INTERVIEW : 衛星とカラテア

衛星とカラテアの“これまで”と“これから”を凝縮したアルバム『あの日見た夢の話』。再録によって生まれ変わった既存曲、新たな風を吹き込む新曲たち──その一音一音に、4年の重みと未来への期待が詰まっている。「今、いちばん聴いてほしい」「観てほしい」カラテアの姿がここにある。
インタビュー&文 : 西田健
撮影 : 星野耕作
実はメンバー全員負けず嫌い
──最近のグループの雰囲気はどんな感じですか?
春瀬もも(以下、春瀬):4周年というきっかけもあって、昔の写真や動画をみんなで見返したんですけど、本当に全員が変わった感じがします。精神的にも体力的にもみんな本当に強くなったと思います。前だったら、何時間もぶっ続けでレッスンなんてできなかったけど、今はだいぶ慣れてきました。
白咲くるみ (以下、白咲):私たち3人(白咲、波澄、日南)は新メンバーとして入ったので、最初はとにかく振りを全部覚えるところからのスタートだったんです。でも2年経って「グループを引っ張らなきゃ」という気持ちも芽生えてきました。
日南ことり (以下、日南):ライブで“遊ぶ”ことが増えた気がします。もちろんしっかり決めてやる曲もあるんですけど、かわいい曲なんかは自由度が高くなっています。最近“bitter tune”という曲の時に、ももちゃんが歌ってる間、私たち4人はその日限定のコンセプトで遊んだりするんです。「その日、そのライブだけの私たち」を届けられるようになったのが、この1年の大きな成長だと思います。
波澄しずく(以下、波澄):曲に対するイメージもみんなで共有できるようになってきて、それを実際のパフォーマンスに活かせるようになってると思います。セットリストや振付によって空気感を変えるとか、細かいところまで詰められるようになってきました。「この曲はこういうコンセプトでやろう」っていう感じで、イメージを細かく共有しています。
久木田菜々夏(以下、久木田):グループ全体として、臨機応変に対応する力が上がってきたなと感じる瞬間があります。誰かが困ってる時、自然とフォローし合って支え合えるようになったなって。


──この1年で特に成長したと感じることはありますか?
波澄:体調不良の子がいたら事前に共有するんですけど、そういうときに、くーちゃん(白咲)が体調のことを気にかけてくれるんです。最年少なのにライブ中も自分のことで精一杯にならずに周りを見てくれるんです。安心感がありますね。
白咲:(小さく)嬉しい……。
──そういうところが、先ほども話に出た「フォローし合える環境」ってことにつながっている感じがしますね。
白咲:そうですね。この1年間で一番感じているのは、グループ力が高まったことです。今はアイコンタクトを増やしたり、気持ちを共有しながらパフォーマンスしたり。みんなでステージを作っていく意識がすごく強くなったと思います。
日南:最初は、自分のパートをこなすことで精一杯で…。でも今は、自分の個性を活かしたパフォーマンスができるようになってきたと感じています。
──後から入ったメンバーである3人が、すごく成長したと。
白咲:最初に比べたら、本当にありえないくらい成長したと思います。
──4年活動してきたなかで、意識や価値観の変化はありましたか?
春瀬:対バンで出演する時間帯を、すごく意識するようになりました。私たちももっと上を目指さないと」って、ライブ前にめちゃくちゃ練習するようになりましたし、周りのアイドルさんへの意識がすごく強くなりました。
──負けたくない、みたいな気持ちも出てきました?
春瀬:それは全員、思ってると思います。実はメンバー全員負けず嫌いなんですよ。気合いが入ってるライブのときは、フロアの反応がすごく気になるんですよ。思った以上の反応が返ってくると「最高だったね!」ってなるけど、逆に「ちょっとあれ?」って思ったときは、すごく悔しがります。セトリの組み方や盛り上げ方についても、みんなで分析するようになりました。



──ファンの反応を見て「思いが届いた」って実感できたライブはありますか?
春瀬:私は〈MAWA LOOP〉のときです。魅せる曲を中心に構成して、カラテアらしさを出したセットリストにしたら、みんながすごく同じ気持ちでライブしてくれて。「こういうライブがしたい!」って思えた瞬間でした。
白咲:私は2ヶ月前のZepp Shinjukuでのワンマンライブ『 春霞に溶ける夢想 』ですね。「くじけそうになっても、私たちがいるから一緒に頑張ろう」をテーマに、歌い方や表情、アイコンタクトをすごく研究して臨んだんです。特典会で「同じ曲でも今日は背中を押された気がする」と言ってもらえて、すごく嬉しかったし、自分の思いが伝わった実感がありました。
他には名古屋での〈RAD JAM〉のステージは印象に残っています。会場がすごく広くて、遠くにファンが見えるのが嬉しくて。「この景色でライブしていきたい」って思えたし、“夢中飛行論”という曲の熱量がすごかったです。
波澄:先日出演したお台場の〈肉フェス〉での対バンライブです。青空の下でみんなが楽しそうに踊ってくれて、カラテアの曲でこんなにも笑顔が生まれるんだって、初めての感情になったんです。「こういうライブをもっとしたい」と強く思いました。