ファンの人はそれに気づいてくれなくて…
——MAPAはさらに12月19日に「Snowbud/BIGHOUSE」をリリースします。 “Snowbud”はしっとりとした冬のバラードソングですが、ポエトリー部分の作詞は古正寺さんが担当したんですよね?
古正寺:そうです。この部分は、曲ができてから歌詞を書いたんですけど、この曲では恋愛が起こっているなと思ったんです。心の寒さと冬の寒さを歌っているんですが、恋愛のことを書こうとしたときに、「好き」という言葉を使わずに、どう表現しようかを考えたんです。そのときに「恋心とウイルスって似ているな」と思って、主人公に降り注ぐ雪も絡めて書きました。
——「君に感染したから」という歌詞はそういうところから発想したんですね。
古正寺:そうです。これからいろんな人をMAPAウイルスに感染させたいですね。
紫凰:個人的に古正寺の書くポエトリーのファンなんですよ。夜にまつわる曲が好きなのもあって、聴いたときに「あ、好きだ」と思いました。今回の編曲もsugarbeansさんに担当してもらったんですけど、ポエトリーに合わせた音楽がシューゲイザーぽくてよかったです。ストレートではない歌詞と古正寺のポエトリーと音楽がうまくマッチして、個人的に好きなMAPAの曲がまた1つ増えましたね。
宇城:この曲は「平成」を詰め込んだ冬のバラードな気がします。平成の曲って歌を聴かせる曲が多いような気がするんですけど、だからこそ、ごまかしが効かないなと思って。宇城茉世が主人公になりきって、その世界を表現できるように頑張りたいですね。平成の冬バラードに古正寺のポエトリーが入って、MAPAらしい曲ができたなと思います。
神西:聴いたときに懐かしい感じがするなって思いました。早くストリーミングが解禁されて夜に外で聴きたいですね。冬を感じたいです。
——このMVはワンカットで撮られたんですよね。実際、何テイクくらい撮ったんですか。
宇城:14テイクです…(笑)。予定の5時間オーバーだったみたいで。ワンカットでの撮影は初めての経験だったんですけど、カメラの裏で走ったりして、みんなで力を合わせられたので楽しかったです。
古正寺:なぜかラスト1が10回くらい続いたんです。それまで失敗していなかったのに、ラスト1回と思って気合が入りすぎたんですかね。でも無事にいいものができてよかったです。監督の二宮ユーキさんが「ワンカットで撮りたいんだよね」と言ってくださったとき、最初大森(靖子)さんは心配していたんですよ。でも二宮さんは「いける!」と言ってくださって、結局かっこいいものができたので感謝しています。
宇城:MVのなかで見てほしいポイントがあるんですよ。私が赤いコートを着ている場面があるんですけど、スタッフさんと協力して着脱をしたんです。でもファンの人はそれに気づいてくれなくて…。だからこそ、この機会に見てほしいです!
古正寺:最初は白黒で始まるからね(笑)。
紫凰:赤い部屋でパフォーマンスしているシーンがあるんですけど、カーテンから出入りして踊るのをカメラで撮るんですよ。なので、ちらっとカーテンが開いていたり、入るのが少しでも遅くなったりするとリテイクになってしまうので、楽しかったけど緊張しました。
神西:赤い部屋で踊るシーンは、グルグル回るんですよね。なのでそこで方向感覚を失ってしまって、「どこから出ればいいの?」って叫んだのが思い出ですね(笑)。
——(笑)。動きを全員が完璧に覚えていないといけないと成立しないですもんね。
古正寺:私も注目ポイントがあるんです。茉世がもっているリンドウって何色だっけ?
宇城:白!
古正寺:だよね。アー写ではみんな青紫色のリンドウをもっているんですよ。で、私はMVの最初にもリンドウをもっているんですけど、茉世が途中でもっている時は白に変わっているんです。
宇城:誰か気づいたかな?
——それには意図があるんですか?
古正寺:あります!まあ、秘密ですけど。
——それは考察してくださいということですか(笑)?
古正寺:そうです!
宇城:たくさん見てくれた人にはわかるかも。
——考察しがいがあるMVなんですね。他にMVの見どころはありますか?
神西:私のカットインの上手さ(笑)。めっちゃ褒められていたからみてほしいです。
紫凰:私、ピアノの椅子に座るシーンに変更になったんですけど、その椅子に腰掛けるのが下手でなんども失敗しちゃって。古正寺に指導してもらって、できるようになりました。
古正寺:ゆすらは自然な演技が苦手でいらっしゃるので。自然にやろうとする不自然さを注意しました。
宇城:ゆすらはエンターテイメントの方面で天才チックなんですよ。妖精のように羽を撒く場面があるんですけど、ゆすらは量がおかしくて。そういうところも見どころです (笑)。