
南の島の風が吹く、極上のコンピを先行販売&全曲フル試聴開始!
太平洋にルーツを持つアーティストのみを収録したコンピレーション・アルバム『Pacific Roots』の第2弾が登場! 夏の決定盤としてシーンでは異例ともいえるセールスを記録した前作に続き、フィジーより現在最も将来を有望視される17歳のシンガーAlexia、ニュージーランド・パシフィック・シーン若手No.1の呼び声も高いTomorrow People他の楽曲を収録。全曲フルレングスでの試聴と、6月6日のCD発売に先駆けて音源の先行販売をスタートします。一体、太平洋のレゲエとは何ぞや? さあ、まずは聴いてみましょう。これを聴かずして2012年の夏は過ごせませんよ!
まずは聴いてみよう! 曲名をクリックすると試聴できます。
※一曲目をクリックするとアルバム通して聴くことができます。V.A. / Pacific Roots Vol.2
レーベル GARDEN GROVE MUSIC / MEDIA FACTORY, INC. 発売日 2012/06/06
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【SPECIAL DISC REVIEW : Likkle Mai】
現在レゲエシーンは世界中に飛び火し、それぞれの国の「レゲエ」が生まれ発展を遂げている。 その中で私が最も注目しているのは太平洋に面した地域のレゲエである。 日本、ハワイ、台湾、フィリピン、そしてニュージーランドとオーストラリア、、、。 私は運よくこれらの国々のレゲエシーンを体感することができた。 本作「Pacific Roots vol.2」は太平洋にルーツを持つ(マオリなど)レゲエアーティストの作品がぎゅっと詰まっている。 まさに太平洋の力強さと大らかさをあわせ持った珠玉の作品集である。 人々の連帯を歌う王道ナンバー、自分達のルーツを敬い誇るメッセージソング、とことんソウルフルなラブソング、 ゆったりとしながらもタイトな演奏、、、どこをとっても文句なし! ぜひとも多くの人に聴いてほしい。 本作を聴いた瞬間、エメラルドグリーンの海と太陽を浴びて輝く白い砂があなたを迎えてくれるに違いない。
★『Pacific Roots Vol.2』についてつぶやこう!
HOMERUN SOUND INTERVIEW
レゲエを語るにあたって、ジャマイカやイギリスの名前が出てくることは多くとも、ニュージーランドやオーストラリアの名前などが出てくることは多くないだろう。日本にレゲエを奏でるアーティストがいるように、太平洋にもレゲエを奏でるアーティストたちが存在する。そんな太平洋にルーツを持つアーティストのみを収録したコンピレーション・アルバムが『Pacific Roots』だ。2011年の夏にリリースされたvol.1に続き、このたびvol.2がリリースされることになった。一体、太平洋のレゲエの特徴は何なのか、そしてなぜ太平洋だったのか。セレクター&イベントオーガナイザーのHOMERUN SOUND、レーベルGARDEN GROVEのf.balcony、レコード会社メディアファクトリーの草野恭平の3者に集まっていただき、このコンピレーションが出来たきっかけや想いをじっくり伺った。
インタビュー&文 : 西澤裕郎

島国根性が太平洋の人たちの血にはある
――マーさん(HOMERUN SOUND)は、いつから太平洋のレゲエに興味をお持ちだったんですか。
HOMERUN SOUND : もともとはルーツ・レゲエが好きで、今もCOOL WISE MANっていうスカのバンドと一緒にツアーを回らせてもらっていたり、現行のダンスホールもチェックしています。ここ3年くらいで現行のものより、今回のコンピに入っているような太平洋にルーツを持つレゲエにはまっていきました。
――太平洋のレゲエにハマっていったきっかけは何だったんですか。
HOMERUN SOUND : 横浜でサウンドシステムを設計・運営しているHOUSE DJの先輩から、Fat Freddy's Dropというニュージーランドのバンドを教えてもらったんです。それが本当にかっこ良くて、こういうバンドが他にもいるんじゃないかと思って掘っていったのがきっかけです。
――根本的な質問なのですが、ジャマイカやイギリスのレゲエと、太平洋のレゲエで一番違う部分はどこなのでしょう。
HOMERUN SOUND : 現地のミュージシャン本人たちにしてみれば、やんちゃな感じはあると思うんですけど、家族とか国、血、文化、伝統とかに対して、熱い想いを持って歌を作っていることが多いんです。自分がレゲエに求めているものってそういうものだったりするので、そこがピンときたのかもしれないです。

――例えば、サウンドでレゲエを解釈すれば分かりやすいと思うのですが、詞だったり想いを中心に考えると解釈の仕方は難しいですよね。
HOMERUN SOUND : 要するに、ジャンルじゃないんですよね。芯のあるポップ感というか。僕は、ヒップホップとかレゲエの現場とも交流が有るので、レゲエのみのサウンドマンですとも言い切りたくないし。現場でも昔のロックとか、日本の曲だってかけるときはあります。ジャンルを越えた心意気の部分が分かってもらえたらいいなと。極端な話、"PacificRoots"がパンクのコンピでもよかったと思うんですよ。音の鳴りが違っても、メッセージがあれば聴きやすいものになったはずだと思う。ボブ・マーリーのことを、パンクだっていう人もいるし、それに近いものがあるんです。ジャンルに寄りかかってない感じっていうのかな。
――Pacific Rootsのvol.1とvol.2でセレクトするにあたって、選出の基準差に違いはありましたか。
HOMERUN SOUND : vol.1のときにニュージーランドで地震があったんです。その後、日本でも震災があって、そのあとの彼らのレスポンスがすごく早かったんです。応援を込めて曲を提供してくれている感じがすごくしたので、vol.2に関しては、そこの想いも込めて作れたらいいなと思って選曲しました。実際4DG(For Da Grind)の「Walk With You」っていう曲は、ニュージーランドの震災を受けて作った曲なんです。The Sound of Hope Projectの「Sound of Hope」に関しても、子どもたちが未来に希望を持っていけるように作られた曲だったりとか、そういう曲を入れました。あと、和訳が完成する前に選曲したんですけど、思ったよりも個々の作品にメッセージがちゃんと込められていて、びっくりするくらいマッチしていて嬉しかったですね。

草野恭平(以下、草野) : vol.1のときは、どちらかというとサウンド感で選んでもらった楽曲が多かったと思います。
HOMERUN SOUND : もともとBigMountainのようなサウンドから受けた影響が大きいです。現場でバカになって遊ぼうぜっていうより、意思というか意味合いを持ってイベントを主催することも多くて。そういう部分で、自分で選ぶコンピに関しても意味のあるものにしたいなと思って。ニュージーランドで売れている音楽とかヒットチャートで盛り上がっているとかではなく、あくまでも自分のチョイスです。
――太平洋のアーティストと日本のアーティストに、近い感覚を覚えたりもしたんでしょうか。どちらも、本場ジャマイカではない場所でレゲエをやっているという意味では共通していますよね。
HOMERUN SOUND : それはすごくあります。日本語訳を見てもらえばわかるんですけど、ちゃんと芯があるというか、強さを越えてあるやさしさがあって、それが音にもリリックにも出ているから、すごく共感できるんです。その部分が、僕の主催イベントに出演してもらうミュージシャンと同じ気持ちだと感じています。
――マーさんは生活に根付いたレゲエという部分に共感しているのかもしれないですね。
HOMERUN SOUND : どんな業種の人も生活していくうえで闘っていると思うので、そういう人たちとも共感したい部分はあります。あとはギター弾きの親父に、ピコピコしていたりサンプリングした音が否定されることが多かったので、世代を越えて分かってもらいたいっていうのもありました。そういう葛藤を自分なりに解釈したのがこの形です。
――とはいえ、日本とオセアニアがレゲエ発祥の地ではないのは共通しているとはいえ、生活スタイルや文化は全然違うじゃないですか。それなのに、そこまで共感するのが不思議ですよね。
HOMERUN SOUND : 多分、島国根性もあると思うんです。日本人は大和魂とか言うじゃないですか。そういうところが太平洋の人たちの血にもあって、僕はそれが好きなんです。今作に収録されている曲は、僕たちのお手本になるようなことも言っていると思うので、ぜひ和訳を見て欲しいです。最初の3曲くらいはわりと明るい感じの雰囲気ではあるんですけど、強い意志を持ったリリックで歌われています。その感じがすごいなと思って。何も意識しないで聴いていれば風通しのいい感じに聴こえてくるけど、実は意志を持ったリリックだったりするんです。
――今作の中で一番はっとしたのはどの曲ですか。
HOMERUN SOUND : 一番最初の「New Generation」って曲ですね。歌詞を見ると、それこそ今聴くべき曲なんじゃないかと思って。「Keep Your Culture」とかも、ポリネシアのことを歌っているんですけど、日本人も共感できるリリックだと思うんです。もちろん中盤の曲にもいろいろな意味があるんですけど、さらっと聴いて時間のあるときに和訳を見てもらえると、今回作った意図が見えると思います。
草野 : 「New Generation」「Keep Your Culture」「Roots」という意味のあるワードがタイトルの3曲を明確な意思を持って頭に持ってくるっていうのは、様々なコンピレーションアルバムが出ている中で、とても稀なケースだと思います。今作は意味を持たせるコンピレーションアルバムというか、楽曲の持つ意味を伝えることを意識して制作しました。
――コンピレーションといっても、寄せ集めではなく、一貫した意味を持っているアルバムということなんですね。
HOMERUN SOUND : vol.1のときも、「このCDこそ東北に届ければいいのにね」って言ってくれる英語の分かる人たちがいたので、そこの意味合いはより意識しました。あとは1曲1曲にこだわりを持っているミュージシャンがほとんどで、エンディングのエディットが異なる2パターンが送られてきたり。1回形にしてもなおこだわっている形とかがいいなって。
違うジャンルを知るきっかけになればいい
――太平洋のアーティストの意思をちゃんと理解した上で届けようという責任感や、どうやったらちゃんと伝えられるのかっていうマーさんの気持ちが伝わってきました。

HOMERUN SOUND : ありがとうございます。せっかく作るんだったら、ただの寄せ集めにしても意味がないというか。愛情を持って出さないとと思っています。あとは、ジャケットも最高で、Dragon76さんに書いてもらっている感じっていうのが本当に嬉しいんです。
――このコンピもvol,2で、今後も続いていくかと思うのですが、太平洋の音楽をキュレーションすることによって、この先どういう活動をしていきたいと思いますか。
HOMERUN SOUND : やりたいのは、フェスですね。Pacific Rootsに収録出来たアーティストと、僕のイベントに出演して貰っていたり、一緒にツアーを共にしたアーティスト。そしてこの音源を気に入ってくれたお客さんと新たなフェスを作っていけたらと思っています。BLUE KING BROWNとか、最初に観た時とか本当に衝撃だったんです。レゲエとかヒップホップを通して音楽の楽しさを知った世代って、多いと思うんですよ。僕もそれが根っこにあって。そういう人たちが違うジャンルを知るきっかけになればいいですよね。ジャパレゲ聴いてましたとか、現行のダンスホールレゲエ聴いていましたっていう人たちの中でも、こういうのがあったらいいなと思うであろうコンピを作ったと思うんですよ。こういう切り口の音があったら他の音楽観が広がると思うので、自分たちのジェネレーションも頑張って、大勢の人たちの前で見せれたらいいですよね。あと、そこで自分もレコードを回せたらっていうのは野望ですよね。近いうちに叶えたいですね。
草野 : "PacificRoots"が出来たのはマーさんあってのことなんですけど、アルバムを製作するにあたり、GARDEN GROVEのf.balconyさんのアドバイスがあったことで、より素晴らしい作品に仕上がったと思っています。
f.balcony : 僕はDragon76のマネジメントをしていたりするので、ジャケットなどのことを担当しました。コンセプトは、自分たちが欲しいCDを作る、でした。お店でCDを買って家に帰って袋を開けて、音源聞きながらライナーノーツを読んでっていうワクワク感を伝えたかったんです。音はマーくんに任せれば間違いないと思っていたので、僕は外身というかトータルで満足してほしいと思って制作しました。
HOMERUN SOUND : ジャケットにもこだわっているので、今回はアナログも刷ったんです。音とかパケージを買ってくれる人へのリスペクトの意味合いも込めました。自分もアナログユーザーとしてかなり無理を言って、アナログも作らせてもらったりしたんです。
f.balcony : CDやレコードを買う楽しみを感じてほしいです。

HOMERUN SOUND : そうそう。バルくんとはツアーも回らせてもらって、おもしろい音楽をみつけたときに、こんなのあるよっていってYouTubeとかバンバン教え合っているときがあって、そのときの衝動が今もあります。自分たちが聴きたい音楽を作っているというか、マスタリングをしたときも、わざわざ草野くんとお台場までドライブしながら聴いてみて、短いほうがいいよねとか言いながら何度もリピートしたりして。横浜まで帰る間も聴いていったんですけど、疲れないで聴けたっていうか。絶対疲れるじゃないですか、おなじ音源を一日に6回も聴いているのって。それがなかったのはびっくりしましたね。必死な気持ちで言っているわけじゃなく、本当にびっくりしたんです。だから、今作に関しても自信を持って聴いてほしいなって言いたいですね。
RECOMMEND
SUGAR MINOTT / LOVERS ROCK
シュガー・マイノットが運営していたレーベルBLACK ROOTSからリリースされているシュガーの作品の中から、ラヴァーズ・ロック・スタイルの作品を現在12インチで入手困難となっているDisco mixヴァージョンやCD化されていない作品を中心にセレクトした日本独自編集盤。
H-MAN & Jr.DEE / DOUBLE TROUBLE
ジャパニーズ・レゲエにシーンというものさえ無かった90年代初頭から、横浜界隈で夜な夜なマイクを握り競い合って来たヴェテランDeeJay2人がタッグを組み、コンビネーション・アルバムを完成させた。2人のスタイルがガッチリ噛み合ったコンビネーション曲を多く収録!
PROFILE
HOMERUN SOUND
本牧出身。レゲエサウンド兼イヴェントオーガナイザー。ジャマイカンミュージックのバンドショウケース "Sweet Vibes Market" (@Thumbs Up)を軌道に乗せ、またベイホールでのイヴェント "春の彩音"を4年続けて開催。 "バンドのレゲエ"を横浜にプレゼンし、より身近なものに近づけた彼は、ダンスホールレゲエが活発な横浜で、特異な存在としてリスペクトされている。バンドの幕間にRoots、DUB、RockSteady、Skaを中心に、人柄から溢れてくるような、フロアのヴァイブスを暖め「パーティを繋ぐ」スタイルは好評を得ており、バンド主催のワンマンライブ、ツアーへの同行や絵描きとのライブペイントセッション等さらに他ジャンルとの交流も増え、活動領域を拡げている。
f.balcony(GardenGrove)
日本とオーストラリアを繋ぐイベント「GardenGrove」主催。レーベル「GardenGroveMusic」として、2011年7月に太平洋のアーティストコンピCD「Pacific Roots」リリース。世界中の新たな音楽との出会いを大切に、今後も良い感じな音源をリリース予定。
Dragon76
1976年生まれ。神奈川在住1996年にPainterとしてのキャリアをスタート。 マイノリティー文化や音楽から受けた影響を基に情熱的で生命力溢れるタッチで作品制作やライブペインティング、CDジャケットやフライヤーなどの音楽関係のビジュアルの 制作等を手掛け、国内外から高い評価を得る。特にライブペインティングでは、即興で繰り広げられるダイナミックなパフォーマンスに国内の音楽フェス・クラブイベントや 海外からのオファーも多く、今ままでにニューヨーク・ロンドン・リバプール・イビサ・バーミンガム・ケニア・ヨルダン・ジャマイカ等でライブペイントを行っている。 また、PUMA・KIRIN・KFCやスペインの住宅メーカーの壁紙のデザイン等、国内外の多数の企業との幅広いコラボレーション実績がある。 2004年ドイツの出版社 Die Gestalten Verlagから出版されたSonic-Visuals forMusic、2005年illusive、2006年Play Loud!!に作品が大きく掲載され、2008年には 「世界のイラストレーター160人」に選ばれドイツのデザイン出版社taschen タッシェンIllustration Now vol.2に作品が紹介される。 近年では2011年に南アフリカのジンジ・マンデラ(ネルソン・マンデラの娘)のプライベートイベントに公式招待されライブペイントショーを行うなど、 国境・人種・社会的立場を超えたボーダーレスな活動を展開している。