INNER SCIENCEの新作『Elegant Confections』が配信開始。 そして、 フリー・ダウンロードも!
実に5枚目となるINNER SCIENCEのフル・アルバムが完成した。エレクトロ・ミュージックを探求する彼の新作『Elegant Confections』は、2つのヴァージョンで配信される。 またINNER SCIENCEが2007年にリリースしたアナログ盤「Elegant confections e.p」でしか収録されていない「tint」という楽曲をフリー・ダウンロードで配信する。この機会にINNER SCIENCEを知っている方も知らない方も、3パターンの音源を聞き比べてほしい。
>>>フリー・ダウンロード曲「tint」はこちらからどうぞ(1/20~1/27)
INNER SCIENCEの培って来たセンスが、自身のフィルターを通して現れた新作
INNER SCIENCE / Elegant Confections -Original Version-
「既存のどの範疇にも収まらない」エレクトロニック・ミュージックを追求する才人INNER SCIENCEによる、4年ぶりとなるアルバム、ついに登場! 大胆かつ繊細、流麗なリズム群と、透明感溢れる電子音とが絡み合うオリジナル版、また、オリジナルの精密な楽曲構造を顕わにし、そしてその解体にまで焦点をあてたアンビエント版を収めた、充実の2ヴァージョンで配信。2011年初頭のシーンを象徴するであろう、強力で、独創的な快作アルバム!
INNER SCIENCE / Elegant Confections -Ambient Version-
(※配信パッケージでは、2つのヴァージョンに分かれてのご提供になります。)
ビートとサウンド・スケープが一体になる
ゆらめくようなサウンド・スケープと確かなビートで、独自の道を進む日本屈指のビート・メーカーINNER SCIENCE。コラボレーションの形では新作を発表し続けているが、単独名義では4年ぶりの新作となる『Elegant Confections』をリリースする。近年はアンビエントな音像に近づく傾向にあったが、今作はオリジナル版とアンビエント版の2枚組みで、見事作品に差を生み出した。その製作過程からも力の入れようが伺えるが、内容的にもインストゥルメンタルのヒップ・ホップから出発したINNER SCIENCEが試みてきたことの、ひとつの到達点だと感じられるアルバムとなっている。それでは、そのサウンドに触れていこう。
『Elegant Confections』を聴いて、今までのINNER SCIENCEの作品と違うとわかるところは、音がクリアに鳴っていることだ。今までもウワモノに浮遊感のある音が使われていたが、『Elegant Confections』では浮遊感はあっても、こもった曖昧な印象は与えない。いわゆるトリップするような作用に音が向かっていない。水面が揺れて光を反射するように、音が揺れてメロディを反射する。ノン・ビートのアンビエント版を付けるのも納得できるほど、これだけで確かなサウンドになっている。そして、オリジナル版の特徴的なビートも今までと質感を変えている。それは、聞き手を踊らせる方向に向けていないことだ。ビート自体はしっかり刻まれているし、ヒップ・ホップ特有の太い質感もあるが、重く体に直接響くような部分がうまく抑えられている。つまり、アンビエント的な音響に適合した鳴り方をするビートとして、作られていると言っていい。アンビエント的な音響を経たビートは、体を動かせる方向には作用しないが、その質感で音が鳴っているということを聞き手に意識させる。今作に、今まであまり使われていなかった4つ打ちのリズムが導入されているのも、もっとも心臓の鼓動に近いからかもしれない。
このビートとサウンド・スケープが一体になった『Elegant Confections』は、ヒップ・ホップの形式を残しつつも、ダンス・ミュージックの得意とする快楽性には向かわない。ヒップ・ホップはサンプリングのノイズやチープさを逆手に取ることで独自の中毒性の高いサウンドを作り上げ、今ではFlying Lotusが代表するBeats系のアーティストたちが、リズムのずれを大胆に使う手法でその最新の位置にいる。INNER SCIENCEは同じヒップ・ホップから出発し、音に没入させるのではなく、音を聴くことで意識が澄むような作品を作り上げた。それは覚醒するといった劇的なものではなく、よりフラットで平常な状態になるような感覚だ。これはビートの比重が高いヒップ・ホップ、ひいてはダンス・ミュージックで試されていなかった可能性なのではないかと思う。(Text by 滝沢 時朗)
更にサウンド・スケープを感じ取れる... そんなサウンド達
Teebs / Ardour
音源デビュー前にして、<Brainfeeder>、<Dublab>、<Poo-Bah>に所属しそのドリーミーに幻想的で甘く、まるでおとぎ話の世界にいる様な錯覚に陥ってしまう音世界を作り上げ、多くのコアな音楽ファンを魅了してきたL.A.ビート・シーンの若き才能、Teebs。
COS/MES / GOZMEZ LAND -CHAOSEXOTICA-
2007年の1st Album発表後,国内に留まらずヨーロッパ各国より多くのリアクションを受け、ディスコダブ、バレアリック、ハウス、 テクノなど世界のダンス・ミュージック・シーンにおいて熱いリスペクトを受け始めている国内きっての異才、COS/MESによる2nd Albumが遂に リリース!
DJ Yogurt & Koyasu / SOUND OF SLEEP & MEDITATION
アルバム『CHILL OUT』を2010年3月にリリース後、音楽誌や、サイゾー等の一般誌でも取り上げられ、3月以後毎月都内各所でライブをおこない、7月末にはFUJI ROCKにも出演する話題のユニットYOGURT & KOYASが早くも新たなアンビエント・アルバム『SOUND OF SLEEP & MEDITATION』をリリース! 今作はシリーズ4作目ということになります。
LIVE information
- 2011/1/20(木) @ 渋谷 club asia「magharibi -New Year Party-」(DJで出演)
- 2011/1/22(土) @ 下北沢 ERA「Earth Diver」(LIVEで出演)
- 2011/1/27(木) @ 青山 OATH「Instant Dub」(DJで出演)
PROFILE
西村尚美によるソロ・ユニット。浸透するように透明できらびやかな音色とメロディー、そこに拮抗する振り幅の広いリズム隊を操り、エレクトロニック・ミュージックの範疇ではありつつも、その中のどのジャンルにも収まる意思を見せないカラフルでエモーショナルな世界観の楽曲を産み出す。それらの素材をリアルタイムにエディット & ダブ・ミックスするスタイルでのライブと、自身の音楽観を派生/拡大解釈した様々なソースを大胆に紡ぐDJプレイには定評があり、いわゆるクラブ、ライブ・ハウスの現場だけに留まらず、メディア・アート系イベントから野外パーティーまで、昼夜を問わず様々な場面で様々なタイプのクラウドを唸らせている。また、2004年以降はアンビエント・ミュージックに特化したプロジェクト"PORTRAL"(ポートラル)としても12inchやアルバムなどを発表し、並行してライブ活動も行っている。最近では、東京・お台場にある日本科学未来館のプラネタリウムのコンテンツ『BIRTHDAY』の音楽制作や、NPOであるLAのネット・ラジオ局・ dublabの募金キャンペーンへの楽曲提供、Opiateが主宰するデンマークのレーベルHobby IndustriesからのASLOPE "A Helping Hand"のリミックス提供、海外でも評価の高い日本人アーティスト9dwへ提供したリミックス楽曲が2012年度の電通の新卒採用HP「DENTSU RECRUIT 2012」のBGMに採用... などのトピックに加え、エンジニアとして親交の深い他アーティストのトラック・ダウンからマスタリングまでの作業も数多くこなすなど、多彩に活動。自身のプライベート・レーベルPlain Musicも2007年から運営しており、自身の12インチやTシャツなどラインナップを増やしている。