20年とか30年後も、何かしらの形で活動が続いていたらいい
──もし子ども時代の自分に会えるとしたら、どういうことを伝えたいですか?
そらる : いまの自分は、悩んだりしながらも、それなりに満足しているので大きく「これをやりなさい」っていうことは多分しないと思います。『ゆめをきかせて』っていうタイトルにもあるように、なにか自分が信じられるものがあって、それが自分の支えになってくれたらいいなっていう思いが少しあるのかなと。夢を聞いてそれを肯定してあげたいみたいな。それがその人の支えになったらいいなっていうところから、その“ゆめをきかせて“という曲ができてるって感じですかね。
──子どものころはどんな夢を抱いていたんですか?
そらる : 時期によって全然違いますね。それこそ、戦隊ヒーローになりたいみたいな時期もあったような気がしますし。でも、基本的には好きなことをして生きていこうという想いは変わらずあったような気がします。いま、普通の人とは違う人生になってしまったのは、そういう風に考えて生きてきたからこそなんだろうなとは思いますね。
──当時は、どういう音楽が好きだったんですか?
そらる : 実は全然、高校生になるくらいまで意識して音楽を聴いたことがなくて。テレビも1日1時間で、バラエティや音楽番組とかを観せてもらえない家庭だったんですよね。
──なるほど! そこから、音楽にのめり込むきっかけはどういったところだったんでしょう?
そらる : 高校に入ってから、友達がギターを学校に持ってきていて、それを借りて弾き語りの練習をはじめたりしました。それからは、それまで聴いてこなかったこともあって音楽をたくさん聴いて。遊びでバンドみたいなことをやって合わせたりとか、学園祭に出たり。でも、やっぱり音楽をやろうと思ったきっかけとしては、大学入ってから動画投稿サイトでボーカロイドの曲や歌ってみた動画を上げている人の音楽を聴いて、すごく魅力的に感じて、自分もやってみたいなって思ったところがいちばん大きいと思いますね。当時活動されていた方だと、ガゼルさんや社長さんが好きでしたね。
──いま、歌い手やボカロPという文化が大きな部分で注目されているのを感じているのですが、そらるさんは、そういったシーンの変化を感じることはありますか?
そらる : いまは、むしろ落ち着いて、偏見がなくなっている感じがしますね。日常のなかにボカロ曲がかかっていたり、ネット発のアーティストが全然珍しくなくなった感じはしますね。
──それは、シーンのなかにいても感じるものですか?
そらる : 昔はボカロがテレビで流れていたりとか、歌い手からデビューしたりすると珍しがられていたのが、特別騒がれることなくなってきました。詳しく知らなくてもボーカロイドっていうものがあって、曲を作っている人がいるっていうのを、みんな知っているみたいな。
──それは、そらるさんにとって良い変化だったりしますか?
そらる : 良くも悪くも、受け入れてはもらえている感じはしますね。もともとボカロって理解できないと言う人がたくさんいましたし。ネット発の歌い手をやるだけで、すごい叩かれたり、正直そういう時期はありました。ボカロが出てきてから、15年近く経つのかな。長い時間かけて少しずつ、受け入れられてきたって感じで、そのなかですごく盛り上がっている時期と浮き沈みがあって。いまは、また落ち着いてボカロの曲を作って伸びる人とかが出てきている感じはしますね。
──これからも新世代の歌い手の方がどんどん出てきそうですよね。
そらる : 自分も昔はニコニコ動画で活動していて、いまはYouTubeに動画を上げるようになりましたけど、自分はどう頑張らなきゃなっていうのは思いますね。だから、人のことを気にしている場合じゃないというか。どんどん新しい人が出てきてくれて、盛り上がっていってくれると嬉しいなっていう感じはしますね。
──最後に、そらるさんの活動に関しての夢をきかせてください。
そらる : いま感じている部分だと、コロナでなかなか今回のライヴに来たくても来れないっていう人とかも多かったですし、そこでオンライン・ライヴとかでなるべく見てもらえるような工夫も必要なのかなと。やっぱり出会えるライヴっていうのは、座席数が限られていて行きたくても行けないっていう人が多かったり、なかなかまだ難しくて。そういう人がまたライヴに来られるように、いまは動画投稿をやったり楽曲を作ったり、自分のできる基本的な活動を地道に続けいけたらなと思っています。大きな夢っていう感じではないですけど、5年後、10年後もどんな規模であれ、やれていたらいいなっていう風には思います。
──5年後、10年後も自分が活動しているイメージはできていますか?
そらる : 5年後ぐらいだったら、なんとなく。もしかしたら、そんなに大きく変わっていないかもしれないし。でも、立ち位置みたいなものは変えて行かなきゃいけないなっていうのはありますね。でも、もう13年活動しているので(笑)。まあ、5年後、10年後とは言わず、20年とか30年後も、何かしらの形で活動が続いていたらいいなっていうのは思います。それは、大きい規模じゃなくても、やれる規模でやれたらいいなと思っています。
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PROFILE:そらる
1988年11月3日生まれ。 宮城県出身。
名前の由来は、空を眺めるのが好きなことから。歌、作曲、作詞、エンジニアを自身でこなしている。2008年動画投稿サイトで活動を開始し、動画の総再 生数は3億再生を突破し、Twitterのフォロワー数は 150万人越え、YouTubeチャンネル登録者数約110万人超え、LINE公式アカウントの登録者数は85万人とネットシーンを中心に活躍するアーティスト。現在ではまふまふとのユニット“After the Rain”と しての活動を行ないながら、自主製作のCDも作成しており、年に1枚ほどのペースでリリース。2018年7 月22日よりソロ活動10周年突入し、同日に初のLIVE DVD『夢見るセカイの歩き方 SORARU LIVE TOUR 2017』を発売。同年11月28日にはソロ活動としては 初のシングル「銀の祈誓」を発売。TVアニメ『ゴブリンスレイヤー』エンディングテーマを担当しオリコン週間ランキング2位を記録。2019年3月6日に2ndシングル『ユーリカ』を発売。MBS/TBSドラマイズム 『ゆうべはお楽しみでしたね』オープニングテーマを 担当。3月10日より幕張メッセ2Daysを含む全国6大都 市ツアー「SORARU LIVE TOUR 2019 -10th Anniversary Parade-」を開催し、35,000人を動員し全公演ソールドアウトを記録。そして『映画 賭ケグルイ』主題歌「アイフェイクミー」を収録した活動10周 年を記念するアル バム『ワンダー』を2019年7月に発 売し、Billboard JAPAN Top Albums Sales」で初の1位を獲得。今年、2年ぶりとなるソロ曲「ブルーパレット」を6月30日(水)にリリース。9月29日には待望のニューアルバム『ゆめをきかせて』をリリースする。現在ではまふまふとのユニット“After the Rain”としても活動を行う。
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