俺らがカウンターをしていくには、どうしたらいいのか
──じゃあ本音を言うけど、俺はtakayaにパンチがもっとほしかったな。それは耳に残る言葉とか一瞬気を取られるレベルじゃなくて、“white tree 2011”の最後のようにヴァース丸ごと使って引き込まれる曲が“丘”とあと1曲は欲しかったとは思ってる。
takaya : そうだな。まぁそれは正直俺もそう思うわ。スムーズなラップを意識してなかったけど、いなたさはもう無い。俺はすげえ生活と(曲が)リンクしてて、いますげえ安牌な生活で全然刺激も無いわけよ。イライラもしないしさ。
──でも、無理に褒めてるのではなくて、それでもセカンドのほうが聴き応えがあるよね。ファーストはアルバムが整っていただけでなく、ローファイ・ヒップホップの流行りも追い風になったと思う。それが無い分、アルバムの聴き応えよりも反応が少ないなと思うよ。
kyon : 確かに当時俺らはシティなんとかに分類されたけど、セカンドではそういうナードなラップしてないからね。
──俺はCBSがナードだと思われてないと思うよ?
kyon : いや、そうじゃなくて俺らの音楽は自分たちで格好良いとおもってるけど、それはジャンルを取っ払った話で、ヒップホップとして見たらどうなんだって思うときはある。そこだけなんだよ。俺はヒップホップでありたいしさ。だから俺らがカウンターをしていくには、どうしたらいいのか。それしか考えてない。
takaya : 俺も最近、「俺全然ラッパーじゃないな」って思うわ。ラップしてる、してないとは別の話で、思考回路がラッパーじゃなくなってきてる。いままでなにを見ても「これをラップにしてみよう」とかあったけど、そういうのが無くなった。それはそれで、いちいち考え直さないようになった。
──色々なものからインスピレーションを得ようと思わなくなったってこと?
takaya : そうだね。前はビールを見ただけでそれをテーマに曲が書けたと思うけど、いまはそうならない。過去のことやいまの自分のマインドとか(をラップにする)。
kyon : MVにした理由は忘れたけど、“Time”の冒頭のtakayaのヴァースが意図せず全てを物語ってるんだよね。〈ウイスキーを飲み最近は吐くぞ ウィードばっか吸いたいが捕まるぞ タイ・バンコク住みたいのに東京 輝きたいのにくだまくぞ〉って、要は俺らってそういうことなんだよね。それを受けて俺は最近話題のウィードのネタで締めたかったの。〈スモーク・ウィード解禁までは何年? 合法ならまた 皆で焚いて〉って。ここに俺らのリアル・シットが詰まってるんだよね。本当、そういうことかなって思ってるよ。
──なるほどね(笑)。本人の解説をもらったから聴き直してみます。
takaya : でもお前と話して俺頑張ろって気になれたわ。ここ最近全然やる気がでなかったから。ありがと。
──今後の曲を楽しみにしてます! さて、アルバムを出したし次の予定は決まってますか。
ryo : セカンドが出たばっかなんだけど、俺ら的には新曲を出した感があんまりないから、溜まってるやつを仕上げて、またすぐ出しちゃいたいなと思ってるよ。あとはライヴがいくつか。〈Pistachio Studio〉でいうと最近はよく自分らで企画してイベントやってて、それが楽しくてちょっと大きめなやつもやってみたいなーとか思ってる。
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PROFILE
CBS
ネオ・ソウル、ジャズ、ラップの融和、生バンドとのセッション/制作を独自に追求する神奈川発のヒップホップ・グループ。kyon、takaya、bashoの3MC、ビートメイカー/ドラマーのryo takahashiから成る。
【Pistachio Studio HP】
https://pistachiostudio.net/
【Pistachio Studio Twitter】
https://twitter.com/pstchstd