【連載】次世代クリエイター・砂守岳央ってなにもの? 第2回 田中公平「音楽作りは期待されないとダメ」

左から、田中公平、砂守岳央

次世代クリエイター・砂守岳央(すなもりたけてる)が、日本の音楽シーンを作りあげてきた諸先輩方と対談する短期連載がスタート。東京芸大在籍中にスタートした「沙P」名義でニコニコ動画への投稿をはじめ、次世代クリエーターとして多くのアーティストや声優のCDへの楽曲提供、劇伴の作曲、ドラマCDのシナリオ、演出、ゲームの原案等を手がけた砂守。それだけに止まらず電撃文庫からが作家として、フライングドッグレーベルからはアーティストとしてもデビューを果たしている。さらに2016年7月27日には、スクウェア・エニックスより配信中のスマートフォン向けゲーム「グリムノーツ」を未来古代楽団としてプロデュース。ここまでマルチな才能を持つこの男、一体何者なのか? 彼の正体に迫りつつも、日本の音楽シーンを支えてきたゲストを迎え現代の音楽へのアプローチの仕方に迫っていく。

砂守岳央が率いる未来古代楽団によるプロデュース作品

未来古代楽団 / グリムノーツ オリジナル・サウンドトラック

【収録曲】
1. 空白の書 / 2. 輪廻する大地の舞踏 / 3. おしゃべりは損をする / 4. 輝きに手をのばすなら / 5. 英雄のパズル / 6. 遙か遠きアタラクシア / 7. 戦士が眠りにつくとき / 8. 凱歌 / 9. 旅人はワルツを踊る / 10. 流転への前奏曲 / 11. 箱庭の王国 / 12. 求めよ、さらば与えられん / 13. 交叉する子午線 / 14. 涙を紡ぐもの / 15. 勇敢なる愚者たちへ / 16. 禍ツ星 / 17. 荒魂 / 18. だけど僕は何度でも立ちあがる / 19. 今は勝利だけを / 20. 風色の夕暮れ / 21. 忘れじの言の葉 / 22. 忘れじの言の葉(Instrumental)

【配信形態】
MP3 単曲 150円(税込) / まとめ価格 1,800円(税込)

スクウェア・エニックスが贈る「童話の世界」を旅するRPG『グリムノーツ』の楽曲を収録したオリジナル・サウンドトラック。ゲームのコンセプトでもある「童話の世界」に響き渡る楽曲を収録。収録楽曲は音楽制作だけにとどまらず幅広い活動で注目されている未来古代楽団がプロデュース。また、公開時から名曲との呼び声が高い、沖縄出身シンガー・安次嶺希和子が幻想的に歌い上げる注目のテーマ・ソング「忘れじの言の葉」も満を持してフル・バージョンで収録。

INTERVIEW : 田中公平 × 砂守岳央

砂守岳央による連載、第2回目のゲストは、『サクラ大戦』のサントラやアニメ「ワンピース」の楽曲制作なども手がける田中公平。実はこの2人、東京芸術大学の先輩・後輩でもある。砂守は学生時代に自身のイベントに田中を呼ぼうと企画したこともあり、砂守からの強い念願かなっての対談となった。東京芸術大学に在学していたからこその反骨精神や考え方、そして楽曲制作方法など、実に示唆に富んだものとなった。

取材&文 : 西澤裕郎
写真 : 大橋祐希

自分の中でその音楽が神扱いになっちゃうとよくないんだよね

ーー田中さんが1996年に制作された『サクラ大戦』のサントラは、いま振り返ってみて、どういう作品だったと思いますか。

田中公平(以下、田中) : 当時、『ときめきメモリアル』や『プリンセスメーカー』が発売された時期だったんですけど、『サクラ大戦』にはアドベンチャーの要素も、恋愛ゲームの要素も、育成ゲームの要素もあって、さらに宝塚と昭和歌謡のサウンドをつけて出したという点でとにかく画期的だったんだよね。

ーーなぜ、宝塚と昭和歌謡を取り入れようと考えたんでしょう?

田中 : それは、広井王子さんのアイデアなんですよ。広井さんが「ゲーム内で登場人物が歌っている音楽をやりたい」って最初に言ったんですけど、「手放しでおもしろい!! やろう!!」って言ったのが私だけで、他の人は全員反対したんだよね(笑)。

ーーそれを押し切って作られたわけですね。当時僕も中学生でしたけど、かなり斬新だったのを覚えています。砂守さんもゲーム音楽は聴かれていましたか?

砂守岳央(以下、砂守) : どっぷり聴いていましたね。植松伸夫さんとか下村陽子さん、イトケン(伊藤賢治)さんとか。映画のサントラとゲームのサントラを同じくらい買っていて。それに加えてクラシックやジャズ、ポップスと雑食にCDを買っていましたね。

田中 : それは非常にバランスがとれていますよ。今の子どもたちはゲームのサントラばかり聴いていたり、アニメだけを聴いている子がちょっと多い気がするので、バランスはとったほうがいいと思いますよ。

田中公平

ーー田中さん自身は子どもの頃、どんな音楽を聴かれていたんでしょう?

田中 : 私はクラシックだね。あと、私の世代はみんなビートルズを聴いていたんですよ。それかローリング・ストーンズ。私はそっちの音楽を聴かなかったから、今よかったなと思っていて。それらの音楽のことを私はビートルズ菌、ヤマト菌、ガンダム菌、エヴァ菌って言っているんですけど、崇拝してしまうとそれが全てになってしまう。ビートルズ菌に侵されてる人はビートルズから一歩も外に出ない。

砂守 : たしかに僕も高校生くらいの時、その菌は全部通りました。それこそエヴァ菌はもろですし。加えて田中公平菌も……。

田中 : それはそれで嬉しいけどね(笑)。今言ったように、自分の中でその音楽が神扱いになっちゃうとよくないんだよね。私にとってベートーベンもワーグナーもそれに近くて、クラシックが大好きだったんだけど、それがすべてと思わなかったことがいまアニメ業界にいることにつながっているのかもしれない。

砂守 : それこそ東京藝術大学にいると、オーソドックスで求められるのはクラシック音楽ですからね。現代音楽菌に触れることを求められる。そこを細かく突き詰めていくと、シェーンベルク菌とか、メシアン菌とかがいるんですけど。

田中 : 逆にいうと、そこを求められたおかげで、砂守くんとか私のように反発する人間が出てきているんですよ。坂本龍一さんもそうだと思うんだけど、ああいう純粋培養の場所に入ったからこそ、よかった点もあるのかもしれないね。

砂守 : 逆に反骨精神が産まれると。

ーー別に悪い意味でなく、純粋な音楽というものを信じているような場所だったということでしょうか。

砂守 : 文学における純文学と同じ感覚ですよね。

田中 : 例えて言えば「純文学が死ねば大衆文学もダメになる」と彼らは信じてるわけだけど、そんなことはない(笑)。そう思っている人たちが現代音楽を育てているかといったら育てていないんだよ。現代音楽の音楽会に行ってみてごらん? いつも同じ観客ばっかりだよ(笑)。

まだテレビでやるべきことっていうのはありますよね

ーーそうした環境に反して、なぜ田中さんは現代音楽を追い求めずレコード会社に就職されたんでしょう。

田中 : それは簡単で、仕事がなかったらイヤでしょ? 「作曲家です」って言っても食えなかったらどうするの? と思って。私のやりたいことはオーケストラだったので、まずは音楽業界がどうなっているのか一回入ってみて勉強しようと思って。そしたら宣伝担当になって、ピンクレディーだったり、桜田淳子、松崎しげるを担当しました。その期間は各テレビ局とかレコード会社、ラジオ局、雑誌とかを回って、1回会社を辞めてアメリカへ留学してから帰ってきたの。そこから知り合いの独立を手伝って、CMやテレビやらへの売り込みをやっているうちに、「アニメ音楽を1回やってみない?」って誘われたのでやったみたらヒットも出て、少しずつアニメの音楽やゲームの音楽をやっていくことになったんです。

ーー田中さんは、まずメジャーレーベルに入って音楽ビジネスを経験されたわけですが、砂守さんはミュージック・ビジネスの視点はどこで身につけたんでしょう。

砂守 : ビジネスっていうほどしっかりはしていなかったんですけど、曲を作ったからには聴いてもらわないといけないじゃないですか? 曲を作ってハード・ディスクの肥やしになって終了って、それは作ったことにはならないんですよ(笑)。じゃあネットに上げるかって考えて、じゃあ上げたら再生数が一桁。やっぱり沢山聞いてもらう必要はあるということで、じゃあどうすれば再生数が増えるのかな…… と考えていくうちに、必然的にビジネス的な視点に行き着いたのかと思います。

砂守岳央

田中 : そう。曲を作っても昔はメジャーにしか出ていくところがなかった。今の子たちは逆にネットとかYouTubeがあるから真ん中をあまり行きたがらない。でも1回真ん中をいってみたら? って思うんだよね。真ん中を攻めてちょっと違うなと思ったら逆の方向にいけばいいのにって。最初から逸れすぎている感じがするんだよね。

ーーそういう意味では、砂守さんはメジャーからも音源をリリースしていたり、ニコ生でアップをしたり両方を経験していますよね。

砂守 : 怒られるかもしれないんですけど、僕の中ではメジャーでやることと自分でやることにあまり差がなくて。ただコミケでCDを作って売る場合、プレス屋や印刷屋の手配から全部自分でやらなければならない。メジャーでやる時はそういう部分を任せて、音源に集中することができるのは違いかな。

田中 : あとは宣伝だね。宣伝をちゃんとしてくれるっていうのがメジャーのいいところなんですけど、この頃、宣伝もしないで手数料をとっていくこともあって。

砂守 : 宣伝能力はだいぶ下がっていますよね。メジャーで大量に宣伝すれば売れた時代とは全く違う状況です。

田中 : あと、みんながテレビを観なくなってきちゃったっていうのもあるよね。そこはちゃんと努力してテレビを復活させてほしい。テレビに出演したらやっぱり全然違うんだよ。

砂守 : 若い人ほどネットで情報を得ている割合が高いんでしょうけど、テレビを知らないですって人はまだいないと思うんですよ。だから、まだテレビでやるべきことっていうのはありますよね。もちろん、かつての栄光に比べれば別世界にはなりましたが……。

田中 : テレビの存在感の低下とともに国民的なものもなくなってきているよね。ゲームなんか特にそうで、ファイナルファンタジーとかドラクエは知っているけど、もうちょっとマニアックなゲームになると、知っているか一切知らないがはっきりと分かれる。アニメもそうで、国民的なアニメのサザエさんとかアンパンマンでさえ、この頃の若い子は観ていないんじゃないかって。逆に今の人気は深夜アニメですよね。

ーーそういう環境の変化に対して、楽曲の作り方も変わっていくんでしょうか?

田中 : 私が携わっているワンピースに関しては、次の日に高校生が「昨日ルフィーが」ってしゃべれる唯一の作品だと思うんですよ。だから、曲作りに関してはとにかく王道に作っています。誰もが血肉踊るように、あまりひねくれた曲書かないようにしている。逆に、今度PS4で『グラビティデイズ2』のサントラをやるんですけど、これは完全に世界向けに作っています。世界レベルでないと話にならない。ものすごく変わった曲とかを作っていっぱい冒険しています。逆にワンピースは小学校5年生から中2までの子が一番わくわくするように作っているから、やっぱり作り方は全然違うよね。

ーー砂守さんが制作しているアプリのゲーム音楽においては、いかがでしょう。

砂守 : 最近のスマホゲームって、プロデューサーも、スタッフも、たぶんメインのお客さんも自分と同じくらいの年代なんですよ。そんなわけこともありましてで、スーパーファミコンをやっていたくらいの世代が「おー!」ってなるものを作りたいと、自分の中にあったゲーム音楽の曲をイメージして作っています。

田中 : 生音は使っているの?

砂守 : ほぼ生です。僕はゲーム音楽をずっとやりたかったので、嬉しくなっちゃって。予算をほぼほぼ使いきって作りたいものを作れました。あとは意識的に昔のゲーム音楽の良さはこうだよね、っていうのも考えてやりましたね。

本当にオリジナリティを出すんだったら、サウンドとメロディ

ーー近年では、ProToolsなどのDAWで手軽に曲も作れるようになっていると思うんですけど、どういう部分で曲の差別化を図っていけばいいんでしょう?

田中 : そこは砂守くんと2人で話したことあるよね。まず、機材がすごいじゃん。僕が若かった頃と違って、自動アレンジ機みたいなものもある。ループを重ねてベースをつけたら曲ができちゃう。

砂守 : それこそアプリとかも性能いいものが出てきていますよね。

田中 : そう。だから作ろうと思えば簡単に曲を作れちゃう。昔は、ミュージシャンと相談しながら「かっこいいフレーズない?」「リズムはこうしようよ」って全てを考えてから作っていったわけですよ。今はかっこいいフレーズが全部プリセットされているから、素人さんが半年もやればかっこいいものができるんですよ。さあどうするプロはって話だよね。どう思う?

砂守 : ループ集とかに絶対入っていないものを作れればベストなんですけど。

田中 : あとはメロディですよね。歌うメロディっていうのは、ドレミファソラシドで、1オクターブから6オクターブくらいの間に入っちゃうんですよ。その上、人間の「このフレーズいいな」っていうのは大体共通している。だから、何も考えず頭から出てくるものを書いたら絶対に誰かがやっている曲なんですよ。それをプロはしません。もちろん「千本桜」くらいぶっ飛んでいるんだったらいいよ。あれもフレーズ的に見たら知っているフレーズばっかりですけど。そのなか、僕はどうするか? 1つは、いいフレーズをわざわざ外したりするんです。そうすると田中の曲は変だとか、歌いにくいとか、難しいとかよく言われる。それはその通り。わざと外しているんだから。そうやって引っかかる曲を作らないと10年なんて残らない。それに対して、誰もできないリズムを探そうとすると大変なんですよ。例えば、ボサノヴァは誰が書いてもボサノヴァになる。でも、ボサノヴァのリズム使ったから盗作だって言えるかどうかって言えば言えないんですよ。あれは人類共通の遺産なんです。そういう意味で本当にオリジナリティを出すんだったら、サウンドとメロディだと思うんですよ。

ーーサウンドっていうのは音色ということですか?

田中 : 少し説明すると和声、ハーモニーってことなんですけど、今のJ-POPはそこが遅れている。海外の音楽を聴くと、インテリジェンスを感じまくるんですよ。よくこんな展開するな!! すごいなこいつら!! テンションの使い方もめちゃくちゃうまいな!! とか思うんだけど、日本のものはずっとドレミファソラシドの中でやっているわけですよ。私からみると1つも面白くない。アメリカ人とか海外の知的センスの高い人が聴いて「これ誰が書いたの? 日本人? すごいじゃん!!」って言われないと私はイヤだと思っている。それがプロとしての矜持だと思う。

砂守 : 必ず転調を入れるとか。

田中 : それもそうだ。何かって一言でいうと作家性なんですよ。その人しかできない曲を書くってこと。

砂守 : 僕、歌モノを書く時は詞と曲の両方をやることが多いので、詞には明確な特長があって、デザイナーが泣くくらい長いんです(笑)。それはなんでかなと思ったら書き方が小説家とかに近いんですよね。すぐに長い文章になっちゃうんで歌詞もどんどん長くなる。

田中 : 1回本当にめっちゃくちゃ長い曲書いてみたら? 1時間くらいの歌モノ(笑)。

砂守 : はははははは! 第4楽章があるみたいな(笑)。

音楽作りは期待されないとダメなんだよ

ーー砂守さんは歌詞においてオリジナリティを強く出している部分もある、と。

砂守 : もちろん曲だけを書くこともあるので、ちょっと変な拍子を入れてみたりもしますね。Bメロだけ拍子が違うとか、一小節だけ奇数拍子になったりとか。

田中 : そこが藝大生の悪いところなんだよね(笑)。ちょっとインテリが勝つと、大衆性とポップスのバランスが崩れて一瞬にしてついてこれなくなっちゃう人がいるから。

砂守 : 耳が痛いです(笑)。だから、必ず翌日に聴いて大丈夫かなっていうチェックはします。夜中に延々とやっていることが多いので。

田中 : 夜中は全然ダメだよね。夜中のラブレターと一緒。私も夜中には書かない。朝しか書かないです。

砂守 : この前、及川眠子さんと対談したんですけど、同じことを言っていました。朝にチェックするって。

田中 : (笑)。音楽を趣味でやるのはすごくいいことだと思うんだよね。ただ、自分の曲で生きていこうと思うのであれば、簡単な道に逃げないほうがいいよってことは言いたい。ジャズを書けって言われてジャズを知らなかったらダメだし、ジャズを勉強したほうがいい。実際、クラシックを知らないで和音の構築がまったくできていない曲とかもあるじゃない? ハード・ロックを聴いていなかったら、リズム感とか裏のノリとか知らないわけでしょ。そういうことからしっかりやらないといけないと私は思うんだよね。

ーーバランスよく音楽を聴いて取り入れることが必要ということですよね。

田中 : そうやって毎日努力していくと、人がたくさん聴いてくれる曲ができるようになる。みんなから期待されるようになる。音楽作りは期待されないとダメなんだよ。砂守に頼んだらこんないい曲を書いてくれるだろうと。

砂守 : 僕ももっと言われるようにならないとって思っています。超具体的な話なんですけど、田中先生は曲を書き出す時ってピアノからなんですか?

田中 : 私の場合、劇伴は少し変わっていて、コンピューターじゃなくて譜面でやるの。真っ白な五線譜を前に、頭の中でグラフィックとしてイメージしてから書く。最初にストリングスが駆け上がって、木管がわーって降りてきて、ホルンが吹き出したらここにトランペットがいる、チューバは何してるかなって。それで、あーできた! って。これね、訓練できるんですよ。真っ白のノートを思い浮かべて、ピって1ページめくっていくんです。そこに何が書いてあるか読めるようになってくるとおもしろいよ。潜在意識として必ずインプットしていることがたくさんあって、アウトプットしていないことっていっぱいあるんですよ。人間ってすごくて今までの30何年間のことはすべて記憶にある。それを自分なりにろ過して出してくると作品になるんです。だから私はいつも訓練している。

ーー無意識下にインプットされている情報を取り出す鍛錬されていると。

田中 : 次に作るゲームの資料を読んで、どんな戦いなのかなとか、負けちゃうんだよなとか、かわいそうだなとか思いながらやっていくと、こんな感じのタイプの曲かなって思い浮かんでくる。そのあとでピアノに向かって、こんなメロディだったよな、こういう音形だったよなって。まあ、絵みたいなものだよね私の場合。

ーー絵を描くように曲を書いていくわけですね。

田中 : そうそうそう。だから変なところから譜面は書いているんだよね。みんなが普通どこから書くのか知らないけど、7小節目から書いていたりする(笑)。

砂守 : すごいですね、それ!

田中 : こっちのフレーズを書きながら、あ! ってこのへんって思いついたら書いたり(笑)。そういうイメージはやったほうがいいよ。座禅と一緒で、無になった時にいろいろなことが浮かんでくる。もう一つの理由があって、死後田中公平記念館ができた時に、コンピューターの譜面が並んでいてもありがたくないじゃん(笑)。コンピューター譜面だったら味気ないぞ。コンピューター譜面を書く人は残ることを考えてないのかって(笑)。

ーーあははははは。最後に先輩である田中さんから砂守さんに激励の言葉をいただいてもよろしいでしょうか。

田中 : マルチ・クリエイターだから、ひょっとしたら音楽よりもおもしろい道が見つかる可能性もあるじゃん? それはいいんだけど、音楽はやり続けてほしいな。音楽があるからこそ、他のことがあるっていうふうに思ったほうがいい。こっちの方が才能あるからってそちらに行かず、それを活かせるように、音楽を使うようにしたほうがいいよ。あとは身体壊さないように。夜中にやる人はみんな壊しているので…。

砂守 : 朝、やるようにします(笑)!!

>>第1回、エヴァ作詞家・及川眠子との対談はこちらから<<

田中公平が手がけた楽曲を収録した音源もあわせてチェック

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地球で暮らす少年とエンドラの王子。2人の少年の出会いがもたらす運命とは――地球の裏側の世界<エンドラ>で描かれる冒険ファンタジー・アニメのオリジナル・サウンド・トラック。

PROFILE

砂守岳央

ネットでは「沙P(すなぴー)」と呼ばれることが多い。

1983年3月21日生まれ。吟遊詩人。私立武蔵高校卒。京都大学文学部卒。東京藝術大学音楽学部修士課程修了。東京芸大在籍中に「沙P」名義でニコニコ動画への投稿をはじめる。以後次世代クリエーターとして多くのアーティストや声優のCDへの楽曲提供、劇伴の作曲、ドラマCDのシナリオ、演出、ゲームの原案等を手がける。2013年12月には電撃文庫から作家として、フライングドッグレーベルからはアーティストとして本&CD同時デビュー。また、東映ビデオポットキャストナビゲーター等、MCにも定評がある。自分で何をやっているのかわからなくなってきたので近年、「歌わない吟遊詩人」を自称。

>>砂守岳央 Official HP



田中公平

東京芸術大学音楽学部作曲科卒業後、ビクター音楽産業に3年間勤務。その後、米国ボストンのバークリー音楽学院に留学。帰国後、本格的に作・編曲活動を始め現在に至る。

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筆者について
西澤 裕郎 (西澤 裕郎)

1982 年生まれ。ファンジン『StoryWriter』編集長。http://storywriter-magazine.com/

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