どれだけ曖昧な姿だとしてもそれがいまの自分
──さらに、9月には“兄弟 II”という曲がシングルとしてリリースされます。
近石 : もともと“兄弟”という曲があって、その続編を書こうと思っていたわけではないんですけど、結果的にそうなってしまったというか。歌詞の内容としては“兄弟”は「いつか遠く離れても君のことを忘れないよ」という、ストーリー的には別れる前を描いてるんですよね。“兄弟Ⅱ”はその別れた後「あれから調子はどうだい?」って言ってる曲なので、時系列みたいなのは繋がってると思います。
──ここで歌われてる“兄弟”は血の繋がった兄弟というよりは、Hey Brother!のような友達に呼びかけるように聞こえました。
近石 : そうですね(笑)。「杯を交わせば兄弟だろ?」というニュアンスで、親友を歌った曲ですね。
──この曲も誰かを応援するような歌詞だなっていう印象がありますね。
近石 : そうですね、僕の曲は確かにお尻叩いてばっかのような気がしますね(笑)。友達が社会人になって大変そうな様子をSNSで見ていて、「俺はこんなに頑張れてるんかな」と思ってしまうこともあったり、「あいつ変わっちゃったな」とか思うこともあって。でもそれは各々自分で決めるものだし、自分が「変わっちゃった」と思うことでジャッジする側になってしまっているなと思って。そういう周りで新しいステージに向かって行った人のことを見て思ったことや感じたことを自分と照らし合わせながら書きました。
──実際に、モデルがいるんですか?
近石 : そこもあやふやで、誰だって言われたら挙げれるくらいではあるんですけど、ただ曲の中でそいつだけに書いたかって言われたらそうでもないかも。曖昧な感じのままガーって書いちゃったので。
──近石さんは、アカペラバンドsus4としても以前活動されていて、弾き語りもやって、バンド編成でも活動して、と結構マルチにやられてる印象があるのですが、ご自身にとっての音楽活動とはどういうものですか?
近石 : もともとは歌が大好きで、そこからバンドを聴き始めてバンドをやってみて。そこからさらに弾き語りの動画をアップしはじめたんですけど、さっき言ったようにオリジナルを作らないとあかんなと、それなら歌も上手くならないといけないと思ったのがアカペラを始めたきっかけだったんです。バンドとは違って、アカペラは声だけで合わせるからすごく難しくて。キーボードでドを押したら誰が押しても同じ音が鳴るけど、声の場合は何千との音の単位があって微妙にずれてしまう。そういう声の出し方とか、リズムはすごく勉強しないと上手くなれないから、大学時代はアカペラサークルの方に没頭していましたね。いまは卒業して弾き語りを中心に自分の音楽をやっているんですけど、そうやってあやふやにやってきて、でもどれだけ曖昧な姿だとしてもそれがいまの自分なんですよね。誰かのイメージをぶっ壊したい、アカペラから抜けた自分の在り方を考えるとそうありたいなと思います。これは“兄弟 Ⅱ”で歌っていることなんですけどね。
──ありがとうございます。最後に今後の目標をお願いします。
近石 : 来年1月のワンマンライブに向けてライヴをこなして観てくれる人を増やしたいというのが一番にあります。 “ライブハウスブレイバー”で「もう一度やり直そうと新たな場所で歌い始めた大学3回の春」という歌詞があるんですが、その場所が会場の神戸VARIT. っていうずっとお世話になっているところで。今まではそこでワンマンをやる勇気がなかったんですが、いまようやく踏み込めたので成長した姿を見せたくて。だからそこで人を集めていいライヴをして…というのが直近の目標です。そこからさらに、東京や大阪などいろんなところで歌えるようになりたいです。
編集 : 津田結衣
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LIVE INFORMATION
近石涼『Chameleon』2022
日程:2022年1月22日(土)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:神戸VARIT.
前売り ¥2,500 / 当日 ¥3,000(別途ドリンク代)
購入ページ:
https://eplus.jp/sf/detail/3475640001-P0030001
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PROFILE
近石涼
1995年12月17日 阪神淡路大震災後の神戸に生まれる。 幼少期にピアノを習い始めたのが音楽との出会い、中学3年の頃よりギターを弾き始め、高校生になると YouTubeにカバー動画をアップし始める。 14年TFM『SCHOOL OF LOCK』主催「閃光ライオット」コピバンステージ出演。大学生になってから はシンガーソングライターを目指し、オリジナル曲を歌い始める。初めて作った曲「シンガー」が 「COMIN’ KOBE2016」オーディションにてグランプリを獲得。また、アカペラバンド「sus4」の リードボーカルとして「第7回 A cappella Spirits!」の決勝進出。20年関西最大級の音楽コンテスト 「eo Music Try 19/20」にて準グランプリ受賞。21年ラジオ局「FM802」と「グランフロント大阪」が 支援するプロジェクト「MUSIC BUSKER IN UMEKITA」ライセンスを取得する。
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