V.A. / COSMOPOLYPHONIC
RLPとsauce81が世界中のコネクションを活かし、才能あふれるアーティストを発掘しつづける日本発のクオリティ・ポッドキャストcosmopolyphonic radio。彼らはコズモポリフォニックの名の下、ワ—ルド・ワイドな共鳴を目指し、地球の裏側で「今」鳴っている音をタイム・レスに届けるべく、次世代を担う世界中のアーティストを常に探している。本作は、その新しい才能を世界に紹介するcosmopolyponic radioに携わるアーティストが集結したコンピレーション・アルバム。 今世界のBEATシーンはここまで来てる! その才能を万遍なく体感して下さい。
推薦コメント!!
Cosmopolyphonic functions like a dream! if only everything in life was so beautiful!
—Jay Scarlett (Beat Dimensions / Ubeat)
「制作、ポッドキャスト、イベント運営。360度展開が生み出す横軸化学反応! 情報時代の音楽活動が築いたネットワーク・ポートフォリオ!」
—Dai Kurihara (CIRCULATIONS)
様々なジャンルと共振するビート
2009年1月からMySpaceなどネット上の交流を基に、メンバーやゲストによるDJ Mixを配信し続けてきた日本発のポッドキャストcosmopolyphonic radio。彼らがコンピレーション・アルバム『COSMOPOLYPHONIC』をリリースする。参加するアーティストは、オトトイのLA Beats特集にも応じてもらったSauce81とRLPをはじめとした中心メンバーはもちろん、同様に日本発で世界的に活躍するレーベルCirculation所属のSuper Smoky Soulなど気鋭のビート・メイカーが揃っている。海外のアーティストも、ダブリンのAll City Recordsの看板アーティストでフランス人のOnra、Flying Lotus率いるBrainfeederのTOKiMONSTA、ダブステップの名門Tectonic所属のPursuit Groovesなど面白いところばかりだ。
『COSMOPOLYPHONIC』全体を貫くサウンドの特徴はまず第一にビートだろう。J Dillaが開発し、後続の各地の様々なアーティストが発展させた、機材の補正機能を使わずに打ち込むことで微妙なゆれやひっかかりを生むビート。このアルバムでも聞けるその独特のグルーヴは、ヒップホップがビートの追求の末に手に入れた新しいファンクの形なのではないかと思う。70年代のファンクは演奏者の正確なリズム感の中でタメを作ることで粘るようなグルーヴを生んだ。そして、デジタルの正確なリズムが当然の現在にわざとずらすことによって、グルーヴが作られている。まるで1周回ったかのようだが、今のビートの方が雑食性ははるかに高い。ファンクが差別をうけ、どこにも行けない黒人たちが、その黒人らしさを強調するように濃度をあげた音楽なら、ここで聞けるビートはネット環境から育まれたどこにでも行ける時代の音楽だ。隙間の多いビートはあらゆる人種を受け入れるように様々なジャンルと交わることができる。今の時代だからできる別角度からの濃度のあげ方だろう。それはLAのシーンと共振を見せているダブステップも同様だ。
そして、このコンピレーションでは80年代的な少しチープできらめくようなシンセや電子音が多く使われている。『COSMOPOLYPHONIC』の名の通り宇宙を思わせるようなサウンドだが、先に触れた70年代のファンクもP-Funkをはじめとして宇宙を目指した音楽である。しかし、ファンクにおける宇宙が逃避するための外部であるのに対して、『COSMOPOLYPHONIC』の宇宙はそうではない。チープでロマンチックな感触の音は、まるでインターネットのヴァーチャルな空間を宇宙として見ているようだ。宇宙は私たちの生活の内部にある。誰もが自分のハコの中に小宇宙を持ち、それがネットを通して交わり、ポリフォニー(多声音楽)になる。是非、このビートで体を揺らし、空間に耳を澄ませて欲しい。 (text by 滝沢 時朗)
空間を生み出すダンス・ミュージック
Offshore / Aneurysm EP
1曲目でありこのEPのタイトル・トラックでもある「Aneurysm」は一度は強力なサウンド・システムでその威力を感じて欲しいトラックだ。まさにクラブでプレイするのにぴったりなトラックだが、彼の魅力はそれだけではない。「Hiccup」ではかれのメランコリックなメロディー・センスが炸裂しているし、「Round And Round」ではRobertsonのロンドンから彼の故郷への愛情が込められた感動的な楽曲になっている。
KAORU INOUE / SACRED DAYS
先行シングル第2弾として6月にリリース予定のJebski をフィーチャーしたエレガントで美しいハウス・ミュージックのTr.2、先行プロモとしてリリースされ話題となったスパニッシュ・ギターのフレーズが耳に残る名曲Tr.3。フロア・ユースなミニマル・テックのTr.4、6。A Hundred BirdsのメインVo.のTenをフィーチャーしたオーガニックなスピリチュアル・ダンスTr.5。i-depのSaxプレイヤーであり、Kaoru InoueとのFusikとしても作品をリリースしている藤枝伸介のセクシーなSaxが印象的なドライブ感溢れるTr.8等、彼のルーツであるオーガニックでスピリチュアルな音楽のエッセンスを取り入れながら、新たなダンス・ミュージックへと昇華させた全11曲を収録。
teebs / Ardour
音源デビュー前にしてBrainfeeder、DublabやPoo-Bahに所属しそのドリーミーに幻想的で甘く、まるでおとぎ話の世界にいる様な錯覚に陥ってしまう音世界を作り上げ、多くのコアな音楽ファンを魅了してきたLA BEATシーンの若き才能、Teebs。ペインターとしても素晴らしい才能を持つ彼はここ日本でも2009年11月にBrainfeederの多くのポスターやフライヤーを手がけるQuesと自身のペイントを持ち込んだ個展を行い、同月に代官山UNITで行われたLow End Theoryでそのスキルを披露し話題をよんだ。そしてFlying Lotusが本格的にブレイクを果たした絶好のタイミングで、新世代ビート・ミュージック・シーンに新たな息吹を吹き込む素晴らしいデビュー・アルバムをリリース! Teebs自身による見事なアルバム・アートワークも見所です!
LIVE information
COSMOPOLYPHONIC RELEASES TOUR
11/13(土)@BASE 福岡
出演 : Daisuke Tanabe / mfp / sauce81
12/03(金)@Manier金沢
出演 : RLP/ mfp / Fujimoto Tetsuro / sauce81
12/10(金)@4階 秋田
出演 : RLP / mfp / Fujimoto Tetsuro / sauce81
12/11(土)@MOTHER 盛岡
出演 : RLP / mfp / MONKEY_sequence.19 / Pepin / Fujimoto Tetsuro / sauce81
12/18(土)@SECO BAR 東京
出演 : diyTokion / The Astronotes / fitz ambro$e / SUPER SMOKY SOUL / Kan Sano / RLP / mfp / Fujimoto Tetsuro / Tidal / sauce81 / +?
COSMOPOLYPHONIC RADIOを随時チェック!!