友達と以外、バンドは出来ないと思ってる
──メンバーにVJがいるというのは?
Ryosei: Ryomaをメンバーとして迎え入れたっていうのは、VJも、SNSとかも、写真、ジャケット、ミュージックビデオとかも、全部込みでプロデュースできる人間がいた方がいい、っていうのがあったんで。
──専属のスタッフじゃなくて、メンバーというのがおもしろいなあと。
Ryoma Matsumoto(VJ)(以下、Ryoma) : バンドの概念っていうのが変わってきてる、っていうのは思ってます。
Ryosei : 友達なんで。友達と以外、バンドは出来ないと思ってるんで。うちの場合だったら、ベースが抜けて、ベーシストを探してたんですけど、ベーシストの友達がいなかったんで、ギター弾いてたKeisho(Maeda)を入れたんですよ。友達だったんで。それだけですね、理由は。友達としかバンドやりたくないし、やる必要ないし、というのは、ずっと思ってます。
──「Wasting of my love」とかの初期の曲、いま聴くとオーソドックスなバンドっぽいですよね。どのへんから変わりはじめたんですか?
Ryosei: どのへんやろなあ……同じような曲を作ってもしゃあない、っていうような気持ちは、あるんで。スタジオで、バンドサウンドで作ってると、ギターとベースとドラムがあったら全然足りるんですけど、パソコンで作ってる時って、それじゃ足りひんような気はするんですよ。いくらでも入れれるし。こんな曲作りたいなっていう曲に出会ったときに、影響も受けるし。
──そういう意味で参考になったり、ショックを受けたりしたバンドはいました?
Ryosei: あ、THE 1975に、高校3年ぐらいで出会うんですけど……死んだ人の音楽ばっかり聴いてたって言ったじゃないですか? でもそのときに、ほんとに久しぶりに、生きた人間のファンになったんですよ。めちゃめちゃ憧れて。でも真似は……たまに「京都のTHE 1975」とか言われるんですけど。それは実はすげえハズいっていうか、「まだまだやな」って。褒めてくれてると思うんですけど、僕はTHE 1975にすごく憧れたんで、逆に「そう言われへんようにがんばろう」って。THE 1975は、現代のバンドで、「あ、まだバンドをやる価値あるんや」と思わせてくれたバンドですね。
Ryoma : ライヴの作り方とか、空間としての演出のしかたとかも、僕もみんなと出会う前から、THE 1975は好きで。あのエンターテインメント性は、すごい……アリーナとかでやりたいと、僕は思ってるんで。僕の頭のなかでは、VJを作るときには、めちゃめちゃでかいところの景色があって、いまはそれをライヴハウスの大きさに閉じ込めてるっていうか。
Taito : 最終的にはそういう、ギグじゃなくてショーがやりたい、っていうのはありますね。
──バンドが軌道に乗りはじめたというか、動員とかの面でもうまくいきはじめたのは──。
Ryosei : いや、まだそんなうまくいってないですよ。めちゃめちゃバイトしてます、全然ダメです。がんばります。
──(笑)。そうか、失礼しました。
Ryosei : とりあえず、知名度が足りてない気がします。評価されたいですね、もっと。よくメンバーと話すんですけど、YouTubeでミュージック・ビデオを上げるんですけど、Badが全然付かないんですよ。好きな人しか観てないってことなんですよね、これ。
──でも、評価されるまで、そんなに時間がかからない気がしますけどね、新作を聴くと。
5人:………。
──ZOOM越しに黙られても(笑)。
Ryosei : ほんとですか?
Taito: わかりにくくないんですかね? 新しいものを作りたくて、新しいものを作ってる意識はあるんですけど、やっぱり、わかりにくいんかなあ? って思うときはあります。
──わかりにくいとは全然思わないですけど、まあ確かに、いまのわかりやすい売れ筋のバンドのフォーマットには、全然乗っかってないから。
Ryosei : そうですね。
Taito : それがいちばんやりたくない。
Ryosei : 流行りの俳優と流行りの女優が出てきて、流行りの音楽が流れてて、「これで売れるんだろ?」みたいなんが、すごいイヤで。映画館、よく行くんですけど、予告編で何本もそういうおんなじようなやつを見せられるじゃないですか。あれにどう立ち向かうか、みたいなのを、ずっと考えてます。