INTERVIEW : 玖月琴美
自分にしか出せない良さを模索している
──玖月さんがめろん畑a go goにBLACKのメンバーとして加入して半年以上経ちますが、感触はどうですか?
玖月琴美(以下、玖月):実際、今回のリリースに伴って、やっと一歩踏み出したって感じがするんです。めろんとしての意識をちゃんと作っていかなきゃなと思ってます。今後はWHITEとBLACKで全然魅せ方が違うので、これからどんどん変わっていくんだろうなと思います。
──実際、活動してみた感じはどうですか?
玖月 : そもそも新メンバーがふたつに分けられたのは、我々の負担を分けるためにこういう形にしたんだと思っているんです。でも、自分が出番じゃないときも、ライヴを見学しに行ったりするんですよね。休めよって思われてるかもしれないですけど、どうしても気になっちゃって。めろん畑に所属しているにも関わらず、お客さんの目線で見れるので、かなり勉強になります。
──本当に真面目ですよね。
玖月 : 入ってすぐぐらいに、もっとふざけた方がいいって言われたんですけど、どうしてもクソ真面目な言葉しか出てこないんですよね。こういう性分だから、そういうところは一生治んないだろうなと思うんです。でも最近はそのままでいいかなと思うようになりました。
──なるほど。最初に「めろんに加入しないか」って言われた時は、どんな感覚だったんですか?
玖月 : 「自分がやるのか」みたいな気持ちが強かったですね。しかも、そもそもめろんに入ったこと自体が衝撃だったのに、「それから別れるの!?」って思いました。でも実際やってみると、めちゃくちゃ楽しいです。
──この状況を楽しめているんですね。
玖月 : もちろん大変なのはありますし、脳みそ三つ欲しいくらい忙しいんですけどね。めろんには好きな曲ばっかりだし、そういうのを歌って踊れるのが楽しいです。モガーズとはまた違ったステージの魅せ方ができますし。
──めろんとモガーズで、スイッチを変えてる部分もあるんですか?
玖月 : あんまり変えている自覚はないです。でも、モガーズはクールに決めることが多いので、めろんの時の方が笑っていることが多いかな。
──ちなみに、同じく新メンバーとしてWHITEに加入した皆野うさこさんへのライバル心みたいなものはあるんですか?
玖月 : どちらかと言えば、仲間意識の方が強いです。一緒に高め合うメンバーであり仲間でありという位置かなと思ってるので、そんなにライバル心はないですね。お客さんのなかには、もっとバチバチしてくれって思っている人もいるかもしれないけど、本人としてはそんな感じです。うさこが明るくてアイドルっぽい感じなんですけど、私はどっちかって言うと陰キャですし。
──陰キャなんですね。
玖月 : でもそういう人間だからこそ、かっこいい感じも出せるんじゃないかなと思うんです。そこに悩みもありますし、反省点もやっぱりあるんですど、自分にしか出せない良さを模索しているところです。
──先輩との関係はどうですか?
玖月 : めろんは本当に個が強い先輩しかいないですね。でも、みんな優しいんですよ。こういう風にやりたいっていうイメージがしっかりできているので、私たちの思いの汲み取ってくれます。これまでは先輩たちが作ってきた歌を、歌い継ぐ感じだったんです。でも今回のリリースに関しては一緒に作り上げていく感じがあったので、それはすごく良かったなと思います。
新潟の名産の笹団子をイメージした髪飾りをつけて
──玖月さん自身、アイドル的なところには憧れはあったんですか?
玖月 : 元々は全然興味がなかったですよ。私は新潟で生まれ育ったんですけど、高校の時の友達がアイドルっぽい活動していて、そこにサポートっていう感じで入ったのが、アイドル人生の最初でした。気づいたら正式加入してました(笑)。
──それまで人前で歌う経験はあったんですか?
玖月 : 元々歌が好きだったし、実家が日本舞踊をやっていたから、ステージに立ったりするのはちょこちょこやってたんですよ。でもめちゃくちゃあがり症で、人前で何かやるって言うのは考えられなかったです。日本舞踊も、物心つく前からやっていたので嫌が応でもやるって感じでしたし。それに、アイドルに対するイメージも全然つかなくて。たまたま仲が良い友達がやるからって軽いノリでやっていくうちに、楽しいと思い続けて来れました。
──新潟時代にやっていたアイドルってどういう感じだったんですか?
玖月 : 今と全然真逆です。キラキラアイドルみたいな感じでした。越後姉妹Geeksという名前だったんですけど、「オリジナルの痛車から飛び出してきた女の子達」っていう設定ががっつり組まれてるグループでした。新潟の名産の笹団子をイメージした髪飾りとかつけてやっていました。
──それからなぜ上京しようと思ったんですか。
玖月 : 結局紆余曲折あってそこを辞めたんですけど、当時一緒に活動していた友達が上京したんですよ。彼女を送り出していろいろやっていたんですけど、私自身アイドルをまだ諦めたくなかったんですよ。そうやって悩んでいるときに、その友達に「悩んでるんだったら東京行くしかないよ」って言われて、それでひとつ吹っ切れて上京した感じです。
──そこからGOLLIPOP RECORDに入るわけですね。
玖月 : そうですね。色々活動をしてはいたんですけど、あまりうまくはいかなくて、そんななか「ここなら信頼できると思うよ」って紹介されたのがGOLLIPOP RECORDだったんです。いろんなことがありましたけど、なんだかんだで居心地は良いですね。
──最新ミニ・アルバム『BLACK MELON』と『WHITE MELON』の2作が同時リリースされましたね。玖月さんは『BLACK MELON』に参加されていますが、レコーディングはどうでしたか?
玖月 : 大変でした(笑)。めろん特有の歌唱法というか、モガーズのときとは全然違う歌い方だったから難易度が高かったです。全体的に難しくって、
──思い出深い曲はありますか?
玖月 : 全体的に好きであるんですけど、“ゾンビブルース”がすごく好きです。めろん特有のSF ホラーみたいなジャンルかなと思うんですけど、こういうのが歌いたいな思っていたので実現できて嬉しいです。振り付けもよく仕上がっているのでそこはちょっとライヴで見て欲しいですね。
──他に推し曲はありますか?
玖月 : “シルバージェットと僕たちの物語”はすごくめろんっぽくて大好きです。ゆふぃちゃんの英語の台詞がとてもかっこいいのと、ルンちゃんの叫ぶシーンが好きです。今回のアルバムの中で唯一のオリジナルだし、"めろんらしい楽曲"に加われた事が嬉しいです。
──玖月さんがいま課題だなって思うところはどこですか?
玖月 : 表現力ですね。歌も踊りも好きなんですけど、好きだけじゃ補えない部分もあるなと思っていて。昔から表現力において私はすごく苦手で、もっと自分を出していかないとあっという間に埋もれてしまうと思っているんですよ。ひっそりと個人練習したり、そういう努力はしてるつもりはあるんです。自分自身がライバルなんだと思います。
──これから、どういう人間になりたいと思っていますか?
玖月 : 割といろんなことをやらせていただいているんですけど、自分がいいスパイスになるような人間になれたらいいなと思ってます。もちろん、めろんもモガーズも、いろんなところで知ってもらえるような人間になれたら嬉しいです。