mishmash*Juile Wataiが最新シングル「グラドルを撃たないで」を発表!!
コーネリアス(Cornelius)のサウンド・プログラマーを努める美島豊明と、ゲーム、マネー、アートなど様々なジャンルに精通したコンテンツ・プロデューサーのマスヤマコム。そして自作の作品集「Samurai Girl」を120万部売上げる写真家であり、HARDWARE GIRLS MAGAZINEのプロデューサー・Julie Wataiの3人によって結成されるmishmash*Julie Wataiが早くも新曲をリリース。
今回は、音楽雑誌「サウンド&レコーディング・マガジン」とのアレンジ・コンテストの題材曲となった「グラドルを撃たないで」を、mp3に始り、24bit/48kHzのWAV音源、24bit/96kHzのWAV音源で配信!
新作をHQD(24bit/48kHz、24bit/96kHzのWAV音源)で配信!
日本語版、英語版を3種類の音質で
mishmash*Julie Watai / グラドルを撃たないで、Don't Shoot Me. I'm only the Pin-up Girl
2012年4月16日、アメリカの音楽配信アグリゲータtunecoreを使い、1stシングル「恋のタマシイ」、「Roll of Love」でiTunes、Spotify等、世界デビューを果たしたmishmash*Julie Wataiの3rd single。
【値段】
MP3、WAV : 150円
HQD(24bit/48kHz、24bit/96kHz) : 200円
日本語ver.
英語ver.
※「グラドルを撃たないで」「Don't Shoot Me. I'm Only the Pin-up Girl.」のジャケット写真、およびミュージック・ビデオに、Julie Wataiは出演していません。
マジカル・アレンジメント・ツアー! 2012」最優秀賞楽曲を無料で配信
更に、最優秀賞楽曲をオトトイで無料配信も決定! モデルには、現役人気グラビア・アイドルの逢沢りな。ビデオの監督、スチール撮影には、曲のヴォーカリストでもあるJulie Wataiという豪華スタッフにより、急遽制作された。アレンジ版のミュージック・ビデオもチェック!
サウンド&レコーディング・マガジン 2012年5月号で公募した「マジカル・アレンジメント・ツアー! 2012」読者コンテスト、最優秀賞楽曲です。
mishmash*Julie Watai / グラドルを撃たないで(濱田祐子アレンジ版)
mishmash*Julie Wataiが選んだ“最優秀賞”は、なんと若干23才の女性。濱田祐子さん(大阪府)。今まで、音楽コンテスト等への応募はまったくしたことがないという新人。普段は仕事をしつつ、音楽制作もしている。楽曲の出来がよかったため、プロデューサーのマスヤマコムが、濱田祐子さんアレンジ版にも、独自でミュージック・ビデオを制作することを決定。
非情さと欲望を的確に刺激してくる官能性
mishmashはサウンド・プログラマとして小山田圭吾との仕事で有名な美島豊明とプロデューサーのマスヤマコムによる音楽プロジェクトである。ヴォーカルにJulie Wataiを迎え、mishmash*Juile Wataiとして今まで「恋のタマシイ」、「リバーブの奥に」といった2曲の配信シングルをリリースしている。そして、今回の「グラドルを撃たないで」が3つ目の配信シングルとなる。この曲で最初に気にかかるのは、やはり、なにやら意味ありげなタイトルであり、歌詞だろう。どうやっても元グラドル(グラビア・アイドル)でもあるヴォーカルのJulieのことを思い起こさずにはいられない。グラドルを「実はガテン系/そうして技術職」と歌うところでは、Julie本人が天野あい名義でグラドル活動の経験が歌われているのかと思ってしまうだろう。実際に歌詞は「ジュリちゃんに取材して僕が書きました。」とOTOTOYの以前のインタビューでマスヤマは答えてもいるが、この曲をそうしたグラビア・アイドルの裏側を歌ったと考えてしまうことは、あまり実り多いものではないのではないか。
それは、Julieの活動を追ってみればわかってもらえると思う。グループ・アイドルとして活動していたが解散を機にイタリアへ渡り、帰国後に写真家のJulieとして活動を始め、程なくしてグラドルの天野あいとしても活動を始める。また、アイドル・グループCutie PieのVJであるeyeタソとしても活動するなど多面的な表現をし続けている。特に写真家としては120万部の売上に達した「SAMURAI GIRL」や女の子と何らかの機材や装置を組み合わせた写真集「HARDWARE GIRLS」など有名なものが多い。
このJulieの活動を通して見えるのは、現代の少女文化のひとつのあり方だ。ここでいう少女文化とは、社会の中で役割として割り振られたいわゆる女の子らしいものをカワイイといった言葉で読み替え、男に理解し難い女の子だけのものにすることで社会に抵抗するような文化のことだ。ロリータ・ファッションなどがわかりやすいだろう。そして、Julieは女性アイドルや彼女の愛好するアニメなどの美少女キャラクターという主として男性の性的願望に応える職業にカワイさを見出し、少女文化に取り込んでいるように見える。誤解を恐れずに言えば、アイドルも美少女キャラもカワイイ部分を記号的なまでにデフォルメした存在という意味で等価なモノだ。そして、そのひたすらカワイイだけの魅力的なモノになりきり、欲求され流通することが現代の少女文化のひとつのあり方なのだ。「HARDWARE GIRLS」などはこうしたモノになった女の子と実際のモノを並べることで、この生存戦略を意識的に捉えた作品なのだろう。
遠回りになったが、こうした視点で「グラドルを撃たないで」を捉えると、この楽曲がグラドルというモノの生産工程を表しているようだ。グルーヴィーだが機械的で冷たい印象を与えるニュー・ウェーブを思わせるサウンドに、調整していない初音ミクのような無機質な歌い方で「45度で/Sの字書いて/カメラ目線で」とカワイさが自動的に形作られていく様子を歌い上げていく。楽曲はグラドルを生産するシステムの非情さと欲望を的確に刺激してくる官能性の両面を感じさせてくる。最後の「No, I'm only the pin-up girl. Don't shoot me, with your gun....」という歌詞もグラドルの内面に関したことではなく、グラドル以外の部分を匂わせつつ、撃たないでと言うことで欲望を喚起する工程のひとつだろう。
また、「グラドルを撃たないで」はサウンド&レコーディング・マガジン5月号において"ヒット・チャートのトップ10に入る曲にアレンジしてください"というオーダーで複数のアレンジャーに編曲を発注し、作業工程を雑誌上で記事として載せるという企画に使われている。つまり、商品としての音楽が出来上がる工程を見せてもいるのだ。この楽曲は歌詞や音だけでなく、楽曲から喚起される様々な情報や連動した企画があることによって、私たちが消費しているポップ・カルチャーがどのように生み出されているものなのか、ということ自体を想起させる構造になっている。「グラドルを撃たないで」は動画も音楽もデータとして大量に流通し、気軽にアクセスできるようになった現在において批評的な試みを行なっている楽曲なのだ。(text by 滝沢時男)
今すぐステム音源で楽曲制作!!
ステムとは、あまり見慣れない用語かもしれませんが、要するに「マルチトラックで録音された音源の各トラック」のことを指します。mishmash*が用意している「ステム」は、ドラムだけだったり、ベースだけだったりの音源が、「一曲まるごと」入っています。音楽を作ることを楽しんで欲しいと思います。
mishmash*Julie Watai / 恋のタマシイ/Roll of Love ステム・セット #1 of4〜#4 of4
【価格】100円(アルバム購入のみ)
#1 of 4 : クリック、ドラムス、ベース、ミックス
#2 of 4 : エレキピアノ、タンバリン、ミックス
#3 of 4 : エレキギター01、エレキギター02、ミックス
【価格】500円(アルバム購入のみ)
#4 of 4 : 英語版、日本語版それぞれのヴォーカル
mishmash*Julie Wataiのデビュー曲をフリー・ダウンロード中!
mishmash*Julie Watai全世界デビュー曲は「Roll of Love」。「恋のタマシイ」はその日本語ヴァージョン。編みぐるみのジュリワタイが歌ってリッケンバッカーを演奏するミュージック・ビデオはケロケロキングの木原庸佐が手がけた。
mishmash*Julie Watai / 恋のタマシイ、Roll of Love
PROFILE
mishmash*Juile Watai
コーネリアスのサウンド・プログラマ、美島豊明(みしま・とよあき)のソロ・プロジェクトmishmash*(ミッシュマッシュ)。フィーチュアリング・ヴォーカルには、自作写真集が世界で120万部売れた元アイドル・モデルの写真家、Julie Watai(ジュリ・ワタイ)。最初のシングル「恋のタマシイ」(日本語)、「Roll of Love」(英語)が、OTOTOYで無料配信スタート。