四谷でライヴハウスを続けることの意地とは?ーーアウトブレイク10周年スペシャル・コンピをフリー配信

アウトブレイク店長・佐藤"boone"学

ロック・バンドからお笑い芸人、落語、ガマの油売りまで、古今東西のさまざまなアーティストたちが出演するライヴハウス・四谷アウトブレイクが、2015年に10周年を迎えた。BiS階段を生み出したイベント〈自家発電〉をはじめとした個性的なブッキング、金宮焼酎とコラボレーション、毎週のメルマガ発行、ライヴ以外でもバンドに還元しようとする姿勢、そこで働くスタッフたちの人間力により、「なんでもやっちゃうライヴハウス」としてテレビに紹介され、にわかに注目を浴びている。そんなアウトブレイクの10周年を記念し、店長の佐藤"boone"学にロング・インタヴューを行なった。また、アウトブレイクに縁のある10組によるスペシャル・コンピレーションを無料配信!! アウトブレイクに行ったことがない人も、ぜひ彼らの哲学に触れてみてほしい!!

V.A. / アウトブレイク10周年スペシャル・コンピレーション

【配信価格】
WAV / ALAC / FLAC / AAC : 0円

【Track List】
1. 海を見に行こう(ドブロク)
2. これからどうする(チクシヒロキ)
3. アンドロメルト(アンドロメルト)
4. 六月ノ雨ニ討タレテ(alt of the society)
5. 8th code(GCAC)
6. hourglass(カイモクジショウ)
7. 言わないスタンス(クウネル・ダ・サイクル)
8. Listen To The Beat(SEVENDAYS WEEKEND)
9. モザンピークで捕まえて(BBG48)
10. 自慰(奇形児)

INTERVIEW : 佐藤"boone"学

佐藤"boone"学

東京生まれ三茶育ち、ナゴムギャルは大体友達。10代からバンド活動をスタートさせるが順調に挫折。20歳で心機一転裏方で働く面白さに目覚め、アウトブレイクOPENから働く数少ないオリジナル・メンバー。特技は店の床で寝ること。

佐藤"boone"学の四谷ロックシティー計画報告書。

インタヴュー&文 : 西澤裕郎
写真 : 大橋祐希

やっぱりお金を貰う以上は、ちゃんとバンドに返さなきゃいけない

ーーアウトブレイクはどのような経緯で誕生したんですか?

佐藤 : もともと新宿Live Freakのオーナーが2軒目のライヴハウスを作りたいって言っていたんですよ。で、たまたま僕がFreakでイベントをやっていて、前の会社を辞めた時期だったので、誘われることになって。だから、素人同然でやり始めた感じなんです。

ーーなんで四谷を選んだんですか?

佐藤 : 物件の候補に秋葉原と四ツ谷があったんですけど、秋葉原はフロアの真ん中にでっかい柱があったから、四ツ谷でいいんじゃないかということになったんです。

ーーもともと音を出せる物件だったんですか?

佐藤 : いや、うどん屋でした(笑)。防音も一からやったんでめちゃくちゃお金かかりましたよ。

ーーあははは。四ツ谷ってライヴハウスがあるようなイメージがなかったんですけど、当時はまた違ったんでしょうか?

佐藤 : いや、本当に陸の孤島みたいな感じで、新宿からは近いけど誰も来ないみたいな。オフィスビルしかないし、若者が遊ぶところは全然なかったですよね。

ーーそうなると、四谷に来る理由が必要になると思うんですけど、ライヴハウスの色はどうやって決めていったんでしょう。

佐藤 : いや、色は決められなかったんですよね。当時はロックンロールのバンドが沢山出てきていたんですけど、1個のジャンルに固まっちゃうと、その人たちのファンしか来なくなってしまうので。例えば老舗のようなハコで、20000Vだったらハードコアとか、下北屋根裏だったらロックンロールやパンクって色がついているからいいんですけど、うちらは新しいハコで伝統もないから色をつけちゃうとまずいなって。だから、いろんなライヴハウスに遊びに行って、おもしろそうなバンドがいたら声を掛けて、っていうのをずっと繰り返してましたね。

ーーちなみに当時はノルマはとっていたんですか?

佐藤 : たしか今よりかなりキツく取ってたんじゃないかな。やっぱりお金を貰う以上は、ちゃんとバンドに返さなきゃいけないじゃないですか? だから、何をやろうかなってことは、ずっと考えてましたね。それこそ毎日出演のバンドと朝まで飲んで、こうやっていこうぜ! みたいなことを話したりしたし。最初の2年くらい、ここ(アウトブレイク)に住んでいたので、深夜とか明け方でも「ここにくればアイツがいるぞ、遊べるぞ」みたいな雰囲気を作ろうとしてました。今思えば見当違いすぎますよ(笑)!

ーー具体的にはどのようなことをやったんでしょう?

佐藤 : 何をやったらバンドにフィードバックできるのかを考えたときに、今考えると効率悪いんですけど、深夜にバンドを呼んで一緒に練習したり、スタジオ代わりに使ってもらって俺が茶々入れるみたいなことはしてました。これは今もやってるんですけど、火曜日はドリンク代500円で飲み放題にしようっていうこともはじめて。当時は、そういうのなかったんですよ。それでバンドに「おもしろいからこの日、条件あっても出ます!」て言ってもらったりとかもしたし。プラスアルファを何で乗っけようかなていうのを常々考えていて。この店にはノルマ払っても、自分らのためになるから出ようと思ってもらえるようにって考えていました。

ーー何か返したいっていうのは、どういう心境から生まれたんですか? 変な言い方ですけど、バンドに悪いなぁみたいな感情ですか?

佐藤 : 最初、悪いなぁ… がめちゃくちゃ先行してましたね。自分が胸を張って言えないとお金をもらえないし、続いていかないじゃないですか。これだけやってるし、これだけ返せるから、君らも条件これだけ頂戴ねって。そういうのを胸張って言えなきゃいけなかったんで。だから、最初はやりたい事とやれる事の距離が凄くあって「悪いなぁ」って感覚でした(笑)。

出来る事は120%やらなきゃ駄目だよなって

ーーそういうスタンスを持ちながら10周年を迎えたわけですが、実際問題、毎日ライヴを続ける秘訣ってなんでしょう?

佐藤 : これは1年目からの積み重ねだと思うんですけど、飲み放題をやって、変な企画をやっていく中で、なんかこのお店違うぞ、出てみたいな、ってバンドから連絡をもらうことが多くなって。そういう1日1日を作っていって、次もまた出たいですって言ってもらったり。あと、月30日あるうちの何本かは持ち込みイベントで、バンドが1日丸ごと企画して作ってくれたり、社会人の方々が土日に借りて友達とライヴやったり、そういうのもありますね。うちの場合、特に学生イベントがめちゃくちゃ多いんですよ。当時、大学の音楽サークルがライヴハウスでライヴやるときって、PAとかは見習いのやつがやって、BARとかもやる気がないハコが多かったんですよ。そうなると、つまんねえみたいな雰囲気がすごく流れるんですけど、僕らは学生イベントでも普段のPAを入れるし、受付とかバーもニッコリやろうぜ! みたいにやっていて。主催の人ともちゃんと打ち合わせして、ライヴの時間が押しちゃっても追加料金をおまけするから、なんなら飲んでこうぜ! っていう付き合いをしていて。それもあって、ハコ貸しのリピートがとても多いんですよ。

ーー確かに人の部分って大きいですよね。場所もそうですけど。

佐藤 : 本当に四谷でよかったって思いますよ。だって強豪がいないじゃないですか? 実は下町なんで、町のパワーがあって、ちょっと本流じゃないところを楽しみに来る人もいるんですよ。渋谷のシーン、下北のシーンはちょっと馴染めねえぞみたいな。じゃあどこに行こうかって時に、外れたところで面白いことやってるぞと。ここで一緒に盛り上げちゃえ! と。バンドもやりやすいんですよ。すぐナンバーワンになれるんで。お前すごいじゃん! 俺協力するよー! みたいな(笑)。そういう意味では面白いバンドが集まってくれたのが、かなりでかいですね。

ーーさっきも話に出ましたけど、ノルマのことについて以前ネットで発言して、炎上しながらも議論を続けて話題を呼びました。現在、ノルマ制についてはどう考えているんでしょう。

佐藤 : これはもう、炎上した時にトークライヴとかやりまくって思ったんですけど、要はバンドが選べばいいんですよ。例えば、ノルマを取ってないところもあるんですね。バンドと対等でいたいから俺たちはノルマを取らないっていうポリシーで。ただ、うちは家賃とかスタッフの給料を考えたらノルマなしでやったら絶対潰れちゃうんで無理なんですよ。続けるためには必要。僕たちはこれだけ必要だからって提示しちゃうんですよね。それに対してバンドがYESかNOを言えばいいんですよ。ノルマが嫌だったら出なければいいし、ノルマのないところもいっぱいあるんで、バンドが選べばいいんです。もちろん、それにはお店がちゃんと提示しなきゃ駄目ですよね。そこがたまに曖昧になってる時があるんですよ。出演するまでノルマよくわかってなかったんですけど… みたいな。それで蓋を開いてみたら予想以上の請求されてるっていう。結局コミュニケーションが取れてないだけなんですよね。最初からクリアになってればそういう事は起きないし。

ーーブログにも書いてあったんですけど、東日本大震災が起こったことで、佐藤さんの考え方が大きく変わったそうですね。

佐藤 : すごく恥ずかしいんですけど、人って死んじゃうんだって生まれて始めて思ったんです。今あるものって、こんなに簡単になくなっちゃうんだって。それを痛感して、僕のプライベートがガラっと変わったんですよ。当時住んでた家も引っ越しして、CDとかも全部捨てちゃって。バック2つ持ってシェアハウスで暮らし始めるんですけど…自分ができる事ってものすごく少ないじゃないですか? 例えば、バンドに対してできる事とか、ライヴハウスに対してできる事とか。大きく言えば、インディ・シーンにできる事とかものすごく少ないので、だったら出来る事は120%やらなきゃ駄目だよなって。そういう転機だったんですよね。

ーーそこで、どういうことをやりはじめたんでしょう。

佐藤 : 深夜、レコーディングを中心にアウトブレイクを開放するようにしたんです。もちろん、レコーディング・スタジオでやるより音質は劣るんですけど、レコーディングを勉強もかねてみんなでやりはじめました。その時くらいから、レーベルも激しく動くようになったかなぁ。いろんな人に会ったり、とにかくアウトプットを増やして、それをバンドに提供しようって。CDを売りたいってバンドがいればこうすれば売れるよ、こういう人たちが協力してCD屋さんに並ぶんだよって教えてあげたり。PVを撮りたいというバンドがいればこんな監督がいるんだよとか、チラシ作りたければこんな会社があるよとか、それに応えられるようにいろんなところに行って、いろんな人に会ってアクティブに動き出したんですよ。

ーーアウトブレイクレコードとして、一緒にやろうという人たちはどういうふうにして選んでいったんでしょう?

佐藤 : 本当に僕が好きでやらせてくれ!! ってパターンと、バンドがすごく相談しに来てくれる中で、ここまでなら手伝えるからやらない? って感じで一緒にやることになるってパターンが多いです。

実際にガマの油売りのところまで行って、オファーしてきましたからね

ーー佐藤さんはアーティストに会う数がすごく多いと思うんですけど、やっぱり観ていてもどかしくなることもありますか?

佐藤 : バンドに対してもというより、なんでこれがもっと世に出てかないんだっていうもどかしさがあって。ただ、その力がバンドにもないし、相談を受けた僕にもないし、だからやらなきゃみたいな気持ちになります。バンドが知識を持ってないってことはある程度しょうがなくて、逆にライヴハウスには絶対なにかしらのノウハウがあるんですよ。それを利用して皆でやりゃいいじゃんって。だから、もっとライヴハウス使ってよ! ってのはすごくありますね。

ーー夜のレコーディングに関しては、あまりお金を取ってないみたいですが。

佐藤 : 全然取ってないです。でもバンドが気を遣ってくれて。一番嬉しいのは、レコーディングしたアウトブレイクでレコ発やらせてください!! って言ってくれることですよね。それが本当に嬉しいですよね。ただ、ライヴハウスってそこまでしてあげていいんじゃないかなって。結局ね、皆なまけてるんですよ、ライヴハウスは。

ーー裏をかけば、なまけても回るわけじゃないですか。佐藤さんは、なぜそこまでやれるんですか?

佐藤 : 回ってるライヴハウスってのは、普段の時間にもっとクオリティの高いことをやってるはずなんです。僕はそれができないんで、余ってる時間も使わなきゃいけない。そういうことなんですよね。

ーー今、スタッフは若い方が多いんですか?

佐藤 : 3、4月で20代前半の奴らが4人くらい入りました。バンドも変わっていくので、ライヴハウスも変わっていかないと駄目ですからね。ここまで一気に新人を入れたのは始めてなので悩みの種なんですけど。新しいバンドたちをどうやって入れていくか、彼らにこのお店をどう楽しんでもらうか。一緒に頑張ろうってやっていても、バンド自体が3年くらいで辞めちゃうんですよね。だから、彼らばかりに力を注いでると3年後に誰もいなくなっちゃうんですよ。同時進行で新しいバンドたちにも常に力を入れていかなきゃいけない。それを怠っちゃうと、2年くらいで破綻しちゃうんですよ。あと一番でかいのは「四谷アウトブレイク変なことやってるぞ」ってのを常に発信していく。それやってると乗っかって来る奴がけっこういるんで。それを核として強く出していかないとなって思います。

ーー面白いイベントといえば、〈自家発電〉とか映画上映会があったり、ガマの油売りが出演したりとかなり異色ですよね。

佐藤 : 実際に油売りのところまで行って、オファーしてきましたからね。ガマの油売り見たくね? どこいるんだ? ってなって検索してみたら、ガマの油売口上保存会があったのでそこに電話をして、そしたら何月何日に筑波山でやってます、と。わかりました! カチャン! って電話を切って始発で電車乗って行って、出てください! って(笑)。出るって言ってくれたとき、おっしゃー! ってなりました。やっぱその場に行って誘わないと、わかんないじゃないですか? あれはもう最高に盛り上がりましたね。

ーーあははは。あと虫食う人とか。ああいう人はどこで見つけてくるんですか(笑)?

佐藤 : アウトブレイクの大きな転機があって。お笑い芸人とか地下芸人とか役者さん関係とかが出るようになった理由って、おいおい教って人が出てくれたことがきっかけだったんですね。その彼(教祖)がいろんな人を呼んでくれて芸人さんたちが集まるようになったんです。僕もすごい楽しくて、また出てくださいって誘っているうちに、みなさんもうちの雰囲気が好きになってくれて。そういう人たちって、ライヴハウスで冷遇されてる訳ですよ。だから、なんだここは!! いいじゃん! あったけー! って(笑)。

ーー(笑)。本当に色々出てますよね。キンミヤ焼酎の人とかもそうですし。

佐藤 : 僕、キンミヤ焼酎が大好きで、うちのお店の焼酎もキンミヤなんですけど、なんかできないかなと思って。キンミヤのホームページからメールを送ったんですけど、1回目は返信がなかったんです。それで1年間で5回くらいメール送ったらやっと返ってきて、会わせてもらえることになって。すごく好きなんですー!! Tシャツ1枚コラボで作らせてくださいって言って、しばらく時間を置いてからOKが出て。熱意で呼ぶのって、バンドも一緒なんですよね。お前が好きだからー!! ってだけなんですよ。キンミヤはいまも本当によくしてくれていてありがたいです。

ーー清野とおるさんも出てますよね?

佐藤 : 清野さんは〈自家発電〉の流れでトーク・イベントに来ていただいて。あれは僕が呼んだんじゃないですけど、共同主催の方が普通にメールしてオファーしてくれて。基本的にあのイベントはコネゼロなんでいつもそんなゲリラなやり方でオファーしてます。

ーー僕も、〈自家発電〉で、戸川純さんと非常階段とBiSが出た時にトークショーの司会をさせてもらったんですけど、後日ギャラですってコンドーム8個が送られてきて(笑)。そんなのはじめてで会社で封筒あけて爆笑しました。

佐藤 : あれ、協賛で山ほど貰って、うちにまだ100個くらいあるんですよ(笑)。ライヴハウスってもっと企業と仲良くやっていいと思うんですよ。うちでいうとキンミヤもそうだし、4月はハイネケンの協賛もあって毎週木曜日はハイネケン200円とかで出すんですよ。あと、近くの松屋から大盛り無料とかのコラボ・チケットをもらったり。近所のごはん屋さんとか、そういうのがいっぱいあるんすよ。もっと皆そういうのやればいいのになって思います。

5年前サボってたら今潰れてるはずなんですよ

ーー確かに音楽って映画の劇版にもなるし、企業のコマーシャルにもなるし、もっとできる形って色々あるわけじゃないですか。なので別の企業ともっと積極的に何かやればいいんですよね。

佐藤 : そう。それでバンドに返してあげればいい話だと思うんですよ。キンミヤ好きなアーティストを集めてコンピCDを作って、Tシャツと一緒に新宿のタワレコとか渋谷のビレッジヴァンガードで売ってるんですよ。そんな形でバンドに返せる。それをライヴハウスが仕掛けないで誰がやんの? みたいな。なまけてんなーって(笑)。

ーーカイモクジショウがクラウドファンディングをしたり、アンドロメルトのドラムの中村さんが広報を学んだり、みなさん、バンドをなんとかしなきゃって考えるきっかけになってるじゃないですか? そういう佐藤さんの意志がちゃんと受け継がれてると思うんですよね。

佐藤 : みんながんばってますよね。僕は、5年前の貯金で生きてる感じですもん。5年前にがむしゃらに頑張ったことが、やっと返ってきてるんだなぁって。5年前サボってたら今潰れてるはずなんですよ。

ーー今も新しいバンドを探している?

佐藤 : ですね、探してるし募集もしてるし、楽しい事をもっとバンドのためにできないかな、この店面白くするためにっていうのをもっと考えていきたいですね。

ーーいい意味でライバル視しているライヴハウスってあります?

佐藤 : そうだなあ… 両国のサンライズと立川のバベルですね。ここは店長もスタッフもパンチがあるんですよ。皆同世代で。やっぱ、新宿渋谷下北じゃないんで、気持ちは同じなんですよ。ここからおもしろいもの出してやろう!! このシーンはゼロスタートだから皆でぶち上げようぜ!! みたいなパワーがある。そういうの見ると焦りますね。やべぇ、うちみたいのがいる! って(笑)。

ーー(笑)。新宿、渋谷、下北じゃないところから、ライヴハウスが盛り上がっていく可能性もありそうですね。

佐藤 : 実際そうですよ、新宿、渋谷、下北は焦ってたりしますから。だからそういう意味では我々の時代が来ます(笑)。

ーーあははは。言える範囲でいいので、今秘めてる計画とかあれば教えてください。

佐藤 : 今一番でかいのは、専門学生の授業の一貫でバンドのPVを作ってもらうプロジェクトが2校と進んでいます。バンドも学生も、どっちも未完成じゃないですか? その両者で作品を作ることにすごく興味があって。あと、流行らしたいことがいっぱいあるんすよね。

ーー流行らせたいこと?

佐藤 : 印刷ギグ流行らしたいっすね。これ、定期的にやってるんですけど、バンドのロゴのシルクスクリーンを作っておくんですね。当日は、バンド数を減らして、転換を長くとって、転換中にお客さんの持ってきた服に皆でシルクスクリーンでTシャツを作るっていう。最高に楽しいんすよ。ただ、去年からずっとやってるんですけど、まだ流行る兆しが見えてないんですよね(笑)。バンドの物販作りみたいなもんなんですけど、バンドも業者に頼んでグッズの在庫抱えながらライヴをするんじゃなくて。イベントの度に少量作って売り切って、ちゃんと黒字にする。そういうやり方の方がいいんじゃないかってずっと言っていて。それのプレイベントみたいなことをしています。あともう3年目になりますが朝5時からの早朝ギグは徐々に浸透して流行ってきた感じあります。あれは面白いですよ。

ーー佐藤さんは、トータルプロデューサーみたいな感じですね。

佐藤 : ただ飽きっぽいってのもあるんすけどね。色んな角度から言っていかないとバンドも面白くないんで。

ーー佐藤さんの中では、バンドが中心なんですよね?

佐藤 : ですね。エンターテインメントって意味で、お笑い芸人とかもいて、それも合体させたいんですよ。

ーー10年やってきた感慨はありますか?

佐藤 : あるかなと思ったんですけど、全然ないですね。まだまだやりたいことがあるし、やれていないことがあるので。みんな10年おめでとうって言ってくれるんですけど、まだまだやることあんだよ、みたいな(笑)。あと10年くらいはやりたいなーって思ってますよ。

ーー佐藤さんにとって、理想のライヴハウスとは?

佐藤 : 何でもあるってことですね。色んな人がいて、色んな演者がいて、何でもあるのがいいな。それを楽しめる人が来てくれたらいいと思ってるんすよ。パンク・バンドばっかり出る日がいいっていう人もいるし、ヘビーメタルだけの日が面白いっていう人もいるんですけど、僕はどうしても全然関係ないものつっこみたくなっちゃう。それを楽しめる人が世の中にはいっぱいいるので、そういう人たちに向けてやりたいですね。お前らが嫌いだったジャンルも混ぜてみたら、あれ? 面白くね? って常に言っていきたい。それに尽きます。そういうライヴハウスになりたいですね。

ーー佐藤さんの実直な人柄がバンドから信頼されているんだなと思いました。

佐藤 : そうだといいですけどね。敵もいますから。この店邪魔だなみたいな人もいますからね。敵視されてますけど、何が邪魔なんですかね? これがライヴハウス業界なんですかね(笑)。

ーーじゃあ、次20周年の時にまた取材させてくださいね。そのときはいろいろ流行っているといいですね!

佐藤 : はい、是非(笑)。ありがとうございました。

アウトブレイクのライヴ・スケジュールはこちらからチェック!!

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PROFILE

アウトブレイク

2005年、ロック不毛の地四谷に堂々OPEN。ライヴハウス界の変化球、ロックシーンの隙間産業と様々な評価を経て今年10周年。個性的なブッキングとそれを支えるスタッフの質に定評あり。噂は噂を呼び遂に「なんでもやっちゃうライヴハウス」として日本テレビ「月曜から夜更かし」でも紹介される。

しかし、突拍子もないイベントは月の2割程度でその他はいたって王道で健全なイベントが多い事は意外と知られていない。

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佐藤"boone"学

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インタヴュー

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筆者について
西澤 裕郎 (西澤 裕郎)

1982 年生まれ。ファンジン『StoryWriter』編集長。http://storywriter-magazine.com/

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