踊るのが恥ずかしいという人も多いと思うので、まず自分から
──バンドのシンボルはヴォーカリストにもなるのではないかと思うのですが、米田さんとるいまるさんはまったくタイプが違うので、それもおもしろいなと思います。
るいまる:冒頭でも話した通り、まずシルエットが全然違いますよね。僕、身長が158cmなんですよ。だからステージに立った瞬間に「ちっちゃ!」みたいなリアクションをお客さんから受けることが多くて、誤魔化すためにステージでは前傾姿勢で立つようにしてるんですけど……米田さんは身長おいくつですか?
米田:僕はちょうど180cmです。
幸村:わー! 高い!
るいまる:ちなみに体重って何kgくらいですか……?
米田:56kgとか。
るいまる:怖い怖い怖い怖い!! 身長差22cmあって体重一緒です!(笑)
幸村:じゃあ米田さんに合う細身の服は、既製品だとなかなかないですよね。Sサイズだと丈が足りなくなっちゃうし。
米田:ものによってはオーダーメイドでだいぶ身体に合わせてもらってます。僕が影響を受けているのがフランツ・フェルディナンドというバンドで、ああいうふうに細身のシャツに細身のパンツでダンサブルな曲を演奏することに昔から憧れがあって。アメリカンというよりは、イギリスのシニカルな感じがライヴにも出ているかなとは思います。
るいまる:そうですよね。髪型も含めて紳士的なスタイリングだなと思っていたので「イギリス」と聞いて納得です。
──米田さんがフランツ・フェルディナンドのスタイルに憧れたように、るいまるさんは浜崎あゆみさんのスタイルに憧れたんですよね?
米田:あゆ!
るいまる:あ、そうなんです。僕、歌姫になりたくて。浜崎あゆみさん、鬼塚ちひろさん、MISIAさん、倖田來未さんといった歌姫を目指していたら、たどり着いたのがヴィジュアル系のヴォーカルなんです。
米田:まさか女性シンガー経由でヴィジュアル系をはじめはったとは。
るいまる:あの時代の女性シンガーさんみたいな世界観に近い男性ヴォーカリストはHYDEさんやGACKTさんだったのと、あとはディズニーランドが好きだったので、パレードなどに出演するダンサーさんにもなりたかったんです。それらが全部実現できそうだったのがヴィジュアル系だったんですよね。これが最初米田さんが言ってくださったような、ビバラッシュの音楽にも通ずるんです。引き算ができない(笑)。
米田:いやいや、でも本当にそれでバランス取れてるからすごいなと思いますよ。
るいまる:足してどうにかバランスを取るところがあるんですよね(笑)。「引き算の美学」ってよく語られますけど、自分の得意なところが足し算だったので、それを続けているというか。ヴィジュアル系は足し算とも相性が良かったんです。
──夜の本気ダンスは、足し算も引き算もどちらもできるバンドですよね。
米田:とはいえどっちが得意とかもないので、曲によって足したり引いたりしてますね。だからビバラッシュのような足し算掛け算特化型の方を見ると圧倒されます。
幸村:良くも悪くも、足し算の音作りだとギターのニュアンスはそんなに前に出てこないんです。ただ唯一ギターソロだけは聴き手やお客さんに若干ニュアンスが届く箇所なので、そこは気持ちを乗せて弾いています。ただ同期をあれだけバキバキに使うバンドでエモーションを出しすぎてもバランスが取れないので、繊細な音作りというよりはミスしないようにいっぱい練習するのが大事なんですよね。
るいまる:だから夜の本気ダンスさんは引き算が得意な方々だなと思いますね。最新アー写なんてまさにそうじゃないですか。僕だったらこの背景をヒョウ柄にしちゃう(笑)。洗練された引き算、ばり憧れます。ライヴ映像も拝見したんですけど、本当にスマートで。
米田:ステージングは岡村靖幸さんの影響も受けてますね。僕、岡村靖幸さん大好きなんです。あの変態っぽい感じがかっこいいなと思っていて。ヴィジュアル系の方にも通ずるものがあると思うので、ぜひ"家庭教師"の昔のライヴ映像をYouTubeで観ていただきたいです。ちょっとびっくりすると思う。
るいまる:(すぐにスマホを取り出して検索する)……あ、出てきました! このあとすぐ観てみます!
──米田さんが岡村靖幸さんのステージングから影響を受けているのは納得です。でもコピーではなく、オリジナルに昇華していますよね。
米田:自分のキャラに合わないというか、なんか違うなと思うことはしないようにしてますね。ライヴで煽るときにオラオラな人もいますけど、僕らとしてはお客さんに踊ってもらうのも、やりたくないならやらなくてもいいし、やりたいと思ったらやってくれていいよというテンション感で。だからなにか言うにしても「踊ってくれますか」みたいに敬語のことは多いですね。でも踊りたいけど踊るのが恥ずかしいという人も多いと思うので、まず自分が踊ってみせるようにはしていて。
るいまる:わかります。まずバンド側から行動を起こすのは、シンプルだけどめちゃ大事ですね。
米田:ステージ上の人間がアホみたいに踊っていたら、観ているほうもあんまり恥ずかしさとかもなくなって「自分もちょっと踊っていいかな」という気持ちになるんじゃないかなと思って。だから自分が率先して音楽に身を委ねて踊ってみせるようにはしてますね。
るいまる:僕らも一緒に踊ってもらう曲があるんですけど、ステージから観てると「あ、この人は踊りたいけど恥ずかしくてできない人だな」ってわかるんですよ。
──へええ。観客側からすると、そこまでわかってしまうものなのかとびっくりです。
るいまる:めっちゃわかりますね。「あなたたちのライヴを楽しんでるけど踊るのは勘弁!」みたいなのも、「わたしはこの後出てくるお目当てを待ってるの!」とかもわかります(笑)。そういう人たちも踊らせたい気持ちはあるけれど、やっぱりそれぞれの楽しみ方があるのでそこには触れず、踊りたくてもなかなか踏み出せなさそうな人たちにはアプローチしますね。言葉で届かないなら物理的な距離だ! と思って直接行って次々手ほどきすることもあります(笑)。
──お時間が迫ってきましたが、今回お話してみていかがでしたか?
るいまる:米田さんがすごく丁寧で話しやすいお兄さんだったので、ちょっとびっくりしました。曲やライヴのイメージから勝手に、風呂上がり、濡れ髪、バスローブで「今日はよろしくね」みたいな感じかなとちょっと思って(笑)。
米田:全然そんなんちゃいますって(笑)。
るいまる:全然違いました(笑)。
幸村:僕ももっと俺様タイプの方なのかなと思ってたし、僕らとしてはそれで「わー! かっこいい!」みたいな感じになってはいたなと思うんです。でも接しやすい方で、今回お話できてとてもうれしかったです。
米田:僕も「ちゃうとは思うけど、アゲでチャラいだけの人たちやったらどうしよう……」とは思ってました(笑)。リモートではありますけど、おふたりの丁寧さや優しさを会話に感じられたので、イベントの前にこうやってお話させてもらって、本当によかったです。
──〈アゲアゲJAPAN’24〉もいい1日になりそうですね。
米田:その日ならではのストーリーが生まれると思うので、僕らもそのなかにしっかりと入って、ビバラッシュの皆さんにちゃんとバトンを渡せるようなライヴをしたいですね。僕らを知らん人がいつもより多いぶん、より自分らしくやるのがいいのかなとも思っていて。ひたすら全力で臨みます。
幸村:夜の本気ダンスを観に来るお客さんも、きっとヴィジュアル系を観るのが初めての方も多いと思うんです。だから僕らも主催者として「どうしたらいいんだ?」という困惑はできるだけ取り除きたくて。当日に至るまでにヴィジュアル系の文化やライヴの楽しみ方をSNSを通じてお伝えしたり、お客さんを巻き込んで楽しめるライヴ作りを丁寧にしていきたいですね。
るいまる:〈アゲアゲJAPAN’24〉は最強の足し算だと思うんです。各バンドさん全然違った空気感があるけれど、そのバランスを取るのは得意だという自負があるので、主催者としてこのイベントにしかない空気感を作りたいですね。ビバラッシュも自分たちらしい「アゲ」を届けたいですし、夜の本気ダンスさんのライヴを実際に観て大人の魅力を学んでいきたいです!
編集:梶野有希
〈ビバラッシュ Presents「アゲアゲJAPAN’24」〉
ビバラッシュ Presents〈アゲアゲJAPAN’24〉フライヤー
日付:2024年5月17日(金)
時間:16 : 30(OPEN) / 17 : 15(START)
場所:大阪・GORILLA HALL OSAKA
【出演者】
かずき山盛り/KEYTALK/バックドロップシンデレラ/ビバラッシュ/ BabyKingdom/夜の本気ダンス
料金 : 前売りチケット 5,000円 / 当日券 5,500円 ※ともに税込、ドリンク代別途
チケット:https://eplus.jp/vivarush/
ビバラッシュの直筆サイン色紙&チェキが3名に抽選で当たる!
【ビバラッシュ】直筆サイン色紙&チェキ
応募フォーム:https://forms.gle/UWW6CaSpxr1mbXH98
※締切:2024年5月15日(水)23時59分まで
アゲアゲ↑↑になること間違いなしのライヴ定番曲!
他出演者との対談
ビバラッシュの作品はこちらから
夜の本気ダンスの作品はこちらから
PROFILE:ビバラッシュ
2016年、活動開始。自由をコンセプトに、ビバがスプラッシュするように、音楽の楽しさをオーディエンスに伝えていく。“アゲみ集団”という謳い文句通り、ユーモアたっぷりで華やかなムードのグループだが、パワーポップ調からEDM要素など、様々なエッセンスを持ち合わせ、予想を超えるサウンドとエンターテインメント性で聴く者の心を持ち上げる。ファンの愛称は「Dreamer」。
■公式HP:https://vivarush.jp/
■公式X:https://twitter.com/vivar_official
PROFILE:夜の本気ダンス
2008年結成、京都出身、"夜"も昼も聴く者全てを"本気"で"ダンス"させる、米田貴紀(Vo/Gt)、鈴鹿秋斗(Dr)、マイケル(Ba)、西田一紀(Gt)から成る大注目の4人組ロックバンド。ロックのピュアな初期衝動と多様なエッセンスが融合し生み出された独自のグルーヴとグッドメロディーが、躍動感溢れる"人力ダンスミュージック"に変貌を遂げ日本全国を席捲している。
■公式HP:https://fan.pia.jp/honkidance/
■公式X:https://twitter.com/honkidance