「作って壊して」を繰り返さなきゃいけない
──今回は曲作りの組み合わせも様々でより楽しみが増えたと思います。ラストの“Slow dance”はpeppeさんと穴見さんの共作曲で、“ピンクブルー“と双璧を成す感じでカッコいいですね。
穴見:これは“Mela!“とか“キャラクター“みたいな、「みんなで作ろう」っていう曲のひとつで。必ず「こういう感じの曲を作ろう」っていうテーマがあるんですけど、今回は、いままでのリョクシャカらしいところから1回ちょっと離れたというか、リョクシャカがこういうのやったらカッコいいかもねみたいな曲を目指しました。最近のニューウェーヴ感というかヒット曲にもよく出てくるような、そういうニュアンスを踏襲して曲を作れないかと思ってふたりでスタジオに入って作りましたね。
peppe:メロディーの感じも、「ちょっと英語入るかな」っていう、洋楽が結構体に染み込んでいるふたりではあるので、グルーヴ重視で作っていけたら、と。作り方は“Mela!“とか“キャラクター“と一緒でした。イントロを出してそこからふたりでメロディーを広げてったり構成を考えたりっていうところで。アルバムに絶対こういう作り方の曲は入ってくるなあっていう(笑)。
──90年代のシンセポップとEDM以降のサウンドや構成が出会ってる感じですね。
小林:コーラスのゾーンとかイントロはコールドプレイ感があるけど、それ以外はニュー・ウェーヴ。
穴見:2Aからわりと2015年以降になってくるよね(笑)。
──おもしろいです、すごく。リョクシャカで踊りまくる場面も出てきそうな。
穴見:なるかなあ(笑)。
──爆上がりじゃなく、切なくなりながら踊れる感じと言いますか。
peppe:そもそもやっぱ踊りとかが生まれたルーツって、なにかを祀ったりとかそういうものじゃないですか。ダンスって楽しいとかそういうポジティヴなものだけではないじゃないし、もはやこうあるべきだなってちょっと思ってて。
小林:レクイエム?
peppe:そうそう。踊りっていうものの根源に帰った感じというか、そういう踊り方ができたらこの曲はいいのかなって思います。
──1曲目の“ピンクブルー“から“Slow dance”まで円環をなす感じがしますね。
長屋:そうですね。やっぱりアルバムとしてつなげて聴いてほしい気持ちはすごいあります。
──そして、作曲ももちろんですがアレンジも込みで聴かせるっていうことに関しては新たなスタンスなのかなと。
穴見:向かいたい方向がわりと最初から決まっているような曲が多かったというのと、今回編曲に僕も携わらせてもらった部分もあるのかなとは思いますけど。
長屋:単純に編曲の関わる面の多さが前より増えたし、真吾が編曲に入ってくれることで単純にレスポンスがしやすいですね、イメージの共有みたいなのが。
──それはすごく大きいかもしれないですね。
長屋:大きいと思います、本当に。今回はそういう曲が多いからこそ真吾の与える影響力は大きいですよね。
──最初におっしゃっていたように、新しくあるためにこれまでのイメージを壊すっていうことが実現したアルバムなんじゃないでしょうか。
穴見:多分(バンドを)長くやっていくと、「作って壊して」を繰り返さなきゃいけないんですけど、それの第一弾ですね。
編集:梶野有希
緑黄色社会のコアなポップ魂を感じる新作
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ライヴ情報
全国ホールツアー〈pink blue tour 2023〉
5月20日(⼟) / 5月21日(⽇) 愛知|愛知芸術劇場⼤ホール
5月26日(⾦) / 5月27日(⼟) ⼤阪|フェスティバルホール
6月2日(⾦) 北海道|カナモトホール(札幌市⺠ホール)
6月4(⽇) 茨城|ザ・ヒロサワ・シティ会館⼤ホール
6月10日(⼟) / 6月11日(⽇) 福岡|福岡サンパレス
6月15日(⽊) 東京|東京国際フォーラムホールA
6月17日(⼟) ⼭梨|YCC県⺠⽂化ホール(⼭梨県⽴県⺠⽂化ホール) ⼤ホール
6月21日(⽔) 京都|ロームシアター京都
6月24日(⼟) 新潟|新潟県⺠会館⼤ホール
6月25日(⽇) ⽯川|本多の森ホール
6月29日(⽊) 宮城|東京エレクトロンホール宮城(宮城県⺠会館) ⼤ホール
6月30日(⾦) 岩⼿|盛岡市⺠⽂化ホール⼤ホール
7月4日(⽕) 三重|四⽇市市⽂化会館
7月7日(⾦) 静岡|静岡市清⽔⽂化会館マリナート⼤ホール
7月9日(⽇) 東京|J:COMホール⼋王⼦
7月14日(⾦) 広島|上野学園ホール
7/16(⽇) ⾹川|レクザムホール(⾹川県県⺠ホール)
PROFILE : 緑黄色社会
愛知県出⾝4⼈組バンド。愛称は“リョクシャカ“。⾼校の同級⽣であった⻑屋晴⼦(Vo / Gt)、⼩林壱誓(Gt)、peppe(key)と、⼩林の幼馴染・⽳⾒真吾(Ba)によって2012年結成。2013年、10代限定ロックフェス〈閃光ライオット〉準優勝を⽪切りに活動を本格化。2018年、ファースト・アルバム『緑⻩⾊社会』をリリース。以降、映画・ドラマ・アニメなどの主題歌を多数務める。2020年に発表したアルバム「SINGALONG」は各ランキングで1位を獲得。リード曲「Mela!」は、ストリーミング再⽣数が2億回を突破する代表曲に。結成10周年となる2022年は、アルバム「Actor」を引っ提げた⾃⾝最⼤規模の全国ツアー“Actor tour 2022”を開催。9⽉には初の⽇本武道館公演〈緑⻩⾊社会×⽇本武道館“20122022”〉を成功させ、年末には「第73回NHK紅⽩歌合戦」初出場するなど躍進。⻑屋晴⼦の透明かつ⼒強い歌声と、個性・ルーツの異なるメンバー全員が作曲に携わることにより⽣まれる楽曲のカラーバリエーション、ポップセンスにより、同世代の⽀持を多く集める。
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