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INTERVIEW : モモチ・ンゲール(豆柴の大群)
豆柴の大群の新メンバー、モモチ・ンゲールは人々を温かなオーラに包むことができる人だ。一見クールな印象だが、本当に常に明るく笑顔を絶やさないその姿は、一種の才能だと言える。そして何より、彼女は落ち込んでいる人を見ると、声をかけずにはいられなかったと語る優しさを持っている。その存在は、これから間違いなくたくさんの人を笑顔にするだろう。彼女もまた、豆柴が大きくなるために絶対に必要なピースだ。
インタヴュー&文 : 西田健
写真 : 大橋祐希
みんな本気だったから、私も本気で頑張れました
──モモチさんは、豆柴に加入する前は看護師をされていたんですよね。
モモチ・ンゲール(以下、モモチ) :はい。そうです。
──なぜ、今回の豆柴のオーディションに応募しようと思ったんですか?
モモチ : いまでも看護師はすごく素敵な仕事だと思っているんですけど、あるとき「自分がいちばんやりたいことはこの仕事だったのかな」と悩むようになったんです。そんなある日に、BiSHのモモコさんが書いたエッセイ「目を合わせるということ」を読んだとき、「みんなアイドルになりたいのに、言わないだけなんだと思ってた」という一文を読んで、私にとってもアイドルがそういう存在だってハッとして。そうやって考えた末に「自分は昔からアイドルになりたかった」って気づいたんです。そこからアイドルのオーディションについて調べていたら、検索結果の一番上に豆柴の大群の合宿オーディションの情報が出てきたんです。その日が締め切り最終日だったから「これは運命だ! 今なら間に合う」と思って、勢いで応募しました。
──思い切りましたね! それまでWACKのオーディションに応募したことはあったんですか?
モモチ : 1回もなかったです。応募してからWACKの合宿オーディションについて調べはじめて、「こんなに過酷なことをするんだ」って知りました。
──豆柴より前にアイドル活動をやったり、舞台に立つ経験はあったんですか?
モモチ : 全くなかったですね。子どもの頃のピアノの発表会ぐらいしか…。
──アイドルというものへの憧れを意識しはじめたのは、いつ頃からですか?
モモチ : 小学生ぐらいのときですね。AKB48さんがテレビで“Beginner”を歌って踊っているところを見て、「こんなにかっこいい曲があるんだ!」ってびっくりしたんです。そのときに、将来自分もそういう風になるんじゃないかなって勝手に思っていました。
──「Beginner」はAKB48の楽曲のなかでも、結構とがった曲ですよね。
モモチ:そうなんですよ! それまでアイドルにはそんなに興味がなかったんですけど、「Beginner」が衝撃だったんです。キラキラしていたアイドルのイメージが自分のなかでかなり変わって、他のグループもどんどん好きになっていきました。
──WACKについては知っていたんですか?
モモチ : もともとはBiSHさんが好きだったんです。衣装も曲もかっこいいグループだなと思ってました。でもライヴにたくさん通っていたというわけではなかったんです。だからオーディションに応募したあと、もっとWACKのことを知ろうと思って、幕張メッセでやっていたWACKのイベント〈Even without BiSH, this is WACK〉(※豆柴の大群のほか、BiS 、ASP、ExWHYZ、GANG PARADEが出演)を観に行きました。
──幕張で見たWACKのグループの印象はどうでしたか。
モモチ : どのグループもそれぞれすごくかっこよかったです。「私もステージに立つ側になったら、いろんな景色が見えるようになるのかな」ってモチベーションがあがりました。それからは過去の合宿を見たり、ライヴに行ってみたり、WACKのことをたくさん調べていきました。
──2022年12月11日~12月14日にかけて新メンバーオーディション合宿〈豆柴の大群なりの合宿〉が開催されました。合宿オーディションの思い出を聞かせてください。
モモチ : WACKにいそうな子も、THEアイドルみたいな子も、スタイルが良い子も、顔がかわいい子も、おもしろい子もいて、いろんな子がいるんだなって思いましたね。みんなと仲良くしていたけど、次の日には一緒に頑張ってきた子の誰かは脱落するかもしれないわけじゃないですか。一緒に頑張りたいけど、ライバルでもあるんですよ。そこが大変でしたね。
──今回のオーディションは、候補生の気迫がすごかったですよね。
モモチ : そうですね。私は負けず嫌いなので、「絶対に負けないぞ」って思っていました。人生を懸けている子が周りにいっぱいいたし、みんな本気だったから、私も本気で頑張れました。
──前回のインタヴューのなかでレオナさんから、モモチさんは落ちた候補者に声を掛けていたという話を聞きました。どういう気持ちで声をかけていたんですか?
モモチ:落ち込んでいる人を見ると、声をかけずにはいられなかったんです。それがオーディションとして正解なのか正直わからなかったんですけど、体が勝手に動いていましたね。みんなで頑張ってきた仲間だし、もしかしたらオーディションや活動していくなかで、また会えるかもしれないと思っていました。
──合格を伝えられた時はどういう気持ちでしたか?
モモチ : 他の候補生がみんなすごかったし、落ちるようなポイントが見つからなかったから「このなかから誰が受かるんだろう」と思っていました。だから自分の名前が呼ばれたときは、「私でいいのかな」って戸惑いもあったんですけど、喜びが込み上げてきました。