしまって。
一同 : 爆笑。

――じゃあ1回トリプルファイヤーをやめようと思っていたけど、言い出せないから続けたと(笑)。

吉田 : 「いつ言おう、いつ言おう」って思っていたんですけど、みんながいつもみたいに笑顔で接してくれたから…。
一同 : 爆笑。
吉田 : 友達には「次のスタジオでやめようと思う」ってことを言っていたんですけど、そういうことになってしまったから、いっそのこと覚悟を決めてやってやろうと思って。鳥居くんとは4年くらい前に会って以来だったんですけど、そのときにコピーしていたストゥージーズのギターがいいなと思っていて。誘ってみたら意外と暇そうにしてたので、入ってもらいました(笑)。
鳥居 : 元から同じ学年だったし、留年も決まっていたから、似たような波長が出てたのかもね。

――4人でやることが決まって、どういう音楽を目指していこうと思ったんでしょう。

吉田 : 一番思い描いていたのはD.A.Fっていうバンドで。
大垣 : あとYOLZ IN THE SKYとか。
吉田 : トーキングヘッズとかも言っていたよね…。
大垣 : めっちゃ震えてるよ、吉田。

――あはははは。インタビュー前にエナジードリンク飲んでたのに。

吉田 : しゃべると緊張しちゃうんですよ。
三人 : ダメじゃん(笑)。
吉田 : それを言ってくれたことで、自分を客観視できた。そろそろほぐれてきた(笑)。

――(笑)。話している印象だと、吉田さんの思い描いているものを、3人が盛り立てて行こうって感じなんですけど、実際にバンドのイニシアティブをとっているのは誰なんですか?

大垣 : 決定権を持っているのは彼(吉田)ですね。衆議院と参議院みたいなものなんですよ。僕ら三人参議院で彼一人衆議院みたいな。一応議論はするけど、最終決定は結局こいつですね。
山本 : でも、色々なことが下手だから円滑にするためにみんなが動いてあげている感じというか。

山本(bass)

――なるほど。2009年に鳥居さんを誘って新生トリプルファイヤーになったわけですけど、みなさん卒業を真近に控えていた時期ですよね。そこで改めてバンドをやろうって思ったのは、音楽をメインで生活していこうという気持ちがあったからですか。

大垣 : それは、あんまり関係ないかな。明確に目標を立てて、びしっと線を通したバンドをやりたいなっていうだけですね。それで食っていくとかは考えてなかったです。
吉田 : バンドをしていなくても就職っていう意識は低かったけど(笑)。
一同 : そうそう(笑)

――あははは。吉田さんの地元は香川県なんですよね。ブログに同窓会のネタがよく出てくるので、当時から疎外感のような感覚を覚えていて、今もどこかで引きずっているのかなと思ったんですが。

吉田 : そうですね。多分、昔から思ってたんですけど、それを言葉で考え出したのは最近ですね。

――吉田さんのパーソナリティの強さがバンドに繋がってきていると思うんですけど、他のメンバーの方はトリプルファイヤーというバンドにどういう魅力を感じているのでしょう。

山本 : 僕の場合は、単純に吉田が面白いっていうのがあって、今でも鮮度が落ちないっていうのが大きいです。バンドを始めたころにゲラゲラ笑ってたような感じで今でもやってるので。だから彼がつまんなくなったら終わりだと思う。
吉田 : 急に面白くなくなるなんてことないよね…。
大垣 : 今年つまんねーぞこいつ、みたいな(笑)。

――あはははは。

山本 : 例えば、『行け! 稲中卓球部』のネタで笑い合えるとか。同じ事で笑えるっていうところですよね。
吉田 : 意見が違っても説明したら理解はしてもらえる、みたいなところがこのメンバーにはあって。はなから価値観が違うって感じじゃないんで、その辺の安心感はありますね。

――そこまでみなさんを惹き付ける、吉田さんの魅力ってどういうところにあるんでしょう。

山本 : 大雨なのに、当たり前のように傘を持ってないとか(笑)。こっち三人はリハに入ってセッティングしている中、遅刻しながらびしょ濡れで来たり。前から「1本も傘を持っていない」ってことは聞いていたんですけど、「あ、本当に傘持ってないんだ!」ってなったり(笑)。
大垣 : ダサい嘘をつくくせに、こんなこと人前でよく言えるな、ということを言うんですよ。正直過ぎるというか嘘はつかないんですよ。
吉田 : これ、なんなの(笑)?

――はははははは。

鳥居 : あと、たまにすごい脱力してるときがあって。そのダラっとしてる様を見てると気持ちが良くなってきちゃって(笑)。
一同 : 爆笑

鳥居(guitar)

怒りというよりも、違和感

――トリプルファイヤーって、歌詞がすごく印象的だと思うんですよね。「次やったら殴る」と言いながら、結局この人は殴れないんだろうなとか、パチンコをやめられない人なんだろうなとか。でも、吉田さんの中にあるのは怒りとかではないんですよね。

吉田 : 怒りというよりも、違和感ですね。怒りみたいなはっきりした気持ちになることはあんまりないです。そこまで自分を肯定しきれないというか。もっと折り合いが付かない気持ちの方が僕にとってはリアルなので。あと、世の中に浸透しすぎて目に見えにくくなっている同調圧力に逆らいたいっていうのがあります。

――と言うのは。

吉田 : 例えば、ロック・バンドの歌詞って一見変わったこととか尖ったことを言っていても、結局最後はみんな心が優しかったり、純粋だったりするじゃないですか。それが嫌だったんですよね。やっぱそこはそうじゃないとダメなんだみたいな。前はそういうのを聴くと危機感を感じて自分をそっちに寄せていこうとしてたんですけど、今はそういう価値感で括ることのできる言葉には説得力を感じないし、自分はそういうことは言いたくないですね。

――企画一弾で、笹口騒音ハーモニカの笹口君に話を聞いたんですけど、彼はテレビとかから流れてきたニュースなんかがモチーフになるみたいなんですね。トリプルファイヤーの歌詞っていうのも、対外的なものだったり受動的なものにインスパイアーされる部分があるんでしょうか。

吉田 : 結局、人に会ったり、本とかネットとかを見て影響を受けるってことは絶対にあるので、受動的といえば受動的だと思います。けど、何かを受け取って感動した時よりも、良さげに見えるものの中に何か違和感を感じたときに言いたいことが出てくるので、インプットしたものを肯定する歌詞になることはあまりないです。

――面白いなと思ったのは、メンバーが一人増えたのに、音を削いでいったという点なんですけど、それはどうしてなんでしょう?

吉田 : なんでだろう。少ない音数でやるっていうのがいいなと思ったからかな。例えば、べらべら説明するんじゃなくて一言でパッといえた方が好きなんです。大喜利を見るのが好きなので、理想はそういうのが綺麗というか格好良いなって思います。

吉田(vocal)

――今は機材が進化してるんで、音を足すことでそれっぽい音楽って作れちゃうと思うんですね。でもトリプルファイヤーは、音を削ぐことによって自分たちの音を構築をしているのがいいなと思って。「次やったら殴る」って曲を聴いたときに、オシリペンペンズに近い感じを受けたんですよ。構成はすごいシンプルなのに、圧倒的な迫力が伝わってくるというか。

吉田 : たしかにオシリペンペンズは好きで、歌詞もすごいですよね。

――あと、僕からすると今25~6歳くらいのバンドが、どういう音楽に触発されているのかって気になるんですけど、どういう音楽から影響を受けていると思いますか?

大垣 : どうだろう。でもみんなほかの世代とそんな変わらないと思いますよ。あと、自分が好きなものとバンドに使おうと思うものが一緒じゃないし。
山本 : 俺も全然違う。
大垣 : 本当はアイドルとかも好きですけど、そこからは持っていかないですね。
吉田 : まわりの雰囲気として、カートコバーンみたいなカリスマを崇拝したり、何かに属することに対する不信感があると思っていて。だから僕らぐらいの歳の人がみんな共通して好きって音楽はあんまりない気がしますね。どこも引いた目で見ちゃうというか。で、結局自分の考えてることってなんなんだろうって。…ってなっていった結果です。
大垣 : 結び下手か(笑)。
吉田 : やっぱ今は昔のロックみたいな反体制とかの大きなメッセージを掲げることは空虚に感じるし、世の人々がこうでなきゃいけないと信じている道徳的なものにも疑いがある。だから、自分が本当に考えていることが何なのか、欺瞞が生まれないように考えていかないと、と思っているし、シンプルで気持ちいい考えに身を任せないようにはしています。

――そういう感覚って震災後にはより強く感じたんじゃないですか?

吉田 : ああいうことがあった後って、わかりやすい思想が力を持ってくる時期だと思うんですよね。そこは自分なりに咀嚼して、妄信してしまわないように気を付けていました。

――例えば、音楽で食っていきたいとか、友達と楽しくやっていきたいとか、バンドをやる理由は色々あると思うんですけど、トリプルファイヤーがバンドをやり続けている一番の理由というのはどこにあると思いますか?

山本 : 吉田は結構、認められたいっていう欲求が強いよね。
吉田 : そうですね。やっぱり誰も聴いてくれないとライブもやる意味がないし。特に、倫理的な人とか、どっかの社長の書いた本読んでるような人とか、いわゆる普通の人に聴かせたいというのはありますね。そういう人は僕らの音楽を好きにならないかもしれませんが、ある程度聴いてもらえれば、反感を抱くことはあるんじゃないかと思います。そういう人に聴かせてこそ意味があると言うか。そのためには、もっと多くの人に聴かれないといけないと思っています。

――色んな人に聴いてもらってアンチが生まれるくらいになりたいということですか。

吉田 : そうですね。

――じゃあ、決して今聞いてる人たちのコミニティの中だけで継続していきたいわけではないんですね?

大垣 : それは一番嫌なことですね。

大垣(drums)

――今って割とそうなりがちな雰囲気あるじゃないですか。ちっちゃいハコも増えていて、それはそれで楽しいんですけど、広がりにくくもなっている気がしていて。

大垣 : さっき吉田が言っていたのと一緒で、知らない人の前でやるのが楽しかったりするから、どんどん変えて行きたいですね。

――では最後に、これからの意気込みをお願いします。

吉田 : やってるうちに今思ってるようなことがやっぱり違うと思ったり、音楽性とかも変わっていくかもしれないですけど、続けていきたいです。
大垣 : 意外と俺ら考えてるんだよっていうのが伝わればいいかなと思います。変なヤツだって思われがちだけど考えてるんだよって。
山本 : 個人個人のスキルはそんなにないし、練習熱心じゃないから、考えてやらないとどうしようもないなって思いながらやってるんですけど、聴いてほしいですね。
鳥居 : もっとしゃべれるのがうまくなれればいいなと思いました。変わっていくというのはあるだろうし、確かに変えていきたいとも思います。どうなるかはわかりませんけど。
吉田 : まずは、怠惰な生活を改善していきます。

LIVE SCHEDULE

本日! トリプルファイヤー企画「NIGHT OF FIRE」
5月19日(土)@新宿motion
w / 灰緑 / Have a nice day! / tnwh / BOSSSTON CRUIZING MANIA

6月10日(日)@秋葉原CLUB GOODMAN
w / Emily likes tennis / carpool / よしむらひらく+畠山健嗣 / ヨシュアカムバック

6月23日(土)@南池袋music.org
w / ジッパーズ / GEKIYAKU! / mayim mayim

>>トリプルファイヤーWEB

トリプルファイヤー disk unionでの展開

下記の店舗で試聴機展開&5/25発行のFOLLOWUPにてインタビュー掲載!

お茶の水駅前店 / 新宿本館BF 日本のロック・インディーズ館 / 下北沢店 / 吉祥寺店 / 町田店 / 横浜関内店 / 横浜西口店 / 淵野辺店 / 津田沼店 / 千葉店 / 柏店 / 北浦和店 / 池袋店 / 渋谷中古センター / 中野店 / 立川店 / オンラインショップ

>>disk union WEB

NEW SENSATION 今後の展開スケジュール

第1回(4月下旬公開) : 笹口騒音ハーモニカ
第2回(5月下旬公開) : トリプルファイヤー
第3回(6月下旬公開予定) : TBA
第4回(7月下旬公開予定) : TBA
第5回(8月下旬公開予定) : TBA
第6回(9月下旬公開予定) : TBA

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連載

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筆者について
西澤 裕郎 (西澤 裕郎)

1982 年生まれ。ファンジン『StoryWriter』編集長。http://storywriter-magazine.com/

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