これがいまなお刻まれる京都のサウンド...
少年ナイフ、DMBQ等にも所属した凄腕ドラマー故Chinaも所属した奇跡のバンドJesus Fever。京都から関西、そして全国へ... 人々に強い衝撃を与え続け伝説となった彼女等が吐き出したあまりに透明な音が、今なお人々の皮膚に染み入る。
Jesus Feverの音を高音質のHQDで。アルバム購入者には、ボーナス・トラック「see you again」、さらに寺島みどりが描いたジャケット画像とFMN SOUND FACTORY石橋正二郎の解説付き。
「祝・発売」Jesus Fever 2nd CD - lemniscate
『lemniscate』のレコ発が決定しました。Jesus Feverに所縁のバンドが、奇跡の2nd albumを祝います。
2010年12月11日(土)@UrBANGUILD(京都市中京区木屋町三条下がるニュー京都ビル3F)
Convex Level
Limited Express(Has Gone?)
drillman
VAMPIRE!
+スペシャル・シークレット・ゲスト有り
OPEN 18:30 / START 19:00
adv.2000 yen / door.2300yen(with 1drink)
空だけが何も言わない
京都のインディー・ロック・シーンにその名を残すバンドJesus Fever。そして、今年の4月にリリースされた彼女達のデモ音源 『lemniscate 1』はその枠内に留まるバンドではない。彼女達の得がたさは、そこに加えて関西の「うたもの」の感覚を根底に持っていることにある。
「うたもの」と言えば、故人であるJesus Feverのドラマー・Chinaも参加していた山本精一率いる羅針盤を筆頭に90年代後半から盛り上がり、アンダー・グラウンドながらロックやフォークにおける歌を再定義した流れだ。現在でも長谷川健一などをはじめとした根強い支持がある。「うたもの」は捉えどころの難しい言葉だが、普段からコミュニケーションに使われる声を音楽における感情移入の入り口にするだけではなく、独特な歌い方や音響面からのアプローチによって、人間の社会の外にある世界をあぶりだす方法だとここでは考えよう。そのやり方はアーティストによって様々だが、関西のアーティストによる「うたもの」は、特に「うたもの」らしいと感じる。彼らは歌を透き通らせることで「うた」にする。
例をあげると、やはり山本精一のフラット唱法がわかりやすいだろう。普通に歌えば感情移入を誘うことに優れたポップスのメロディを、できるだけ感情的な熱をなくして歌うことで、メロディ・ラインという器のみを感じさせる。そうした空洞化した感情から聞き手が直感するのは、人間がただ理由もなくなぜかそこにいる、という底の抜けた世界のあり方だ。 山本精一はそれを「気配」と呼んでいたが、関西のエレクトロニカの代表格・竹村延和も『ソングブック』で似たような方法を取っているし、関西の「うたもの」には共通の感覚があるのだろう。そして、Jesus Feverの音楽がはらんでいるのも同質のものなのではないだろうか。 だが、彼女達のサウンドの中心は歌ではなく、演奏にある。最初にスロウ・コア/サッド・コア的な音だと書いたが、同系統のバンドとJesus Feverの曲が大きく違うところは、1曲が10分以上の長尺であることだ。同じフレーズをミニマムに繰り返すことで、誰もいない浜辺で波をひたすら見続けているような、無心の状態に聞き手を導くのだ。
そこに時折、浮かんでは消えいるようにヴォーカルが入る。そのサウンドはバンドの演奏から関西の「うたもの」と同じ境地に辿り着いているようだ。ちょっと遠回りしてJesus Feverについて書かせてもらったが、彼女達の歌詞でもっともその音をよく表している一節がある。「空だけが何も言わない」。『lemniscate』の最後の27分に渡る大曲「Unseen」の終わりにつぶやくように歌われるこの言葉のように、Jesus Feverのサウンドはただ広がり続ける。
text by 滝沢 時朗
澄んだ「理由なき音」を奏でる表現者達
PLAYGROUND / 山本精一
凶器なる奇才=山本精一の約6 年ぶりとなる「歌」世界。山本精一が今ただ歌いたい唄と出したい音をなんの衒いも無く、純度を保ったまま 送り出す。いつもと変わらぬ山本精一の歌世界を本人のギター/ ベース、そして千住宗臣(ドラム/ パーカッション、PARA/ ボアダムス)が巧みに支える。稀代な るシンガー/ アーティスト山本精一の何も隠さぬ歌、優しさの中に潜む麻薬を聴け。 、、、、紛れもなく羅針盤が指した世界がここにある。
震える牙、震える水 /長谷川健一
正に魔都京都から届けられた最後の歌とでも言おうか。二階堂和美、七尾旅人、トクマルシューゴなど良質なアーティストをご紹介しているPヴァインがお届けする最後のシンガー。歌が純粋に歌として響くことの素晴らしさを思い起こしてくれるシンガー・ソングライター長谷川健一。繊細で冷たい穏やかな光が暖かく震えながら降り注ぐ誰にも真似できないハセケンの世界。その官能的で優しくも切ない叫びは聞くものを別世界へと誘う。
convex level / New Moon 1st Contact
Jesus Feverの先輩であり、京都の1時代を築いたバンドCONVEX LEVELのオリジナルとしては10年ぶりの新作アルバム。名曲「You Are The Alien」や「What's Going On」、そして大名曲の「Another Man」等、彼らの10年の軌跡が惜しむことなくコンパイルされています。もしあなたが音楽好きならば、彼らの音楽に一度触れてみる事をおすすめする。ポップとは、これほど斬新なのである。
LIVE JUNK / Limited Express (has gone?)
Limited Express(has gone?)が、ライブ音源『LIVE JUNK』をリリース! 本作は、2010年4月25日に下北沢THREEにて行われたイベント"LIVE JUNK”でのライブの模様を収録したもの。昨年リリースしたアルバム『LTD』収録曲を中心に、未発表の新曲を含む全12曲が披露されました。ototoyでは、HQD(24bit/48khzのwavファイル)での販売。ミックス&マスタリングは、高橋健太郎が担当しました。現在の彼らのグルーヴが存分に発揮されている、衝動に溢れた音と緊張感が伝わるライブならではの空気を、是非。生々しさが、尋常じゃない!
PROFILE
Jesus Fever
Okazawa (guitar)1970生れ
NON (guitar, vocal)1970生れ
China (drums)1971年生れ
1993年、NONとOkazawaが在籍した前身グループが解散し、京大西部講堂前の空き地ライブに2人で出演していたそこにたまたま通りがかったChinaが2人のライブを目撃し、そのまま加入。Jesus Feverが誕生した。初期のサウンドは女性Voガレージ・ギター・ポップといったところだが、最初から一貫してベースはなかった。確か、その頃の音源をまとめたカセット・テープが1タイトル存在すると思う。その後Okazawaは1本のギターから、2つの全く違った音作りをしてそれぞれ別のアンプに出し、あたかも2つの楽器を同時に弾いているようなスタイルを生み出す。1998年にCD『dozens of great views』発表。日本各地での精力的なライブ活動を開始する。このころからバンド・サウンドはさらに空間的に、NONのギター、Chinaのドラムもシンプルかつ1音1音の意味が大きくなって行く。8年の歳月を経て発売される『lemniscate 1』は彼らが最も頻繁にライブ活動を行っていた2000〜2002年頃、彼らの新たな(そして最後の)スタイルが確立された時期の貴重なスタジオ録音である。2004年4月のライブを最後にJesus Feverは活動を停止。
China
古巣のJesus Feverの他に、羅針盤、少年ナイフ、DMBQ、drillman、droop、M.S.A.Y.A. … などなど、ホントに数多くのバンドのドラマーとして活躍し、そのおおらかなプレイ・スタイルが数多くのミュージシャンやファンに影響を与えた。Chinaは2005年11月4日DMBQ米国ツアー中に自動車事故に遭い帰らぬ人となった。
Jesus Fever『lemniscate』公式サイト https://ototoy.jp/feature/jesusfever
『lemniscate』発売にあたり、多くのコメントがミュージシャンから寄せられました。
our favorite Jesus Fever ジーザスフィーバーへ愛を込めて