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ROMANCREW3年振りの新作『ロマンのテーマ』配信開始!
数多くの客演により、ヒップ・ホップ・シーンでは誰でも一度は名前を耳にしたことがあるラップ・グループ、ROMANCREW。ジェームス・ブラウンを彷彿とさせる気持ちの良い声質でリズムを取るエムラスタ。一方、クールさとウィットを効かせ、渋い語り口調の2枚目キャラ、将絢。その中間、まさに「2.5」枚目といったキャラのALI-KICKが歯切れの良いフロウで、土台を固め、バランスの良い三色のグラディエーションを見せてくれる。DJ TOKNOWとALI-KICKの作るファンク色の強いトラックの上で、その三色のグラディエーションが精一杯のエンターテイメントをしてくれるのだ。大阪アメ村を拠点としていたグループだからか、ちょっとした笑いを挟む仲間内のじゃれ合い感で、マイク・リレーを楽しませてくれるのがROMANCREWだ。そんな、遊び心あふれる彼らのスタイルだからこそ、「新しい価値観の日本語ラップ」という評価を得ている。
にしても、彼らのように名実共に備わったグループが、今セルフ・タイトルのアルバムを、3年のブランクを経て完成させた心境とは、どのようなものなのか? これを聞いて、これから始まるラップ・エンターテイメントを堪能しろ!
インタヴュー & 文 : 斎井 直史
直球勝負の新作! 『ロマンのテーマ』は必聴だ!
ROMANCREW / ロマンのテーマ
ROMANCREWの約3年ぶりとなるフル・アルバム『ロマンのテーマ』が遂に完成。1年近くかけ、Noフィーチャリング、No外部トラック・メーカーで作り上げた今作は、強烈なファンクの要素の残しながらも、ポップに走るライミングはもはやベテランの安定感。
ROMANCREWなりの化学反応
――まず、ROMANCREWの経緯と、皆さんの影響されたヒップ・ホップを教えていただきたいのですが。
エムラスタ(以下、エ) : 99年に大阪で今のメンバーじゃない人がROMANCREWの名前を作って、メンバーの入れ替えがありながらも大体2002年にこのメンバーの構成(3MC&1DJ)で、マイク・スタンドを使ってライヴをやるスタイルが固まったんです。僕らの中でALI-KICKが一番年上で、一番早くから活動してました。僕に関しては、さんピンCAMPに影響されてから、色々と当時の頃のヒップ・ホップを聞いていました。ALI-KICKや、今はいないメンバーに色々と教えてもらったりしてましたね。DJ TOKNOWは別の所の先輩達に教えてもらってたりして。
DJ TOKNOW(以下、T) : 僕は日本語ラップをガッツリ教えてもらったのは、ROMANCREWに入ってからですね。エムラスタが色々と教えてくれました。当時、日本語ラップでDJする人は殆ど居なかったんですよ。DJするのも、聞くのも、ほとんど海外のものでした。99年頃は自分達の周りで所謂「アングラ」が流行ってて、The Pharcyde、Jay Dee、DJ KIYOのミックス・テープとかは身内でも聞かれていたので、そこからソウルも聞くようになっていきました。当時はメジャーの新譜はあんまり聞いていなかったけど、段々と好きになって聞くようになりましたね。
――その当時の大阪はどんなシーンだったのか教えてください。
エ : 大阪は当時アメ村が中心で、アメ村の中にいろんなクラブがあったから色々ハシゴできました。その環境の中で活躍する先輩達がいて、僕らはその中でも特にSHINGO★西成に可愛がってもらいました。あと、僕らが東京に出て来た時は、まだ大阪でイベントをやっていたのでたまに戻ってたんです。そこで、ようやく仲良くさせてもらったのが韻踏合組合。アメ村には韻踏のショップもありますから、彼らの存在は大きいですね。
――ライムスターと親交が深いとお聞きしていますが、それはどんな経緯が?
エ : Blastっていう雑誌にデモ・テープのコーナーがあったんですね。僕らがそれに一曲だけ送ったら好評を頂いて、BBOY Parkと同日にある新宿のイベントに出演させて頂いたんです。その時に、ライムスターの宇多丸師匠から直接褒めて頂いたんですね。あと、DJ Jinが大阪のクラブにプレイしに来てくれた時に、『Mi Familia』というアルバムのアナログを渡したら、気に入ってその場でかけてくれたこともあって、その後Mummy-Dを紹介してもらって「紳士同盟」っていう曲で、ライムスターのアルバムに客演させていただいた具合ですね。その後は、ライムスターと一緒にツアーを回らせてもらって、その間に製作していた僕らのファースト・アルバム『The Beginning』に、今度はライムスターに参加してもらって「スウィンギーボンボン」という曲を作りました。
――ROMANCREWは曲のテーマがそれぞれ明確ですが、それはライムスターのラップにも通じていますよね。
エ : 「紳士同盟」の時、テーマを決める為にファイル・レコードの事務所に行って話し合ったんですけど、僕らが話し合うよりも彼らの会議の方が緻密な印象を受けたんです。「紳士同盟」については僕らは精一杯やっただけですが、ライムスターのテーマの理解度が高いんですよ。でも、そこで学んだこととか、KREVA、NONA REEVES、Scoobie Doなど色んな人たちと一緒に作曲することで、作曲の進め方やテーマの作り込み方が学べたと思いますね。
――それまでは緻密なテーマ設定というのは、さほどなかったのでしょうか。
エ : 結構ストレートだったと思います。テーマ性は勿論あったけど、その『Mi Familia』っていうのにしても、大阪での自分達の生活をそのまま剥き出しで歌う。違う切り口で物事を見て、どうやって構築していくかは、今回のロマンのテーマを作るまで時間がかかってましたね。
――時間がかかった、というのは主にテーマについての話し合いが多かったり?
エ : 大体、一年くらい制作に費やしましたが、まぁ... 話し合いが多くて。みんな「しんどいしんどい」って感じでしたね。
――曲順はそれぞれのメッセージをテーマになぞらえて並べたものだったりするのですか?
T : 今までのアルバムとか聞いて貰えればわかると思うんですけど、今回って並べ方が今までと違うと思うんですよ。前半にテンションが高いのが固まっているようなイメージを持つと思うんですけれど、そのへんも今までの作品を聞いてくれた人からすると、変えてきたなぁと思うかもしれませんね。良い並び方になったと思います。
――今回の制作は、音とテーマではどちらが最初なんですか?
エ : 今までは音でした。だけど、今回に限っては、テーマが先に出たり音があったりですね。今までの話し合いっていうのは、もうちょっと漠然としたものだったし、曲に関係しないことでのミーティングも多かったけども、今回のロマンのテーマに関しては、一つ一つ充実した話し合いが出来てましたね。
――音に関してはALI-KICKさんが最初に提示するんですか?
ALI-KICK(以下、A) : 俺とTOKNOWですね。
――ROMANCREWはラップのみならずトラックもキャッチーに作り込まれていますが、ターゲットとしているリスナー層はあるのでしょうか?
ALI-KICK : んー。特に無いですよ。好きな様に作るのが基本的な姿勢です。だけど、普段から「これはROMANCREWで使えるかも」って貯めてる分が、一番最初の時点で30曲くらいあって、そこから使ったのが2、3曲ですかね。で、そこから話しながらも「こういうのがいるんじゃない? 」となる。それで、後から作った何曲か持って来たうちの、「コレイイね」という曲を使う。その間にもテーマの話合いも進めてて、色々なアイディアが生まれて、どうゆうリリックを書こうかっていう話になったりしますね。
――その「ROMANCREWで使えるかも」っていうのは、どういった判断基準なんですか?
A : そうですね。凄い難しい話ではあるんですけれども... 。後から考えてみれば、判断が正しかったなって思うことあるんですよ。それに、別の人のプロデュースで作ったものを、ROMANCREWでやれないわけでもないんでね。サビなりのラップを乗せる時点でどうなるかっていうのは、ROMANCREWなりの化学反応で特殊な曲の出来上がり方がありますからね。それを思うと、ROMANCREWでどうなるかっていうのが見えやすいトラックが、判断基準ではありますね。
――それはROMANCREWの場合は、それぞれの個性による役割分担の図が描きやすいっていうことですかね。
A : いや、すごく光る個性が色々な方向を向いているので、それをひとつにまとめるために強いビートが必要になるっていうこと。その強い土台をもとに幅広くロマンらしさを出すっていう感じかな。
次回は焼き直しでもいい位
――ちなみに、ところどころにコミカルな部分が入るのは、大阪出身ならではということもありますか?
A : やっぱりラップというのは基本的に、とある誰かの話をするよりは「俺はこうなんだ」ってことを言うものだと思うんです。自分らが生きてきた中で、自然に出てくる自分なりの言葉を並べないと、その曲は嘘になるし、カッコ良くはならないんですよ。その人なりっていうのを突き詰めて、今作は着地しました。同じ大阪から参加している韻踏合組合なんかも普段から楽しい人達なんで、やんちゃな所はありつつも、曲にはその要素が自然と出てますよね。
エ : 今回が一番、普段の自分達に近い感じが出ましたけどね。
――仲間同士の普段の感じを出すために、今回は客演ナシに至ったのですか?
A : うん。それと、手一杯だったというのも含めですね。さっきも言った様に、色々な個性があるっていうのを一つにまとめるだけでも、すごく大変な作業で、その手応えが出てきたところなんで...。そこで、もう一つ外部の輝く個性を持ってくると、破綻するかもわからない。それに、結局自分達だけで、曲が出来ちゃうわけですよね。となると、客演が必要っていうアイデアすら出なかった。誰か呼ぼうって話もしないくらい、自然と今回は四人だけで作れましたね。
――それは曲作りに関して、メンバーの持つ意識がしっかりと一致しているかもしれないですね。リリックは勢いで書き上げられることも多いと思うのですが、そういった作業はしなくなった?
将絢(以下、将) : いや、ありますよ今回も。
エ : 早い人は早いよね。「R.O.Slang」とか早かったですね。サクッと書くことは昔より出来るようにはなってますね。それを一曲の曲としてOKを出せるかっていうことで、よく話し合いますね。
――フリー・スタイル的に早く作るスキルが身に付いたからといって、それは曲のクオリティには反映されない?
エ : そうですね。それぞれの価値観を持ってそのテーマに取り組むっていうことになると、どうしてもバラバラになってしまう切り口を、どうゆう順番なら秩序が乱れないのかとかを考えます。他のメンバーのヴァースにダメ出しをして、変更することもありますよ。ほぼ全員が頭からケツまで集中力を持って、それに意見するんです。曲のクオリティを上げる為には必要なんです。自分で完結して3ヴァースを書くのとは違うと思います。
――「45395」は曲作りに頭を悩ませている曲ですよね。これまでも、このように試行錯誤を繰り返されてきた?
エ : 今作では、全員が同じ意思を一貫して持って、作品を完成させるということが、ようやく出来る段階に来ました。今までは、少し自分のことで精一杯だったり、自分の価値観をぶつけることしか出来なかったんですけどね。
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――ということは、4人をうまく活かせている一番の聞きところってどこですか?
エ : それは散りばめられていますね。「R.O.Slang」とかはトラックを聞いて、まずカッコいいってなるじゃないですか? それぞれに応じて、どんな着地をしているかに注目してほしいです。
T : 曲によって役割があって、それが集まって一枚のアルバムになっていると思うんで、一曲抜き出して聞いてもらうというよりは、全体的に聞いてもらいたいですね。
――これはオフレコかもしれませんが、たまに一枚のアルバムを聞いていると、一貫して似ているメッセージになっているために好きなのに聞き終えて疲れてしまう時があるんですよね。
T : それオフレコですね(笑)。
エ : ある! ある! それはあります(笑)。
将 : 紙面が楽しみ(笑) 。
――でも、今回は違ったんですよ。というのも、曲ごとにキャラが立っていたから、メッセージが明確に伝わってきても、押し付けがましい感じが無いんですよね。
T : まあ曲数も実質10曲くらいやし、長さも45分くらいという、ちょっと物足りんくらいが丁度いいかなってのもあったんですよ。それで繰り返し聞いて貰いたいっていうのもあります。
――今回、デビュー・アルバムではないのにグループの名前を全面に押し出したタイトルにしたのは、なぜですか?
A : 自信ですよね。ROMANCREWっていうタイトルでもいいかな、と思うくらい。セルフ・タイトルってやっぱり大事なものにつけるじゃないですか。そうゆう気持ちがありましたね。
――では、過去を含めて自分たちのベストの出来と言える?
A : 完全にベストですよね。出来たもの、作る過程、着地までに通って来た道を含めて、ベストですよね。
――今作がベストという言葉が聞けましたが、次回作はどんなものになるのでしょうか?
A : 次は焼き直しでも良いと思っていますね。こう言うと「同じことをやるの? 」って、マイナスな風にとられるかもしれないですけど、同じ手法を以って違う角度からアプローチするんです。例えば、同じテーマでも違う角度から見て書いたやつは、また違う面白い曲になる自信もありますしね。例えば「御冗談」だったら、ベーシックなヒップ・ホップ寄りのビートに、ちょっとハードなギターがあって、そこにハードな言葉を乗せて、クラブ受けも良いようにBPMを100位にした曲なんですけど、次回またそのような曲が入ってきても良いんです。だから、新しいことを模索するというよりは、今完成された道のりをもう一度歩き直すという感じです。また、歩いてたら気づくことも沢山あるだろうし。これより良い肉が付いたアルバムが出来るんじゃないかなって思います。まあ、作り出したらどうなるかは解んないですけど。
海外のラップは、日本語ラップに寄って来ている。
――では、これからは曲の制作にかかる労力も段々と小さくなっていくのですかね。
エ : どうなんですかね。またその時はその時で、また悩むんでしょうけど。ただ、今作が出来て思うのは、これまではずっと土台作りだったなって思います。自分達の基礎となる部分がようやく出来ました。だから、ロマンのテーマって思えるんです。この基礎を元にいろんな角度から見てみたり、更に挑戦はもちろん続けて行きますけれど、基礎が出来上がったということですね。自分達の世界観っていうのが、今まで持っていたものを更に研ぎ澄ましてロマンのテーマっていうのが作れたとは思うんです。
――レコーディング中、皆さん何を聞かれたりするんですか?
T : 僕は別に意識せずに何でも聞きますけどね。どう? ラップ聞かないとか、あるの?
エ : 僕は日本語ラップは、制作に集中していくにしたがって、一気に聞かなくなりますね。メロウな曲を聞いたり。John Legendとかをリラックスして聞きます。海外のラッパーの新譜とかは買ったりしますけどね。
――日本語ラップに限って聞かなくなるのは何故ですか?
エ : オリジナリティや癖が外から影響を受けないように、じゃないですかね。特に「45395」でも書いたんですけど、フロウと、リリックの内容、韻。それに加えて声の出し方とか、そうゆうことを含めたら、映画でも小説からでも影響を受けるんですよね。結局、日本語ラップは自分と同じことをやっている近い存在だから、あまり耳に入れたくないって感じなんでしょうね。他人っぽさが、ちょっとだけでも出てもらいたくない。
将 : 俺は何も気にしないですね。ラジオ流しっぱなしとかなんでね。特にこれを聞こうとかも無い。でも、たまに制作中に「とりあえずメソッド・マン聞いとこ」って思ったりします。そして、「あーカッコ良いな、この人。やっぱ、いいなぁ」って。
エ : わかる! (笑) メソッド・マンは聞く!
将 : 「いいなぁ、こんなんなりたいわぁ」って思った後に、全然違うものを書きます(笑)。
A : 完全に自論ですけど、本当にビートとラップだけでカッコ良いのは誰かということになったら、メソッド・マンとレッド・マンですよ。それこそ五分で作ったビートにラップさせてもカッコいい。(サンプラー叩くマネをして)普通のドラムに「Yo」って入っただけでカッコいい。プロデューサー目線で言うと、カッコ良いラッパーっていっぱい居るけど、あの二人は普通に打ったドラムにファンクなベース・ライン入れて、あとはラップをしてもらえばいいくらいなんです。そこまでにラップの強度が高い。
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――それはメソッド・マンとレッド・マンはどんなビートでも無条件にカッコ良いっていうことですか? それとも、ベーシックなビートがカッコ良いんですか ?
A : ベーシックなビートのが、よりカッコ良い。ラップの在り方の一番基礎にいますよ。「ラップってカッコ良いんだ。」っていう初期衝動が、その二人にありますね。どの曲にしても、やっぱり最後は「ラップってカッケー」に辿り着く。その境地に行きたいけどっていうところで、行ったり来たりしていますね。海外のヒップ・ホップを聞いてカッコ良いなぁって思っては、自分なりのフロウを作ったり。そういう作業をしていますね。
――英語のラップから学ぶものって、どんなものでしょうか?
将 : 最初はウソ英語でやったりとかしますからね。ごにゃごにゃ言いながら書いたりする。リリックに関しては何を言っているか解らないけど、その響きやフロウに関しては学ぶところがあるし、みんなそうなんじゃないですかね。日本語を英語っぽく言ったりとかってよくあるじゃないですか。
――ALI-KICKさんに関しては、普段なにを聞かれているんですか?
A : 色々っていう答えになっちゃいますよね。ヒップ・ホップはめちゃくちゃ聞きますし、歌モノも聞いたりします。新しいものは、まずチェックするっていうのがヒップ・ホップのプロデューサーとして、しなければいけないと思っているのでね。若い子で面白いのはドンドン出て来て、嫌でも耳に入って来ますし、仕事を一緒にしたい人はいっぱいいます。それこそ『SPILIT EP』でもやったけどS.L.A.C.K.とか、RAU DEFとかAKLOとか... 挙げ出したらキリが無いですよね。
――彼らの何が新しいと思わせてくれるんですかね。
A : その話になると長くなっちゃいそうですが... まず、英語っぽいフロウだし、英語も多い。というのも、リズムの刻み方が昔は一小節あったら八分音符で八文字入るワケじゃないですか? その言葉の入れ方が段々複雑になってきてます。進化系です。母音と子音をちゃんと分けて使ってる。例えば「か」だったら、Kの部分とAの部分で、Kの部分をビートの前に引っ掛けたりするフリーキーなフロウですよね。言葉が聞き取りにくいっていうのはあって、一長一短あるとは思いますが、今の流行りではありますよ。ラップが好きな人は楽しめる感じかと思います。
――RAU君は前のインタビューでLil' Wayneが大好きだって言ってましたし、影響されるラッパーで基準が変わるのかもしれませんね。
A : そうですね。何が基準かは変わってきているんでしょうね。でも、海外のラッパーも大分シンプルになってきていると思うんですよね。海外のトップのラッパーは、日本語ラップに寄っている傾向ですよ。
――それはどうゆうことですか?
A : シンプルな言葉の乗せ方が主流になってきているんですよ。さっき言ったように、一小節に8つ位しか母音を入れない。入れるにしても言葉の隙間に、緩急入れずに淡々としたフロウに変化している。
――非常におもしろいお話が聞けました。ありがとうございます。アルバム・リリース後の予定などは?
T : ツアーですね。全部で12、3箇所かな。
エ : 7月2日にワンマンをやるんですけど、その後もまだ周り続けるって感じです。今回はアルバム・リリースが3年ぶりなんですけど、次は3年も空けるつもりも無く、動いて行くつもりです。ライヴと並行させていきたいですね。
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KOCHITOLA HAGURETIC EMCEE'S / HUGLIFE
鎮座ドープネス、サボ、カトマイラの3MCから成るヒップ・ホップ・グループ。強烈なインパクトを残したことをきっかけに、知名度を上げる。またや「蝕」といった日本語ラップ・イベントにも出演を果たし、友達も増える。この間鎮座ドープネスはSkyfishやDJファミリーといったDJ、トラック・メーカーとセッションを重ねたり、ハイファナの作品『Nampoo Cable』や『Connect』、環ロイやゼン・ラ・ロックのアルバムにもフィーチャーされ注目を集める。2008年、紆余曲折を経てメンバーは3人に落ち着き、やっとグループのアルバム「HAGLIFE」を出す気になったコチトラ・ハグレティック・エィムシーズ。
ホームランチョップ / 予告ホームラン
切り株に座るとブッ飛べるらしい... 都市伝説楽曲「デスきこり」そしてただ鍋を食べようと歌う「nabe」。宝くじについて歌う「ジャンボくじ」、などなど全ての収録楽曲が普遍的かつストーリー性にとんだ楽曲でヒップ・ホップだけに留まらずフォーク、ロックにも全然行けちゃいます!!
LIVE information
- 3/18(金)@渋谷THE GAME
- 4/01(金)@京都Lab Tribe
- 4/02(土)@渋谷THE GAME
- 4/15(金)@渋谷PLUG
- 4/23(土)@横浜THE BRIDGE
- 4/29(金・祝)@岡山RHYME
- 4/30(土)@徳島FUNZONE
- 5/03(火・祝)@宇都宮
- 5/27(金)@渋谷FAMILY
- 5/28(土)@青森
「ロマンのテーマ」RELEASE PARTY ワンマン・ライヴ
7/02(土)@SHIBUYA BOXX
OPEN 18:00/START 19:00
PROFILE
1999年、大阪で活動を開始。幾度かのメンバーの加入・脱退を経て、現在はALI-KICK、エムラスタ、将絢、DJ TOKNOWの3MC+1DJのスタイルで活動中。累計ライヴ回数も500本を越えた2004年には活動拠点を東京に移す。以降、ブラック・ミュージックを中心とした様々な音楽を吸収し、自分たちのスタイルに落とし込むセンスは各地で絶賛される。音楽性は元より、エムラスタによるJBさながらのMC、ヒップ・ホップというジャンルにおいてマイク・スタンドを多用したユニークなライヴ・スタイルは、シーンに新鮮な驚きと独特のグルーヴをもたらした。 2007年に1stフル・アルバム「THE BEGINNING」、2008年には2ndフル・アルバム「DUCK’s MARKET」をリリース。FUNK色が濃いながらも不思議と耳触りのよい、彼ら独自のPOPエッセンスを織り交ぜた完成度の高い作品は日本語ラップ・シーンで話題となるが、レーベルの消滅とともに廃番となり、現在オークション市場では1万円以上の高値とを付けるレア盤と化した。2006年発売「RHYMESTER/HEAT ISLAND」の収録曲「紳士同盟」を始め、2007年「My Life/KEN THE 390」、2009年「GO/NONA REEVES」に参加。RHYMESTERの「HEAT ISLAND」リリース全国ツアーに同行し、「紳士同盟」を始め、ROMANCREWの持ち曲も披露し鍛えられたことにより、細部にエンターテイメントの拘りを持ったライヴを更に意識するようになる。トラック・メイカー・プロデューサーとしても活躍しているALI-KICKも、 KREVA、サイプレス上野とロベルト吉野、TARO SOUL、韻踏合組合、SHINGO★西成、童子-T、久保田利伸など、数多くのアーティストにトラックを提供している。前作から約3年の時を経た2011年、満を持して発売される3rdアルバムに期待は高まる。