こんなに思い入れのある楽曲はいままでなかった
──2曲目の“アンビバレント・ハイウェイ”は、1曲目と雰囲気がガラッと変わりますよね。
三田 : 作曲と編曲をしてくださったイイジマケンさんは、これまでも「サマータイムルール」とかの明るい曲のイメージがあって、児玉雨子さんのしっとりした歌詞とは真逆の印象なので「どんな感じになるんだろう?」ってすごくワクワクしました。ドライブのストーリーというのがまた新しいなと。それぞれの歌い方や表現方法は違うけど、ひとつのストーリーをお届けしたいと思います。
里菜 : 聴いたときに「やっぱりケンさんだ! 」ってすぐにわかるメロディがとても好きだなと思いました。レコーディングも楽しみながら録れました。
田中 : 私が免許を持ってないこともあって、ドライブってちょっと大人の世界というイメージを持っています。だから「アンビバレント・ハイウェイ」はちょっと背伸びしたような印象です。すごく大切に歌いたいと思っています。
藤田 : 曲調がとても好きです。注目させたい部分だけ音を際立たせて、歌詞を目立たせたいところは音数を少なくしていて、その引き算にグッときました。曲のシチュエーションとしてはだいぶ細かいので、実体験はないかもしれないけど、曲の世界観のなかに自分が入り込んで、登場人物みたいに歌いたいです。
雪月 : 「いつもより」とか「かつては」とか「あの街」とか、いま起こってない過去のことを書いた歌詞が素敵だなって思います。想像するほど、どんどん奥深くなっていくような、自分だけの想像の世界を作り出せる曲だと思います。
──この曲はドライブがテーマですが、みなさんでドライブは行ったりはするんですか?
里菜 : 免許持ってるのが愛理と私なんですけど、私はもうペーパードライバーです(笑)。メンバーともドライブに行ってみたいですが、ちょっと命の危険が…。
藤田 : 私は2週間に1回ぐらい運転してます! でも、私も免許を取ってから半年くらいしか経ってないので…。1年はちゃんと練習して、メンバーには覚悟してもらってから連れていきたいです(笑)。
一同 : (笑)。
──(笑)。そして、3曲目“君色ロード”ですが、こちらは皆さんで作詞を担当されたんですよね?
雪月 : みんなで作詞しました。作詞するパートがそれぞれ違うから、合わせたときにバラバラにならないかなって不安でした。作詞をするにあたって、言葉の意味をしっかり捉えないといけないし。想像で書くにしても他の人に伝わるものにしないといけないので、とても大変でした。みんなで何回も話し合って言葉のキーワードを決めて、それに合わせて書きました。後半にかけて少しずつ明るさが出ていく感じとか、しっかり表現できたかなと思います。
藤田 : テーマとシチュエーションは決まっていましたが、どこに注目して作詞をするのかはメンバーそれぞれ違うので同じ方向を向かないといけない点が難しかったです。私は落ちサビと3番のサビを書いていて、みんなが紡いできたものをどういう風にまとめるか悩みました。まだ披露してない段階からこんなに思い入れのある楽曲はいままでなかったので、だからこそ、メンバー全員の歌声でファンの人に自分たちの思いを届けたいです。
田中 : 私は1番のAメロ、Bメロの最初の方を担当させていただきました。曲のはじまりが自分が書いた歌詞なので、自分が書いた歌詞を他の人に歌ってもらうことなので、どう思われるのかなとか、プレッシャーも感じながら一生懸命考えました。でも総じて楽しかったので、こういう機会をいただけてよかったです。
三田 : ふとした感情を記録したり、日記をつけたり、普段から文字として残すことはずっと続けていることだったので、いつか使えたらと思っていました。ずっとお世話になってるYAMA-Booさんのメロディに乗せて、みんなが歌っている姿を想像して、どういう歌詞だったらいちばん皆の歌声を届けることができるか考えながら書きました。担当したDメロは、みんなよりも短いけどひとつしかない部分でもあるので、物語の展開とか、グッと心を持ち上げられるようにするにはどうしたらいいのかもよく考えました。誰しも挫折を味わうことはあるし、孤独を感じていときもある。みんなに聴いて欲しいという思いを込めて5人で作らせていただきました。
里菜 : メロディーをもらったときから、寄り添えるような歌詞にしたいと思っていました。私は1サビと2サビを担当していて、『強がって「負けない」って』という歌詞は、自分となにかを頑張ってる人にも当てはまるように書きました。「君だけの世界」というところは、その人に向けて作るようなイメージで作っていて、ライヴをしていて「君」という存在に届いて欲しいという思いを込めました。いつでも私たちがいるよって背中を押すような曲にもなって欲しいし、とにかく皆さんに伝えたいっていう思いを込めました。
──自分が作詞していない部分を歌唱しているところもあると思うんですけど、他の人が作った歌詞で気に入ってるところはありますか?
里菜 : 自分が歌ってる「立ち上がれ」から愛理の「大丈夫 君なら」に続くところが個人的にとても好きです。力強さがありながら愛理の「大丈夫」でそれがちょっと和らぐというか。優しさに包まれる感じがとても好きです。
三田 : 私はそれぞれに良さがあるなと思っています。曲始まりのAメロは元々なかったパートで後から付け足されたんですけど、咲帆の書いた物語がはじまるような感じがあるし、そこから愛理が考えた3番のサビパートの強がってる部分と涙の部分という、ストーリー性が良い形に描けたと思います。
田中 : 歌詞にそれぞれの個性が詰まっています。自分が歌っている部分で特に好きなのは、里菜が作った「頑張れって 立ち向かって」というところです。跳ねる感じにこだわっています。
藤田 : この曲の歌詞を見た時に景色が浮かんできます。霧とか翼、陰、朝焼け、雨、空、光という表面上だけじゃなくて、映像として浮かぶ歌詞という意味で、例えば朝焼けを見たときに思い出せるし、ひとつの景色として浮かぶところが好きです。
雪月 : 私は曲始まりのAメロの咲帆が歌ってる「信じて羽ばたいてゆけ」というところが大好きです。「羽ばたいてゆけ」の「け」の部分を伸ばしているので、上へと上がっているような感じがしたし、最初に力強く歌っている感じも歌詞にリンクしているなと思いました。あとは歌う人によって感情の入れ方とかが違うので、それぞれが違う表現をしていて、いいなと思いました。