私たちも少しずつライヴバンドらしくなってきている
──『季億の箱』のリリースを記念して、9月には東京でのワンマンライブ、11月には広島・福岡・東京をまわるツアーが開催されます。
ひとみ:今回のアルバムにはじめて収録した新曲3曲をはじめてバンドサウンドで聴ける場になる予定なので、ぜひ、聴きに来てほしいなと思います。
──最近の自分たちのライヴに対してはどんな手応えを感じていますか?
ひとみ:去年よりも多くのお客さんがライヴに来てくださっているんですよ。それと同時に、ライヴ映えする曲が増えたことから、ライヴの雰囲気も変わってきています。特にまーしーが作ってきた曲はライヴ映えするんですけど、まーしーが元々好きなパンクやロックの要素を、最近は上手いこと出せるようになったんじゃないかと私は思っていて。いままではバンドに寄り添おうという気持ちが強かったように思うんですけど。
まーしー:というか、あんまり難しく考えなくなったのかもしれない。そもそも(コロナ禍で)ライヴをやれない期間が長くあったから、あたらよのライヴがどういうものなのか分からなかったし、自分の好きなロック/パンク系の曲を書くにしてもどうアプローチしたらいいのかをイメージするのが難しくて、ちょっと探っていたところがあったんですよ。でも実際にライヴをやってみたら、みんな(観客)静かな音楽が好きと言いつつ、盛り上がる時は盛り上がるし、じゃあ俺もロック大好きだから、ライヴではガンガン行くぜ! と思うようになって。そうやって「もう自分を出すしかない」「全力をぶつけてみよう」という気持ちになったのが大きいかもしれないですね。
──なるほど。
ひとみ:曲が変われば、私たちが奏でるサウンドも変わっていくし、お客さんのノリ方や聴き方も変わっていく。前までは「あたらよといえば、バラードや恋愛系の曲」というイメージが強かったかもしれないけど、今はまた一つ違うステージに行ったというか。悲しみが漂っているのは変わらないけど、「悲しいこともあるけど、頑張ろうよ」という感じで、ちょっと開けてきていると思います。
たけお:(観客の)声出しも解禁されたしね。
まーしー:そうそう。
たけお:お客さんの声があるとやっぱりテンションが上がりますし、すごく楽しくライヴできています。
──今後ライヴをしてみたい会場はありますか?
まーしー:自分は豊洲PITでライヴできたら嬉しいですね。
──なぜ豊洲PIT?
まーしー:好きなバンドと同じステージに立ちたいっていう、それだけなんですけど……前に豊洲PITで観たNothing's Carved In Stoneのライブが超カッコよかったんですよ。俺らもここでやりたい! と思いました。あとはやっぱりフェスに出たいし、ホールライヴもやってみたい。多くの人に「こんないい曲があるんだぜ」って伝えたい気持ちもあるし、大きな会場なら映像演出とかをつけて、もっと没入感のあるライヴができるだろうし。
たけお:リリースを重ねるにつれて曲調も幅広くなってきているので、ライヴハウスに限らず、いろいろな会場でライヴをやってみたいです。
ひとみ:そうだね。私たちも少しずつライヴバンドらしくなってきているから、ライブハウスに限らず、例えば座って観られるホールとか、音楽にじっくり浸れる環境を作れる会場もいいなと思います。あとは、いつか弾き語りのライヴもやってみたいですね。

編集:梶野有希
『“季億”の箱』をそっと開く、あたらよのサードアルバム
LIVE INFORMATION
あたらよ サードツアー 〈“季億の箱”アルバムリリースツアー in「初めての土地編」〉
〈広島〉
日付:2023年11月11日(土)
時間:open 17:00 / start 17:30
会場:SECOND CRUTCH
〈福岡〉
日付:2023年11月17日(金)
時間:open 17:30 / start 18:00
会場:Queblick
〈東京〉
日付:2023年11月29日(水)
時間:open 18:00 / start 19:00
会場:下北沢Shangri-La
PROFILE : あたらよ
悲しみをたべて育つバンド。
バンド名の「あたらよ」は”明けるのが惜しいほど美しい夜”という意味の可惜夜(あたらよ)から由来している。2020年11⽉、YouTubeで初のオリジナル曲「10⽉無⼝な君を忘れる」を公開。切なくエモーショナルな歌声と、都会的な空気感、共感を呼ぶ切ない歌詞の世界観がティーンを中⼼に注⽬を集め、MVは4500万再⽣を突破。2021年3⽉に配信を開始すると瞬く間に、TikTok・LINE MUSIC・Spotify・AWA等で⾸位を獲得し、活動開始から1年⾜らずで「THE FIRST TAKE」に出演するなど、⼀気に⾳楽シーンで話題となった。2022年に⼊り、バズリズム02「これがバズるぞ!2022」、⽇経エンタテインメント「2022年の新主役100⼈」、週間朝⽇「今年”絶対くる”100⼈」に選出される等、ネクストブレイクアーティストとして各媒体から期待されている。
■公式Twitter:https://twitter.com/Atarayo_band
■公式HP:https://atarayo-band.jp/