2021/09/03 18:00

個々の能力みたいなところにいちばん惹かれる

──なるほど。普段はどんな音楽を聴かれているのでしょうか?

VivaOla:ここ最近で結構ビビったのは、GiveonていうR&Bのシンガー。それから、結構みんな聴いてると思うんですけど、Silk Sonicとか。ちょっと前にイギリス発祥でディスコみたいなのが流行ったと思うんですけど、Silk Sonicは急に60〜70年代にもってきたみたいな、最近出た“Skate”っていう曲はその現代復興版みたいなリミックス感があって。しかもふたりとも、ラップも歌も楽器も全部神がかってるんですよ。他には、カニエ・ウエストとフランク・オーシャンを聴きなおしたり。あと日本の音楽だと、平井堅と米津玄師をめっちゃ聴いてますね。


──アーティストとして活動していくにあたって、憧れの方とかロールモデル的な方はおられますか?

VivaOla:歌とかプロデュースっていう意味では、DEANとかフランク・オーシャンとか。やっぱりヒップホップ色の多いR&Bとか好きだなって思って。あと、昔BIGBANGがめっちゃ好きだったんですけど、グループ全体が好きというよりはG-DRAGONがいちばん好きだったんです。憧れるものに対して、あんまり集団という意識はなくて。BIGBANG好きだったけど、結局行き着いた先はG-DRAGONというソロアーティストだったように、個々の能力みたいなところにいちばん惹かれるのかもしれないです。いまあげた3人って、全然違う人ではあるんですけど、「カッコいい」の定義は結構似てるなと思っていて。誰が、というよりは、あの格好良さが個人的には凄い好きです。あと藤井風さんの『HELP EVER HURT NEVER』(2020年)というアルバムの何曲かは「うわ、マジで天才だ」なんて。演歌みがあるというか、最初はソウルだと思ったんですけど、ソウルと演歌って確かに似てるかなって。

──たしかに。あのアルバムは、60年代の頃のソウルミュージックや演歌に通じる感じがあって、それを2000年頃のJ-POPのコード進行がいちばん複雑だった時の感じでまとめてる、というふうに思いました。

VivaOla:そうですね。土属性感というか、郷土感、泥臭さみたいなのが凄い良いなと思って。R&Bって水属性っぽいと思ってて、結構どのジャンルにも爽やかに適応するというか。ヒップホップは炎みたいな感じなんですけど、ソウルは土ですね。安心します。

──なるほど。いまお名前が挙がったDEANは、『130 Mood: TRBL』(2016年)が今回のVivaOlaさんのアルバムにもコンセプト的にも通じるのかなと思って聴いていたのですが、そういうことは特にないですか?

VivaOla:どうなんだろう…。あの作品を聴いてると、DEANも決まったエンディングじゃなくて「何があったの?」的なオープン・エンドが好きなのかなって思いますね。そこは自分と共通してると思うんですけど、仄めかしてる内容が違うというか。僕がしたかったのは、音楽シーンの葛藤を恋愛に繋げたり、恋愛としてこの人はこの先どこへ向かうのかっていう岐路というか可能性みたいなのを仄めかしているんです。でも、DEANは個人的に殺人を仄めかしていると思っていて。相手が死んだのか、相手の次の彼氏が死んだのかみたいなとこで。僕はちょっとそういうことを書ける人じゃないんですけど、あれはあれで格好良いと思います。

──あちらは時計の針が逆に回る的な構成でそこは違いますが。

VivaOla : そうですね、アウトロから始まるので、『130 Mood: TRBL』は確かに逆回りですね。それを意識したのは、去年出した自分の「nocturnalis(2020年)っていうシングルのときです。あれは『Juliet is the moon』を作る上での試作みたいのだったんですけど。フランク・オーシャンの『Blonde』とか、あれは真ん中で折り曲げるコンセプトじゃないですか。“blond”のスペリングが違うとか、仄めかしているテーマはジェンダー観についてだったけど、DEANに関しては、あれはジェームズ・ディーンの物語から取っているわけで。それで、自分が何をできるかな、という時にそのふたつは研究しましたし、形は真似ました。

──なるほど。では最後に、切磋琢磨している仲間や意識しているライバルなどがいらっしゃれば教えてください。

VivaOla:切磋琢磨している仲間は、やっぱりSolgasaの人達ですね。Solgasaは飲み仲間に近いというか、明日会ってもまた仲良しだみたいな安心感があります。あと、nonomiは、いちばんインスピレーションを与えてくれます。僕がDef Jamだったら彼がリック・ルービンですね。自分ひとりで制作するよりもnonomiくんとやる方が500倍楽しいんですよね。言葉を介さず、どっちかが一瞬なにかを追いかけると、もうそれをすでにやっていることみたいな。nonomiと一緒につくった“Not Enough For You”も、デモまで一応作って、「こんな感じで急にブレイクビーツに行きたいんだよね」と彼に言ったら、いきなりベースを弾きだして、ドラムを叩いて、あの最後の部分を送ってきて。個人的には衝撃だったんです。狙ったというか狙われましたね。

編集 : 梶野有希

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ライヴ情報

VivaOla「Juliet is the moon」Release Party

11/20(土)@渋谷WWW OPEN 17:00 / START 18:00 出演 : VivaOla GUEST : YonYon / and more

オフィシャル先行 期間:9/1(水) 18:00〜9/12(日)23:59 ¥3,500-(税込/オールスタンディング/1Drink別)

■申し込みサイトhttps://eplus.jp/sf/sys/comingsoon.html

PROFILE : VivaOla

VivaOlaはR&Bシンガーソングライター/プロデューサー。R&Bをはじめとし、ヒップホップやネオソウルなどの様々な音楽から影響を受けている。2019年5月に初セルフプロデュースEP「Bloom」をリリースし、翌年の2020年6月に初セルフプロデュースアルバム「STRANDED」をリリース。
 彼は東京を拠点とする音楽・アートコレクティブ「Solgasa」の一員。メンバーは彼の他にWez Atlas, Tommi Crane, michel koと、どれも今期待されている若手アーティスト達である。
 ■公式HP:https://friendship.mu/artist/vivaola/
■公式Twitter:https://twitter.com/viva0la

この記事の編集者
梶野 有希

1998年生まれ。誕生日は徳川家康と一緒です。カルチャーメディア『DIGLE MAGAZINE』でライター・編集を担当し、2021年1月よりOTOTOYに入社しました。インディーからメジャーまで邦ロックばかり聴いています。

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