バイオリンの音にエフェクトをかけるんじゃなくて、バイオリンの音を元にシンセが鳴ってる
──ユウさんの曲のイメージを他の皆さんがうまく受け止められたんですね。
田中:ユウちゃんが「またおもしろいの送ってきたな」と思ったところからはじまって、メロディと言葉とユウちゃんの歌を受け取った瞬間に、なにをやるべきか自分の体のなかに入ってきてる感じがします。そこから一旦アレンジして、そのプリプロをベースに弦のふたりがスタジオで好き勝手にやる(笑)。
須原:これを最初に録ったのかな? この曲はユウちゃんから、ここはこう(演奏して)って指定があったり。
ユウ:ああそうだね、私が作ったデモに弦を入れてた。
須原:だから、ユウちゃんが書いた弦の上に重ねたりとか、ハーモニー的なところはスタジオでやりながら進めて。メロディ足したり、ソロパートもデモからだいぶ増やしてったかな。今回、私はエフェクターをすごく使っていて。前作との違いはそこですね。前作はエフェクティヴなことは後から一志さんにかけてもらったりしたんですけど、今回は全部リアルタイムで音を作りながら録ってった感じ。で、エフェクターがハマるなみたいに思ったのが、この曲だった。
──スタジオのスナップに、足元のエフェクターのがありましたね。
林田:エフェクター、ユウちゃんがいちばん少なかったもんね(笑)。
ユウ:そうなんですよね。私あんまり使う方じゃないんで。みんながすごいいっぱい使うからびっくりしましたね。
林田:でもいちばん歪んだ音が出てたけどね(笑)。エフェクターの具合とか音色とかも、互いにもう少しこうした方がいいんじゃないかとか言いあって、人の音もいじる、みたいな。そういうのは、ひとりじゃできないね。
──弦の存在感がメチャメチャありますよね。
須原:確かに(笑)。ユウちゃんのテンションに敢えて合わせないっていうか。それがYAYYAYの特徴のひとつというか味になってると思います。絶対イナたい感じにはしないというか。
林田:僕は結構ギターと同じバッキングみたいな、ベース・ラインみたいなのがあったんで、この曲はギターと揃えてましたね。これを録った日は機材を預けてて手元にチェロしかなかったんで、生音で攻めようってことで、これはなにもかけてない。
須原:この曲はチェロが先に録っていて、次の日あたりに私が参加して、コントロール・ルームでみんなに聴いてもらいながら、馴染む感じのバランスを作って言った感じ。私はこの曲、歌謡曲もそうだけど、ドラマ『東京ラブストーリー』みたいなダサかっこいいみたいなイメージがあって、シンセギターのエフェクトをバイオリンで使ってて。
田中:だからバイオリンの音にエフェクトをかけるんじゃなくて、バイオリンの音を元にシンセが鳴ってる。
須原:サビとかに上の方で入ってる。バイオリンの音にちょっと遅れてくっついてきてる、バイオリンのエフェクトの音だったり、あれは私の『東京ラブストーリー』感(笑)。最終的にマスタリングで上げてくれてて、すごい満足してます。
林田:僕はユウちゃんらしさが強い曲だったので、その世界観を、どこまで守りつつ崩して行くみたいな。やって行く段階で、もうちょっとおもしろいことないかなと思って。コーラス入れたのこれだっけ?
ユウ:そうそう。
林田:最後のサビ、俺が歌ってみようかなとか。ギター・ソロ入れないみたいなんで、俺がギターを適当に弾いて、ユウちゃんにこういうのやってって言ったらカッコいいのを弾いてくれたんで。そういう、世界観守りつつちょっと崩していくみたいなことはやってましたね。
ユウ:クレイジーな感じで、グジャグジャグジャ〜みたいのを入れたらどう?って。
林田:あのユウちゃんのギターが俺、このレコーディングでいちばん気に入ってる(笑)。
ユウ:このメンバーで2回目だから、みんながなにができるかとか、普段どうなのかとか、まだあんまりわかんないから、JPが「これコーラス入れてみよっかなー」とか言って、「えっコーラスもできんの?」って驚きがまずあって。できるんだーって、みんなの伸びしろが今回わかった。まだいっぱいあると思うんだけど。