ニューウェイヴ脱力アイドル・グループ、ゆるめるモ! が、9月18日にミニ・アルバム『New Escape Underground!』をリリース。OTOTOYでは、同アルバムをHQD(24bit/48kHzのwav)での先行配信が決定!! ノイ!を意識した10分越えのクラウト・ロック調の楽曲「SWEET ESCAPE」(ジャケットにも注目!)から、カラフルなエレクトロ・ポップ「逃げろ!!」「花のドイリー」、ライヴのオープニング・ナンバー「ゆるトロ (slo-モ!)」まで、いろの違う4曲が、それぞれのインストゥルメンタル楽曲とともに収録。新メンバーの世界同時募集や予告スカウトなど積極的に新メンバー募集も行っており、本作を軸に新しい動きを見せそうな彼女たちから目が離せない!!

新作ミニ・アルバムを高音質で2週間先行配信!!

ゆるめるモ! / New Escape Underground!

【配信形態】
HQD(24bit/48kHzのwav)

【価格】
単曲 200円 / まとめ購入 1,000円

【Track List】
1. ゆるトロ (slo-モ!)
2. 逃げろ!!
3. 花のドイリー
4. SWEET ESCAPE
5. ゆるトロ (slo-モ!) (Instrumental)
6. 逃げろ!! (Instrumental)
7. 花のドイリー (Instrumental)
8. SWEET ESCAPE (Instrumental)

NEU! の遺伝子を感じさせる予期せぬアイドル・グループ

以前、OTOTOYにゆるめるモ! のインタヴューを掲載したとき、プロデューサーの田家大知から、ゆるめるモ! の「!」を全角にしてほしいと言われ、不思議なこだわりを持っている人だなと思ったことがあった。あれから半年の後に届いた2作目となる今品『New Escape Underground!』を聴いて、なるほどそういうことかと思った。本作のアルバム・ジャケットは、ドイツにて70年代に活躍したクラウト・ロック・バンド、ノイ! のファースト・アルバムのオマージュだ。裏ジャケットはこれまたノイ! の『NEU! 86』のオマージュ、さらにいえば1曲目の「ゆるトロ (slo-モ!)」は、同アルバムの「Intro (Haydn slo-mo)」をもじっている。となると、ゆるめるモ! の「!」は、ノイ! の「!」からきているのだろう。だめ押しとして、本作のアルバム・タイトル『New Escape Underground!』の頭文字をつなぎ合わせると…。ここまで言えば、ゆるめるモ! というアイドル・グループが、どれだけノイ! の影響下にあるのかということがわかるだろう。

左から、表ジャケット、裏ジャケット

その影響が最も強い形で現れているのは、本作収録の10分を越えるクラウト・ロック調の楽曲「SWEET ESCAPE」である。おそらくだけど、アイドルがクラウト・ロックを歌うのは初めてなんじゃないだろうか。メンバーが歌っている部分より楽器が鳴っている箇所のほうが多い(笑)。いわゆるハンマー・ビート、機械的な8つ打ちのバスドラが現代風のエレクトロ音と相まって、かわいらしくも無機質に鳴り響いている。

これを聴いていると、田家が本当にやりたいことをやっているんだなと思い、拍手を送りたくなる。BELLRING少女ハートのディレクター、田中紘治も言っていたけれど、大人がやりたいことを妥協せずやらせることによって、予期せぬグルーブが生まれていく。ゆるめるモ! は、田家が原宿と秋葉原の路上でスカウトした女の子によって結成されたグループだ。その時点で、普通のアイドル・グループのようになるはずがない。そもそもアイドルになりたいと思っていた女の子かどうかわからないのだから、行く先がどうなるかは誰にもわからない。ゆえに、ゆるめるモ! のメンバーがノイ! をリスペクトしている必要はまったくなくて、自分たちの思う通りに目の前のことに全力で取り組んでいけば、誰も予期していなかった方向に行き着くに違いない。だったら、田家も自分の好きなことを突き詰めたほうが、おもしろいに決まっている。そうして完成したひとつのかたちが、本作だと言って過言ではない。

左から、けちょん、ももぴ、ゆみこーん

とはいえ、「逃げろ!!」は王道のアイドル楽曲で、ライヴ中にミックスが打たれる光景が想像できる。「ゆるトロ (slo-モ!)」は、ライヴの出囃子で使われている楽曲だ。そういう点で、アイドルという軸もちゃんと持っている。その上で、彼女たちの新たな魅力がみえるのが「花のドイリー」という曲だ。エレクトロ・ポップ調の同楽曲は、メロディとサウンドがインディ・ミュージック調で、2回目のAメロにおけるけちょんの歌声が妙に色っぽい。田家に聞いたところ、風邪の治りかけに収録したということで、それが理由なのだろう。ここまで色気を感じるアイドル楽曲を僕はほとんど聴いたことがない。

ゆるめるモ! は現在、新メンバー・オーディションをしている。しかも、世界同時募集ということで、アジア圏での活動も本格的に考えているようだ。もちろん、路上でのスカウトも続けているようで、本当にこの先どうなっていくのかわからない。それでも、田家の音楽に対してのこだわりがある限り、ゆるめるモ! というグループは、その未知のグルーブを広げていくに違いない。別にアイドルかアイドルじゃないかなんてどうでもいい。僕たちは、おもしろい音楽を聴きたいし、おもしろいものを観たいだけなのだ。そういう意味で、ゆるめるモ! に注目して損はない。(text by 西澤裕郎)

NEU! とは? (『New Escape Underground!』リリースによせて)

最初期のクラフトワークで、サポート・メンバーのようなかたちで参加していたドラマーのクラウス・ディンガーとギタリストのミヒャエル・ローターが、クラフトワークを1971年に脱退し結成したロック・バンド。カンやクラフトワーク、ファウストなど、他の70年代のドイツの実験的なプログレッシヴ・ロック・バンドとともにクラウト・ロックと呼ばれている一群の代表的なバンド。1975年にサード・アルバム『ノイ! 75』をリリースして基本的には解散。その後も、幾度かセッションなどをしているようだが、基本的には仲違いを続けたまま、2008年クラウス・ディンガーは心不全で帰らぬ人となった。

メロディを中心とした展開という、それまでのロックの楽曲のセオリーを完全に無視した、スカスカと延々と反復を続けるシンプルで機械的なドラミング&ワン・コードのペナペナのギターという構成が特徴で、とくにその平坦&ミニマルなドラム・スタイルはハンマービートと呼ばれている。

パンクにはじまり、ニューウェイヴ / ポスト・パンク、現代のロック、さらにはテクノやエレクトロニカ、ポスト・ロックにいたるまで現在のポップ・ミュージックに多大な影響を残している。メンバーの仲違いで海賊版しか出ていなかったその作品が、2000年代をまわって正式に再発。レディオヘッドのトム・ヨークがその影響を公言したりと、どんどんその重要性を増しているようにも。

とはいえ、まさかアイドルまでもがハンマービートとは……。西澤くん、どういうことかね! (text by 河村祐介)

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1985年に再編したクラウス・ディンガーとミヒャエル・ローターの2人が、翌86年にかけて制作したものの、お蔵入りとなってしまった幻の4thアルバム。トレードマークのディンガーによるハンマー・ビートと、ローターのギターを中心とする多彩なサウンドが織り成す世界はまさしくノイ!。本邦初登場!

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ゆるめるモ! / HELLO WORLD EP

2012年10月4日に結成された4人組ニューウェイヴ脱力アイドル・グループ、ゆるめるモ!。「窮屈な世のなかを私たちがゆるめるもん!」をコンセプトに、ニューウェーヴ、パンク、ヒップホップ、エレクトロなど多彩なサウンドをぶち込んだ楽曲に加え、ゆるさ満点のMCと佇まいでサブカル界隈を中心に話題を集めている。そんな彼女たちがライヴ会場限定で販売しているシングル『HELLO WORLD EP』を、OTOTOYで配信開始!!

>>ゆるめるモ! へのインタビューはこちら

PROFILE

ゆるめるモ!

2012年10月4日に結成された4人組アイドル・グループ。2012年12月の初ライヴ以降、「窮屈な世の中を私達がゆるめるもん!」をコンセプトに、ニューウェーブ、パンク、ヒップホップ、エレクトロなど多彩なサウンドをぶち込んだ楽曲に加え、ゆるさ満点のMCと佇まいでサブカル界隈を中心に話題を集める。これまでもインドネシアの国民的パンク・バンド、Pee Wee GaskinsのリーダーDochiをはじめ、フレネシ、ぼく脳、HONDALADY、YMCK、Hi-5、ハジメタル(exミドリ)、ダンボール・バットなど、アイドルの枠にとどまらないブッキングや、渋谷WWWで音楽フェス「ゆるフェスモ!」開催、BELLRING少女ハートとの船上ツーマン・ライヴ、温泉フェス「湯るめるモ!」(構想中)など、攻めの姿勢を崩さないユニーク&トリッキーな活動も面白がられている。なお、「ゆるめるモ!」の英語表記は「You’ll melt more!」で、「あなたをもっとトロトロに溶けさせちゃうよ~」という意味合いも含まれている。ライヴ会場限定シングル『HELLO WORLD EP』も絶賛発売中!

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筆者について
西澤 裕郎 (西澤 裕郎)

1982 年生まれ。ファンジン『StoryWriter』編集長。http://storywriter-magazine.com/

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