衝撃的な2組が登場! Tune-YardsとPanda bearの新作を先行配信!
Dirty ProjectorsやXiu Xiuといった人気バンドのフロント・アクトに抜擢され、多くのファンの心を奪っていったTune-YardsことMerrill Garbusが、4AD移籍後第1弾となるアルバム『WHO KILL』をリリース。更にAnimal Collectiveの中心メンバー、Noah Lennoxのソロ・プロジェクトPanda Bearが4年振りに新作『Tomboy』をリリース。オトトイでは、先行配信が始まると共に2組のアルバムから1曲づつのフリー・ダウンロードも開始! 1日も早く聞いてみて下さい。この衝撃はきっとあなたにも届くはず。
>>>Tune-yards「Bizness」のフリー・ダウンロードはこちら(4/28まで)
>>>Panda Bear「Tomboy」のフリー・ダウンロードはこちら(4/28まで)
Tune-Yardsのキテレツ・ビートが先行配信で炸裂!
Tune-Yards / WHO KILL
イギリス名門レーベル4ADがサインしたインディアナの異端児Tune-Yardsが日本デビュー。彼女が扱う楽器はウクレレとスネア・ドラム、そしてバックを固めるパーカッション部隊。今まで聴いた事の無い不思議なメロディー展開とトライバルでワールド・ミュージック的なドラム&パーカッションが魅力。
【Track List】
1. My Country / 2. Es So / 3. Gangsta / 4. Powa / 5. Riotriot / 6. Bizness / 7. Doorstep / 8. You Yes You / 9. Wooly Wolly Gong / 10. Killa / 11. Party Can / 12. Doordub / 13. Powa (Live At Landlocked)
Noah Lennoxのソロ名義が先行配信!
Panda Bear / Tomboy
煌めく音の粒と、弾けるリズムが絡み合い生み出した、プリズム色のサイケデリア。現在USインディ界で絶対的な人気を誇る音楽集団、アニマル・コレクティヴの中心メンバー、Panda BearことNoah Lennoxによる超待望の新作ソロ・アルバムが遂に完成! 元スペースメン3のソニック・ブーム(MGMT他)がミックスを担当!
【Track List】
1. You Can Count On Me / 2. Tomboy / 3. Slow Motion / 4. Surfer’s Hymn / 5. Last Night At The Jetty / 6. Drone / 7. Alsatian Darn / 8. Scheherazade / 9. Friendship Bracelet / 10. Afterburner / 11. Benfica / 12. Surfer's Hymn(Actress Remix)(日本盤のみのボーナス・トラック)
USインディーの土壌に立つ2組
今回オトトイからPanda BearとTune-Yardsの2組のアーティストが配信される。Panda Bearは現在のインディー・ロックに多大な影響力を及ぼしているバンドAnimal Collectiveの一員Noah Lennoxのソロ・プロジェクトであり、一方、Tune-Yardsは2009年にデビューしたばかりで今回がセカンド・アルバムとなる新人だ。どちらも今年のUSインディー・ロックで話題になっているアルバムであり、その醍醐味を味あわせてくれる作品になっている。
まず、今作『Tomboy』が4年ぶり4枚目になるPanda Bear。前作『Person Pitch』もAnimal Collectiveのアルバムに引けを取らない出来栄えだったが、今回もそのサウンドは健在だ。Beach Boysがコーラスによるハーモニーで作り出していた音のフィールドを、ローファイな質感のエコーやリバーブでさらに拡張したような独特のこもった音響。Animal Collectiveで得たその手法を、Panda Bearはより深くパーソナルに聞こえるような形で音にしている。そのサイケデリックの現代的な解釈はグローファイやチルウェイブといった近年のUSインディー・ロックに勃興しているジャンルを準備したわけだが、その現代性とは何なのか。
まず、90年代に最も影響力のあったサイケデリックの流れを汲むジャンルはシューゲイザーだった。シューゲイザーはギター・ノイズによる音の海に歌を溶かし込むことで酷薄な現実から自己を守るというニュアンスが強かったが、Panda Bearの作り出す音響を同じ意味合いだけで捉えることには違和感がある。まず、Panda Bearが音響の起点としているのは歌であり、その歌自体はしっかりと歌い上げられている。それにあの独特の音響を加えるということは自己防衛ではなく、自己啓発や自分探しなどが席巻した時代を経て、自己など状況や環境によっていくらでも変わると認識されてしまった時代の、曖昧模糊とした自己像なのではないか。今作『Tomboy』ではそうした表現に、10曲目「Afterbarner」で聞けるようなミニマル・テクノに接近するようなグルーヴ感が加わり、曖昧さを抱えながら進もうという意思のようなものが聞こえる。こうした微妙な表現は、彼がThe Flaming LipsやMercury Revといった60年代のサイケデリック・ロックを参照にしながら独自のサウンドを作り上げていたUSインディーの土壌に立っていることを感じさせる。
Tune-YardsもMerrill Garbusによるソロ・プロジェクトだ。昨年オノ・ヨーコのバンドにLady Gagaや小山田圭吾らとともに参加したことでも話題になり、リリースも名門インディー・レーベル4ADからである。今作『WHO KILL』で の彼女のサウンドは、ドラムや声を機材を使ってループさせてリズミカルなトラックを作り、そこにウクレレを弾きながら歌うという面白いスタイルで作られていて、一聴してとても楽しい。これは動画を見てもらうとよくわかるだろう。そして、そうしたシンプルな作られ方をしていることもあり、Tune-Yardsの音楽もインディー・ロック的なローファイさを持ってはいるが、決してヘタウマではない。的確なところでフリー・ジャズのような展開を入れて曲のフックを作ったりとアレンジに起伏があるし、何より彼女の歌がとてもソウルフルなのだ。ニューヨークタイムズで「まるでアレサ・フランクリンとオノ・ヨーコの中間の声だ」と評されたそうだが、この歌声がインディー・ロックをベースにしたサウンドに乗っているということが、他のアーティストと一線を画している点なのだ。
また、Tune-YardsはM.I.Aを引き合いに出して語られているが、確かにその系譜にあると思う。さかのぼればESGやThe Slitsの流れだ。彼女らの表現の核にあるのは、パンクやヒップホップに出会うことで自ら声を上げる方法を手に入れ、そうして解放されたことの喜びにある。Tune-Yardsも同様の表現だと思うが、彼女の音楽性はソウルやジャズがあり、初期のヒップホップがあり、インディー・ロックがあり、というように本当に色々混じっている。Tune-Yardsの場合は、なにかのムーヴメントからではなく、個人の中で色々な音楽がつながっていくことで解放されていったのだろう。これはインターネットなどのインフラが整ったからこそ起こることで、しかも、それが地に足の着いた表現として結実しているということが面白い。Tune-YardsはUSインディーのハイブリッドな面をよく体現している。 Panda BearもTune-Yardsもインディー・ロックの現在を面白い形で表しているアーティストだ。ここを入り口に深い森を散策し始めるのもいいだろう。(text by 滝沢時朗)
RECOMMEND
Paris Suit Yourself / Sometimes
Ninja Tune傘下のBig Dadaが送り出す、uvinsky Atche(ヴォーカル)、Marie Boye(ベース、ヴォーカル)、Victor Tricard(ギター、キーボード、ヴォーカル)、Joe Bombastik(ドラム)の4人編成からなるフランス人ロック・バンド、Paris Suit Yourself。彼らが1月にリリースした『My Main Shitstain』収録されていた「Sometimes」のリミックスを収録したEP作品。
Chikita Violenta / TRE3S
目立った新人バンドがいない現在のインディー・シーンに風穴を開ける期待のバンドがメキシコから登場! 結成10年の実力を誇る4人組、 Chikita Violenta(チキータ・ヴィオレンタ)。USデビューも決定している本作では、デモを気に入ったBroken Social Sceneのプロデューサー、Dave Newfeldが自ら名乗りを上げて全面プロデュース。ボーカルのハーモニーとメロディーの良さを全面に押し出したカラフルなサウンドで、すべてのインディー・ファンを魅了します!
The Kills / Blood Pressures
史上最強ロック・デュオ、ザ・キルズが4thアルバムをリリース。ロック・シーンの頂点に躍り出た、ザ・キルズがスタイリッシュでクールなアルバムを完成させた! 近年、アリソンはホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトとデッド・ウェザーを結成し活躍、ジェイミーはプライベートでトップ・モデル、ケイト・モスと結婚し話題をさらっている。
PROFILE
Tune-Yards
カリフォルニア州オークランドを拠点に活動するメリル・ガーバスのソロ・プロジェクト。09年、ダーティー・プロジェクターズを輩出した<Marriage Records>から『バード・ブレインズ』を自主製作のアナログとカセット盤で発表。名門レーベル<4AD>が即契約し1000枚限定のCD盤として発表。海外メディアがダーティー・プロジェクターズ、M.I.A.、ビョーク、オノ・ヨーコ等を例えに挙げ大絶賛。
Panda Bear
ボルチモア出身、現在はニューヨークを拠点に活動する不定形音楽ユニット、アニマル・コレクティヴの創始者Panda BearことNoah Lennox。2000年以来、アニマル・コレクティヴとして現在までに9枚のスタジオ・アルバムを発表、ソロとしては本作が4枚目となる。