一緒におもしろいことをする仲間でいたい
──Bimiとしての初ライヴは覚えていますか?
Bimi : 俳優をやっているとこに「音楽がしたい」っていろんな人に言っていたら、2021年くらいのタイミングで知り合いが企画に呼んでくれたんですよね。そのライヴは2.5次元系のファンが多いイベントだったんですけど、自分としてはBimiをやる上で、そういった界隈とは棲み分けしたかったんです。時期的には「Tai」のMV出した直後だったんですけど、MVみたいに、体中墨だらけにして口にも含んでいったんですよ。
──それは鮮烈ですね。お客さんの反応はどうでしたか?
Bimi : 狂ったようにパフォーマンスしたら、お客さんも戸惑っていました。ヤバい人扱いされていましたね。
──それは思惑通りだったんですか?
Bimi : 思惑通りでした。全員に受けると思っていなかったので。そういう空気感はどうしても伝えたかったですね。まあドン引きされましたけど(笑)。
──ドン引きされるのは辛くないんですか?
Bimi : むしろ最高ですよ(笑)。その後も目出し帽かぶってパフォーマンスしたり、尖っていましたね。
──はじめてのワンマンライヴ「Predator」はいかがでしたか?
Bimi : お客さんも俺のアンチテーゼを感じてくれたので、すごく盛り上がりました。今だから言いますけど、Bimiをやるにあたって、ファンの人をふるいにかけたかったんですよ。なぜかというと、お互いにとってよくないから。あんまり気持ちよくないのに金払われても、こっちとしても気持ちよくないんですよ。もちろん役者としての自分を好きになって、ついてきてくれたのは評価してもらえたんだと思うんですけど、だからといって惰性でついてくるという気の遣い方されるのは、やめてほしくて。自分の音楽が好きじゃなかったら、別についてくる必要ないと思うんです。それを1年間くらいやっていたら、お客さんと噛み合うようになりましたね。
──俳優活動と音楽活動は完全に別のものとして見てほしいという姿勢を貫くのは、なかなかの覚悟が必要だと思います。
Bimi : やっぱり一緒にされるの気持ち悪いじゃないですか。まあ、もちろんありがたいんですけどね。
──2.5次元系の俳優さんが出演されるイベントにもBimiとして出演されますが、そういうフェスでライヴするときはどういう心持ちなんですか?
Bimi : 「金を稼ぎにいこう」ですよ(笑)。ファン増やそう、金増やそう、カマそう、ですね。全然俺の音楽を聴いてくれないのはわかっているから、逆に変わったことやりますよ。フェスなんて変わったことしたもん勝ちじゃないですか。
──そういうライヴでもやはりカマしたい気持ちがあるんですか?
Bimi : 名前覚えてくれなくていいんで、「なんかすごい人いたな」くらいでいいかなと思いますね。「卒なくこなす」が1番ダサいので、大成功か大失敗かしたいです。
──そういった2.5次元系の俳優さんが出演されるライヴとは別に、〈電音部 GR SQUAD vol.1〉といった音楽好きが集まるイベントにも出演していますよね。
Bimi : 電音部、闇鍋みたいになっていて楽しかったですね。結構みんな飛び跳ねてくれて、通用するんだなと思いました。自信になりましたよ。呂布カルマさんも出ていたので、ヒップホップ畑のお客さんも多くいました。ライヴで俺に中指立ててくるお客さんもいて、「これだよ、これこれ、最高」って思いました(笑)。
──ヒップホップのアーティストとのライヴにも今後は出たい?
Bimi : 出たいです。こっちもお客さんたくさん呼ぶので(笑)。
──ファンはどんな方が多いですか?
Bimi : ギャルが多いですね。最近ギャル好きって言っているので(笑)。ギャルになりきれていないギャルが多いです。
──ファンはどういう存在ですか?
Bimi : 俺は友達みたいになりたいですけど、友達になりすぎるとどうしても僻み、妬み、嫉みが発生しちゃうので、最近は分け隔てなく接しています。Bimiを好きでいてくれるということは、心になんかしらを抱えている人たちだと思っているので、そういう社会の溢れ者たちを大事にしたいです。まあ、一緒におもしろいことをする仲間でいたいですね。
──もう少し大きい会場でライヴしたいという願望はあるんですか?
Bimi : ありますよ。でもいずれできると思っているので、そこまで焦っていないです。それよりも多くの人に聴いてもらいたいですね。いまの界隈だけじゃなく、いろんな人に聴いてもらわないと曲は腐っていくと思うので、知らない人に聴いてもらえるような発信の仕方を常に考えています。