The Ophelias 「Ribbon」
USオハイオ州シンシナティのインディー・ロック・バンドによるニューEP。メンバーにヴァイオリンがいることを大きな強みとし、壮大な“バロック・ロック”たるものを鳴らしてきた彼らだが、本作ではストリングスの厳かや神秘性は保ちつつも、全体の一体感やヴォーカルの鮮明さに焦点が当たり、ブラック・カントリー・ニュー・ロードにも近しいフォーク~チェンバー・ポップ的色合いも窺える。こうした変化は、クィアでありトランスであることに喜びを見出す”Black Ribbon”をリード曲とするように、人との新しい関係値やネクスト・ステージへの移行を求める彼らのマインドの表れのようにも思える。これが身に纏う皮を脱ぎ、ニュー・スタイルを掴む起点となるかもしれない。そんな期待も込めて、彼らを追いたいと思います。
BANDCAMP
Hazel English 「Jesse feat. Day Wave」
定番コラボとなったオーストラリア出身のSSWヘーゼル・イングリッシュと、 LA出身のジャクソン・フィリップスによるベッドルーム・プロジェクトであるデイ・ウェーヴ。新曲は、ファーストの頃のリヴァーヴ・ポップがほんのり香るヘーゼル・イングリッシュの可憐さと、穏やかな昼下がりに眠るような心地良さと柔らかさがあるデイ・ウェーヴらしい楽曲が見事交わる、チルなインディー・ロック・チューン。「愛し合っている夢を見ていた」という切ないロマンスを歌う淡い男女ヴォーカルの重なりも美しい。約2分というシンプルベストな作りもちょうど良い。より大人の女性になった彼女とパリの風景を追ったホームビデオのようなMVもキュートです。
BANDCAMP
girl in red 「Girlfriend Is Better」
1983年に開催されたトーキング・ヘッズ伝説のライヴを記録した映画『ストップ・メイキング・センス 4Kレストア』版の放映とサントラ盤発売の40周年を記念して、映画の配給を行うA24がトリビュートアルバムを制作。ザ・ナショナルやトロイ・モ・アら豪華アーティストが参加しており、5月17日の海外発売に向けて、パラモア、ロードによるカヴァーが先行解禁されている。その中でも若い世代代表のガール・イン・レッドによる“ガール”繋がりのカヴァーはお見事。艶の増した歌声とアレンジで原曲をリスペクトしつつムーディーに引き立て、異なるグルーヴで新解釈をもたらす、Z世代ならではなセンスを活かしたカヴァー。アルバムの全貌が明らかになるのも楽しみだ。