神経内科医マサキ・サカモトと、アトム・ハート(セニョール・ココナッツとしても知られるチリの鬼才)によるキッチュなポップ・スウィーツ! スペシャルなユニットによる初のオリジナル・アルバムを高音質のHQDでどうぞ!
ATOM & MASAKI SAKAMOTO、この二人のエレクトロニック・ミュージックのアーティストは、新しいけど懐かしいような、地球人のような宇宙人のような、そんな本当は誰にでもある曖昧な領域を本作『Alien Symphony』で音楽として作り上げた。この楽しいけど、ちょっと遠くに思いをはせてしまう電子音楽物語の世界について語ってもらった。
インタビュー&文 : 滝沢時朗
配信版アルバム『METEOR SHOWER from "Alien Symphony"』は、アルバム『Alien Symphony』(9章全41曲)を、各章ごとにまとめた、CDとヴァージョンの異なる作品です。ototoyでは、24bit/44.1khzの高音質HQDでお届けします! アルバム購入者には、ジャケット画像をプレゼント。
INTERVIEW
——2007年に出された『Endotones』でもアトムさんと2曲共作されていましたが、アルバム一枚作ることになったいきさつを教えていただけますか?
僕が最初SL@yRe & The Feminine Stoolξっていうユニットで作ったCDをもっとも好きな人に送ってみようと思って、アトムに送ってみたんですね。そしたら、返事が来て、何通かメールのやり取りをして、まあちょっと曲のメールのやり取りをしてみようかっていうことになりました。それを一回ずつやって、交換した曲をそのまま『Endotones』に入れました。それから彼が、僕達だったらものすごく長い一続きの流れのある曲、アトムからのメールにはLong flow musicって書いてあったんだけど、そういうものが作れると思うからやってみないか? って言ってきて。今回のアルバムの誘いは彼から来たんですね。まあその頃はここまではっきりしたコンセプトはもちろんなかったんだけども、とにかく長くて一続きの音楽を作ってみようっていう話が彼からありました。
——『Alien Symphony』のコンセプトはどのように決められたんですか?
メールのやり取りの中で決まりましたね。最初にある程度形のある曲として何曲か作ったんですよ。どの曲の後に何が来るとか、そういう大きな流れは置いといて、とりあえず二人の気持ちが赴くままに何曲か作ったんです。それを、曲のタイトルとかも決まらないうちに、どれがどんなイメージを持っていて、どの順で曲を並べていくかということを考えながら、間にトランジションになるようなパートが必要だとか、この曲は1回分けて後ろにもう一回来たほうが良いとか、そういう相談をして一連の流れを作っていったんですよ。最初は一曲づつある程度少し形になるものを作って、それから全体の構成を考えていったということになります。
——では、今作『Alien Symphony』の制作はWeb上のやり取りだけでやられたんですか?
ほぼメールのやり取りなんですが、直接会って決めなければいけなかったこともありました。『Alien Symphony』は全41曲を9章に分けるという構成をとっていて、それは曲の長さがトータルで同じだとしても、10曲作る場合とは全然違うんですよ。最終的にどういう風に全部の曲をまとめて完結させるかというテクニカルな面はメールだと話がし切れなかったので、実際にアトムと会って決めました。
——曲のタイトルや歌詞を見ているとなにかしらのストーリーが想像できるんですが、これはどのように作られていったんですか?
お互いにインスピレーションで、結構行き当たりばったりに決まっていきました。最終的に曲のタイトルや各章のサブ・タイトル、全曲の流れが出来たところで、タイム・コードを打っていく作業をする段階になったんです。そこで、どこに打とうかっていうことをアトムに相談したんですよ。それで、とりあえずサカモトさん打ってください、それでサブ・タイトルつけてくださいってことになったんですね。僕がそこでちょっとしたつじつまが合うような、ストーリーが見えるようなサブ・タイトルをつけて送り返して、そしたらまた彼が追加したり直したりして送ってきて、っていうやり取りを一回ずつやったぐらいですんなり曲のタイトルは決まって、全体の流れもそれでつじつまが合いました。
——最初からお二人の間で、こうしようというような方向性はありましたか?
元々、「エイリアン / エイリアニズム」「ユーモア」「エロティシズム」っていうキーワードが大きな軸としてずっとありました。まず最初に「エイリアン / エイリアニズム」から説明するんですけど、なんでそんなワードが出たかっていうと、「エイリアン」って「宇宙人」って意味もあるけど「外国人」でもあるじゃないですか。で、アトムとなにかメールでやり取りしていた時に、彼から「(自分は)世界中どこに行ってもどこにも馴染まない、違和感を感じる、そういう感覚をずっと持ってるんだ」っていう話がでたんです。「だからこそ世界のどこからも遠いチリに住んでいて、日本に行くのも遠いし、母国であるドイツに行くのも遠いし、とにかくどこに行くのも遠い場所がチリなんだ」って彼は言うんです。そういう「エイリアニズム」っていう感覚を彼は持っていて、で、大なり小なり僕にもそういう感覚があるんですね。日中は神経内科医の仕事をしていて、夜は音楽作ったりとかライブをやったりとか、ちょっと人とは感じの違う二重生活をしているので。…そういう意味でも「どっちにいってもエイリアン」みたいな、そういう感覚において共感したんです。あとの、ユーモアとかエロティシズムってキーワードについては、アトムの今までの作品にもあるものですね。人とコミュニケーションするための仕掛けというかツールとして、ユーモアやエロティシズムを彼は意図的に多用していて、今作でもその要素を入れました。
——今作に参加している二人の女性シンガーのコシミハルさんとCoppe’さん、Yellow Magic Orchestra(以下、YMO)の作詞をされてるクリス・モズデルさんが作詞をされていますが、彼(彼女)らとのやり取りはサカモトさんがやられたんですか?
そうですね。僕とコシミハルさんとは、ちょっと前から知り合いだったんですよ。僕のジャズ・バンドで歌ってもらったりもしていて、ミハルさんは僕がそういう生のライブもやっている上で『Endotones』みたいなエレクトロニック・ミュージックの作品をやっていることももちろん知っていてくれました。それで、アトムもミハルさんと面識があって好きだし、今アトムとアルバムを作っているので参加してくれませんか? と頼んだんですよ。クリスの方はアトムのセニョール・ココナッツ名義のアルバム『イエロー・フィーバー』でいっぱいカバーしてるんですが、アトムが来日したときに日本に住んでるクリスとコンタクトをとったらしくて、そこから友達になったそうなんですよ。それで、英語の歌詞が欲しいっていう話になった時に、アトムも書こうと思えば書けるって言ってたんだけど、どうせ書いてもらえるんならクリスのほうがいいだろうということになりました。アトムがクリスとは友達でいつでも作詞を頼めるよって言うから、頼んでくれるのかなと思ってたんですが、クリスは東京に住んでるから彼と会って話してって、アトムに丸投げされてしまって(笑)。でも、クリスは実際に会ってみたらすごく気さくな人で頼みやすかったですね。僕も小学校ぐらいからYMO を聞いてましたから、クリスのことも知ってましたし、すごく感激しました。ちなみに、ミハルさんとクリスを並べるといかにも80年代の感覚を狙ったようですが、それは偶然です。結局僕らが10代の頃に聞いてたテクノ・ポップのオリジネイターですから、自然とリスペクトもあるので、頼めるということになれば頼みたいという気持ちは元々二人ともあったんです。Coppe'は僕達のほうでもう曲ができてたので、それに歌が欲しいとなりました。そこで、Coppe'がちょうどいいだろうということですぐに決まりましたね。
——コシミハルさんとクリス・モズデルさんも曲がすでにできていて、そこに歌や歌詞をのせてほしいというように依頼されたんですか?
クリスはまずミハルさんに頼んだときにどんな曲歌ってもらおうかって話になって、アトムが「ワルツだろう」と。それで、「わかった」と送ったら、アトムがワルツのバック・ビートになるファイルを「それにのっけて作曲してみて」みたいな感じで送ってきたんですよ。それで、歌い手がミハルさんに決まってから曲ができてきて、歌詞は日本語の歌詞でいいんじゃないかってことで、ミハルさんに書いてもらったんです。もう一曲は、僕が四つ打ちのいわゆる普通のテクノがやりたいって言ったんです。じゃあ、それは英語詞がいいだろうっていう話になって、テクノの曲をクリス作詞でミハルさんに歌ってもらうっていうことになりました。作詞にあたっても、さっき話したキーワードについてすぐにわかってもらえて、特にクリスなんかは本当にコンセプチュアルでストーリーもあるような、かつその現実的にありえないような、そういう歌詞を書いてくれましたね。
——5章の「5.17 Minutes With Miss Eternity」ですよね。歌詞に数式が入っていますけども、どういう意味でしょうか?
これは僕にも詳しくはわからないんですが、相対性理論の数式らしいんですよ。宇宙空間が数学的に構築されてる空間としてあって、Miss Eternityに向かってSub-Zero Boyっていうキャラクターが泳いで近づいていくっていう話なんですね。その近づいていく時に、宇宙空間を移動するときの数式らしいですよ。これは本当に好きですね。この曲はいくつも歌詞が入り組むようになるようにわざとメロディを作ってたんです。ロボット・ヴォイスとかミハルさんの声が英語や日本語が混在して、少しカオスになるように。でも、Miss Eternityが主役で、それぞれの歌詞も聞こえてくるし、意味もなんとなくわかるような、そういうセクションが出来たらいいなと思って、クリスにそういう風に説明したら、本当にそう作ってくれましたね。ちなみに、Miss Eternityって名前なんですけど、クリスに言わせると「すごくおかしいだろう? 」って言うわけですよ。おかしいって言えばおかしいよねっていう感じなんですけど、クリスというか外国人の感覚でいうと少し面白くて笑わせるような言葉の感じらしいんです。それで、クリスは「そんなこと言ったらセニョール・ココナッツだっておかしいだろ? 」とも言うわけです。「セニョール・ココナッツって聞いてどう思う? 」って聞かれて、「いや、ただセニョール・ココナッツって思う」って言ったら、「セニョール・ココナッツこそ面白い感じじゃないか」って。日本人が思う以上に、セニョール・ココナッツって名前はとにかく最初から笑わせようとしてるみたいですね。
——『Alien Symphony』の中で日本語、英語、フランス語と使われていますが、エイリアン感覚と通じるところがありますか?
言語をいくつかばらしたっていうのは、特に狙ってそうしたわけじゃないんだけども、それとは別で狙った事はあります。それはMiss Eternityの発音なんですね。これは実はジャパニーズ・フレンチ・イングリッシュなんですよ。日本人が歌う英語、かつミハルさんはフランス語で歌うことが多いので、わざとフランス語読みをしてるところがたくさんあって。前にミハルさんがCMをやった時にフランス語なまりの日本人が歌う英語で歌ったら、アート・リンゼイさんが「これはどこの国の人が歌ってるかわからなくてすごく面白いね」って言ったらしんです。…というのを聞いて、じゃあ、それでいきましょうと決まりました。日本人だし、フランス人だし、まあ英語圏の人には聞こえないけれども、どこの人種かわからない人が英語で歌ってるっていう感じを狙ったんですね。一応、本当にそれで何を歌ってるかわからなくなると困るので、クリスもレコーディングの時に発音をチェックはしてもらって、ぎりぎりわかるものにはなっています。
——アトムさんとサカモトさんの音の使い方やサウンドの特徴は各々どういうところに出ていると思いますか?
アトムはとにかくマスター・オブ・リズム・マシンなんですよ。リズム・マシンは808(注1)も使うんだけど、とにかくリン・ドラム(注2)の初代から最後のLinn 9000まで全部持ってるんですよ。彼に言わせると、ドラムを叩くっていう最も人間的な動きを機械に置き換えたすごくわかりやすい構造をしてるところがリズムマシンの重要なところで、それが大好きなんだそうです。今は音だけ取り込んでソフト・ウェアで鳴らしたりとか、パソコン上でどんな風にでもリズムを組めるんだけれども、わざとそれをやらないで、例えば実際に808とリン・ドラムを同時に走らせて作ることにこだわっている。例えば、キックがリン・ドラムでスネアが808でとか、そういう混ぜ方をしたんじゃ意味がないって彼は言うんですね。リン・ドラムはリン・ドラムってわかる使い方をして、808は808ってわかる使い方をして、そこに出てくるグルーヴが大事なんだと。そういうこだわりがあるみたいで、そこはもう僕は全然追いつけないところです。もちろん僕がリズムを組んでるところもあるんだけど、彼が組んでるところのほうが多いですよね。逆にサウンドそのもののハーモニーとかメロディ、メロディに対してリハーモナイズ、違うハーモニーをつけるとかそういうことは、僕のほうが得意なのかもしれないです。彼があんまり得意じゃない種類のクラシカルな音楽も経験してるから、そういう部分は僕がかなりやってますね。ハーモニーとかメロディとか音程のあるものは僕が作って、リズムは彼がメインですね。ただ、彼もいいメロディたくさん作る人なので、彼のメロディももちろんいっぱいあります。
(注1) : ローランド社から1980年〜1983年にかけて発売されていたリズム・マシンTR‐808のこと。略称で808(ヤオヤ)と呼ばれる。
(注2) : Linn Eloctronics社から1979年〜1985年にかけて発売されていたリズム・マシン。日本ではYMOが使用して有名になった。
音楽体験もほとんど同じです
——マサキ・サカモトとアトム・ハートで今まで聴いてきた音楽は共通するものはありますか? また、そういう話をされたりしましたか?
共通であるかどうかっていう確認はしてないんだけれども、世代はほとんど同じなんですよ。僕は38歳で、アトムは41か42歳ぐらいで。彼は今のいわゆるテクノとかハウスとかインダストリアルが広まる前に、YMOにリアル・タイムで注目してたドイツの音楽オタクだったわけですよ。だから、細野晴臣さんやミハルさんのアルバムも聞いてたし、YMOのアルバムももちろん全部聞いてたそうです。僕はYMOをリアル・タイムで聞いてた本当に最後の世代で、二人とも10代でそういう音楽に出会っていたから、その点では音楽体験もほとんど同じです。ただ彼はその後シンセサイザー買い込んだりとか、リズム・マシン買い込んだり、録音機材買い込んだり、本当のアナログのデバイスを使って家で作り始めてた、ベッド・ルーム・ミュージックの先駆けの人ですよね。僕はエレクトロニック・ミュージックは好きでずっと聞いてたんだけど、どっちかっていうとジャズとかクラシックとか演奏する音楽のほうに向いていて、30歳ぐらいでこっちの方に来たので、そこは違いますけどね。
——アトム・ハートが別のインタビューで音楽を作る機材はどんどん向上していて好きな音質を選べるようになっているけど、聞く側は安価で低い音質に流れていってて、そこに危惧を覚えるということを言っていたんですが、どう思いますか?
僕もそう思いますね。どんどんクオリティがアップしてハイ・レゾリューションになっていますけど、僕とアトムは最終的に一番クオリティのいい、音質面でもアート・ワークも含めて成熟したメディアっていうのはCDだと思ってるんですよ。(ototoyスタッフに向かって)ごめんなさいね。ダウンロードとは逆の話なんだけど。彼は一番CDに興味があって、CDを売りたいと思っているんですよ。それは僕も同じ気持ちはあります。なんでかっていうと「パッケージ感」。物がちゃんと目の前にあるっていうことにやっぱりわくわくするし、音楽家なんで、色んなアーティストのアルバムを聞くときに「アルバムをどういう起承転結で、どういう気持ちで完結させてるか」っていうところで聞いているんですよ。作り手としても、そういう気持ちで良いものを作りたい、っていう気持ちを持ってます。断片的で脈略もなくなって、本当はもっといい音質なのに音質も落ちていて…となると、それを楽しもうっていう気持ちも捨ててしまってるようでとても悲しい。僕は、聞き手の人にそれで終わって欲しくないんです。特に強くそう思っているからこそ、こういうアルバムを作ったところもあるんですよ。ただ、アトムは試行錯誤の結果として最初から最後まで44.1khzで作ると最も音質がいいと言っていて、僕はもっとハイ・レゾリューションな音質で聞きたいと思っているという違いはあります。今回はアトムに合わせて44.1khzで作りましたけれども、自分のアルバムは48khzで作ってます。
——曲を細かく分けているけども全て通して聞かないと意味を成さないような構成にされているのは、断片的な音楽の楽しみ方に対して意識されているからということですか?
そうですね。アトムがこの前言ってたんですが、LPとかEPとかってフォーマットは音楽家が決めたものじゃなくて、メディアが決めたものなんです。それに合わせて曲の長さを決められていたわけだけども、今はこれだけフォーマットが多様化しているから、アーティストが意図的に「これはアルバムだ」とか「シングルだ」とかフォーマットを意識したような作り方をしたほうがいいし、そうしたいと。僕もまたそう思ってます。シンフォニーっていうのも、一連の意味のある流れの曲を聴いて欲しいっていう、そういうメッセージを持たせて、かつこのアルバムの場合のシンフォニーっていうのはフェイクなんだけど、半分ふざけてるわけですよね。旧来通りの意味でシンフォニーなわけではないので。ただ、現代に生きてる二人のエイリアン、アトムと僕が思った通りに作った流れのある長い音楽が現代のシンフォニーだろうと。それはエイリアンが作ってるから、一種わけのわからないものだろうし、見慣れないものとか、どこにも属さないものであるだろうし、そういうシンフォニーをフェイクでやっているという遊び心でもあるます。
——アルバムを作り終えられて、アトムさんとまたやりたいねというようなお話はありますか?
まあ、アトムに冗談っぽくシンフォニー・ナンバー2や3を作りたいねって言ったら、もちろんだよと言ってましたね。まあ、でもこれすごく大変なんですよ。そういう意味では何か変わったことをやろうとすると、時間と労力はかかると思うんですが、チャンスがあればまたやりたいね、という話はしてます。
電子音からなるダンス・ミュージック
Jeff MILLS / Sleeper Wakes
2010年1月1日 00時00分01秒。ここ日本へと帰還する事を予告し、宇宙へと旅立ったジェフ・ミルズ。2006年秋から約3年の月日が流れた、来る2009年11月11日。宇宙での体験をもとに創作された壮大なスペース・シンフォニー作品が届けられる。それは、彼からのメッセージであり、彼が私たちの前に再び姿を現す日が間近に迫った証である。
Grasscut / Muppet
広がるメロディーに壮大な構造、雨に、崩壊に、突然異様な姿を表すサイケデリックな田園風景、美しさ、それにビートが漂っている。イギリスの先見論の大胆さに影響され、引き継いでいるこの音楽は、長い間姿を消していたリンジー・アンダーソンやパウエル、それかプレス・バーガーによる映画の現代版サウンド・トラックであるとも言えるだろう。Grasscutは、Andrew PhillipsとMarcus O'Dairの二人によるユニットである。Phillipsは、テレビや映画部門で賞を得た作曲家であり、100本以上のスクリーン上でそのクレジットを見る事ができるほどの大物。そんな彼が故郷のブライトンで出会ったO'Dairは、ダブル・ベーシスト且つキーボード・プレーヤー、そしてアマチュアのノイゼニックでもある。共にスーツを纏い、メガネを掛けた二人は、まるでエレクトロニック・ミュージック界のギルバートとジョージのようである
AOKI Takamasa / simply funk
極めて“シンプル”で揺るぎのない「純度」と「強度」を抽出すること、つまり、そのプロセスこそが“ファンク”。力強い二文字に集約された青木孝允、傑作の5thアルバム!
今、青木君の音がフィットするのは僕だけじゃないよね、きっと。音楽はますます歌詞やストーリーやメッセージが重視されてるけど、それって文字に近いと思うんだ。でも音楽ってアイコンのようにもなれるわけで、そういう音が脳みそをカキーンとさせてくれる。落ち着いていると同時にカキーンとしてて、心の在処が中心にきてるよ。そのまま、持続でお願いします。(細野晴臣)
MASAKI SAKAMOTO PROFILE
医学博士、神経内科医。ピアニストとしても活動し、楽曲制作を続けているアーティスト。エレクトロニクスとアコースティック、アナログとデジタル、睡眠と覚醒の境界線上での活動を継続している。2003年、コーネリアスのリミックス・コンテストに入賞、アルバム『PM』に楽曲収録。それをきっかけに、SL@yRe&The Feminine Stoolξというユニットを結成。2004年、SL@yRe&The Feminine Stoolξ名義での制作第1号の作品「Polka Dots & Sl@yremoonbeams」が、坂本龍一によるコンピレーション『DOCUMENT-RADIO SAKAMOTO』に収録される。その後、坂本龍一がホストを務めるJ-WAVE「RADIO SAKAMOTO」に生出演、ライブを披露し、その後も度々番組に登場する。2005年、Sublime RecordsよりSL@yRe&The Feminine Stoolξ名義で1stアルバム『Phut Cr@ckle Tokyo [K]』をリリース。2007年8月には初のソロ・アルバム『ENDOTONES』をリリース。LIQUIDROOM EBISUにて行われたyanokami(矢野顕子×レイ・ハラカミ)のライブでのオープニング・アクトを務め好評を博す。そして2010年、いくつものコラボレーションを行い長年親交を深めていたAtom Heartとの初の共作アルバム『Alien Symphony』をリリースする。
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ATOM PROFILE
実に20年以上ものキャリアと多数のプロジェクトを持つ、現在南米・チリはサンチアゴ在住の鬼才アーティスト、アトム・ハートことウヴェ・シュミット。94年に立ち上げた自身のレーベルRather Interestingから驚異的なスピードで作品をリリース。コラボレーション歴も豊富で、現在までにピート・ナムルック、テツ・イノウエ、ピンク・エルン、ビル・ラズウェルなどの錚々たるアーティスト達とコラボレーションしてきている。特にテツ・イノウエとは細野晴臣を交えてのコラボレーション・ユニット「HAT」としても作品を制作、話題となった。他にも、ロック/ポップスの名曲をエレクトロニックでカバーした「LB」名義や、YMOやダフト・パンクをはじめ世界の一流アーティスト達の楽曲をラテン・カバーするプロジェクト、セニョール・ココナッツ、バーント・フリードマンとのユニットflangerなど、多彩に活動し、その数々の作品は日本でも発売され、広く受け入れられている。
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