WORLD STANDARDの10thアルバムをHQDで販売開始!
四半世紀を超えるキャリアの中で、数多くのミュージシャンが在籍し、今なお新たな音楽と才能を輩出し続ける鈴木惣一朗率いる音楽集団WORLD STANDARDから、最新アルバムが到着! 鈴木惣一朗が立ち上げたレーベルstellaの第3弾作品となる本作は、2011年3月11日を挟んで制作された7つの日本語歌と、7つのインストゥルメンタル音楽を収録。メンバーのリヴィング・ルームで、身を寄せ合うように奏でられた14の音の響き。それらを伝えるためにこだわり抜かれたスルーテイク・レコーディングと、アコースティックな楽器編成によるサウンドで、音の深い部分まで潜り込んでいってみましょう。
WORLD STANDARD / みんなおやすみ
【収録曲】
1. クリスマスのうた~希望に満ちたジュリエッタ~赤鼻のトナカイ
2. ねむりのつばさ
3. この素晴らしい世界
4. エレニの旅
5. 小さな祈り~ジェルソミーナ
6. アンダルシア
7. 遠い声 遠い部屋
8. 禁じられた遊び
9. 永遠と一日
10. マルメロの陽光
11. 雪と花の子守唄
12. きらきら星
13. 一日と永遠
14. みんなおやすみ
【販売形式】
mp3 : 1800円 / wav : 2200円 / HQD(高音質wav) : 2500円
穏やかな時間、静かな意思
近年では羊毛とおはなやハナレグミなどのプロデュースでも知られる鈴木惣一朗。その彼を中心として80年代から活動しているグループWORLD STANDARDが10枚目のアルバム『みんなおやすみ』をリリースする。その音楽性はとても多様だが、各地の民族音楽やクラシックをポップスとして統合し、奏でるという方向性は一貫している。ポップスは経済的に発達し、並行して伝統や共同体が解体されていく社会で生まれる商業音楽ではあるが、同時に誰でも親しむことのできる普遍的な音楽様式を獲得している。しかし、当然、そこには民族音楽独特の人間がそこに生活して存在している「気配」のようなものは薄くなってしまう。そこで、ポップスの親しみやすい様式に各地の民族音楽やルーツ・ミュージックを再帰的に落とし込むことで、もっと現代に適した形で「気配」を表せないかという挑戦と成果がWORLD STANDARDの音楽には常にある。こうしたテーマは彼らの活動の初期から関わっている細野晴臣とも共通する点であり、活動のきっかけになったというイギリスのグループPenguin Cafe Orchestraからも受け継いだものであると思う。
このPenguin Cafe OrchestraはBrian Enoのオブスキュア・レーベルからデビューしているが、Enoはよく知られている通り、アンビエント・ミュージックの創始者だ。アンビエントは音が聞き手に対して主張せず、その場にただ音が存在することだけを目的とした音楽だが、Penguin Cafe Orchestraにもその感覚が確かにあり、WORLD STANDARDにも感じられる部分でもある。WORLD STANDARDの多くの楽曲はインストで、歌があっても日本語ではない。実際に鈴木惣一朗はファースト・アルバムをリニューアルして再発した『音楽列車』の解説で、言葉の意味によって聞き手が音から受けるイメージを制限したくなかったという旨の発言をしてもいる。これはより効果的かつ普遍的に「気配」を感じさせるためであるだろうし、2010年の前作『シレンシオ(静寂)』はJuana Molinaをはじめとするアルゼンチン音響派の手法を取り入れてそのことに取り組んだアルバムだった。しかし、今作『みんなおやすみ』では14曲中7曲が日本語で歌われている。ここには人により直接的にイメージを伝えることをいとわない、はっきりと意思を持った変化がある。
だが、WORLD STANDARDの今までの姿勢を一変させたというわけではない。あくまで彼らの音楽性の延長線上にある変化だ。例えば5曲目「小さな祈り~ジェルソミーナ」では「小さな祈りをメロディにのせて/空には雲/命はここに」と歌われている。確実に誰かに向けられてはいるものの、寄り添うようなニュアンスで彼らの今までのテーマがメッセージとして明確化されている。そんな歌と同様に、ダビングを用いずにすべての録音を9人のメンバーで同時に演奏して録られたというサウンドはとても穏やかで、演奏者の息遣いが感じれらるようだ。そこには時代性に合わせに行くような性急さはなく、静かな意思がある。『みんなおやすみ』は音楽のあり方について、彼らなりの答えをそっと投げ返しているのだ。(text by 滝沢時朗)
RECOMMEND
WORLD STANDARD / シレンシオ(静寂)-OTOTOY ver.-
3年間の長期レコーティングを終えてリリースした前作『シレンシオ(静寂)』。OTOTOYでは、CD収録曲の中から10曲に、CD未収録の「逝く夏」を加えた全11曲をオリジナル・ヴァージョンでの販売。祈るように語りかけるポルトガル語の柔らかな響きをどうぞ。
★アルバム購入者には、デジタル・ブックレットをプレゼント。
V.A. / おひるねおんがく
『りんごの子守唄』、『雪と花の子守唄』など、子守唄(=眠りのための音楽)というキーワードのもと、数々の人気シリーズを手掛けてきた鈴木惣一朗監修/選曲の、シアワセなおひるねのための小品集。晴れた午後。縁側に干してあるふかふかの布団にくるまって、おひさまの匂いに包まれた「うたた寝」の至福。おひるねの記憶を蘇らせ、聴き進むうちに、いつのまにやらうつらうつらしてくる、穏やかな時間が流れています。
miaou / The day will come before long
前作から3年。miaouの4thアルバムが完成。エレクトロニクスとポスト・ロックをかけあわせたダイナミックなサウンドは、ドリーミーな心地よさと緊張感が両立するmiaouだけのもの。今作にはともに日本ツアーをまわったepic45のBen HoltonやRadical Faceがゲスト参加し、アルバムのミックスもqueことCornel Wilczekが担当。この日本発信の世界基準のポップ・ミュージックをOTOTOYは高音質、HQD(24bit / 48kHzのWAV)で配信。
『みんなおやすみ』発売記念コンサート〜日曜日の教会で みんなおやすみ〜
鈴木惣一朗率いるWORLD STANDARD、結成28年目にして10枚目のオリジナル・アルバム『みんなおやすみ』(10/13発売)のリリースを記念して、新生WORLD STANDARD総勢10名、フル編成での教会コンサートを開催します。一週間の締めくくり、おだやかなおんがくと共に、こころ静かな日曜日の夜をおすごしください。
日時 : 2011年10月23日(日)
18:00開場 18:30開演
会場 : 早稲田奉仕園 スコットホール(講堂)東京都新宿区西早稲田2-3-1
チケット : 前売り¥3,000/当日¥3,500
PROFILE
WORLD STANDARD
(アルバム収録メンバー)
鈴木惣一朗 ギター、オルガン
神田智子 歌、アコーディオン、オルガン
安宅浩司 バンジョー、エレキ&スティールギター、ベース
中島久美 ヴァイオリン、ヴィオラ
伊賀航 ウッドベース
武嶋聡 クラリネット、フルート
三浦千明 コルネット
藤原マヒト アコーディオン
田中佑司 メタルフォン、トイピアノ
【鈴木惣一朗 a.k.a. WORLD STANDARD】
1983年にインストゥルメンタル主体のポップ・グループ WORLD STANDARDを結成。細野晴臣プロデュースでノン・スタンダード・レーベルよりデビュー。1995年、ロングセラーの音楽書籍『モンド・ミュージック』で、ラウンジ・ミュージック・ブームの火付け役として注目を浴び、97年から5年の歳月をかけた「ディスカヴァー・アメリカ3部作」は、デヴィッド・バーンやヴァン・ダイク・パークスから絶賛される。近年ではビューティフル・ハミングバード、中納良恵、ハナレグミ、羊毛とおはな等、多くのアーティストをプロデュースする一方、2011年夏、自身の音楽レーベルStellaを立ち上げ、コンピレーションCDシリーズ『おひるねおんがく』『おやすみおんがく』をリリース。2011年10月13日、WORLD STANDARD10作目となる最新アルバム『みんなおやすみ』をStellaよりリリース。10月23日にはスコットホール(東京/西早稲田)にてWORLD STANDARD『みんなおやすみ』発売記念コンサート〜日曜日の教会で みんなおやすみ〜を開催する。