一行で表されてるのが本当にすごいです。雫さん天才だなって
──念の為確認ですけど、Souさんのファンの方々から「ありがとうございます」のお礼は…幻聴ですよね?
雫:幻聴です。
Sou:いや多分言ってましたよ。多分。
雫:じゃあ言ってました(笑)。
一同:(笑)。
雫:あとSou君と打ち合わせの時に、「歌詞の一人称は、“僕”がいいかな」みたいな話をしたときに、でも「自分のことを“俺”って言うときもあります」という話をしたんですよ。だからサビには「いま僕の、いや、俺の本当を 叫び出す」って“僕”と“俺”の両方を入れちゃいました。
Sou:ここすごく上手いなって思いました。やっぱり僕も、例えばこういう取材だったりとか生放送では、一日を“僕”で喋るんですよ。でも友達とかとラフに喋ってるときとか本心の部分で言うときは“俺”って言うので、それがこの一行で表されてるのが本当にすごいです。雫さん天才だなって思いました。
雫:良かったです、天才で。いまめっちゃ天狗になってます(笑)。普通にSouくんへの提供楽曲として120点出せたなって思っているし、これ普通に自分も歌いたいなとも思ってる。
Sou:歌ってくださいよ!
雫:じゃあ歌うか、セルフカバーもやるか(笑)。
──(笑)。Souさんは実際歌ってみていかがでしたか?
Sou:高いんですけど、無理に出すほどの高さではなくて、音域的には気持ちよく歌えました。
雫:すごいなー! Sou君だから歌えてるだけで普通の人からしたらかなり高いですよ。仮歌は僭越ながら私が歌ったんですけど、サビは地声で出ないところがあったので、ミックスボイス出して録ってたんですよ。でもそこをSouくんが地声で歌ってきたので「えっ! すごい!」ってなりました。
Sou:すごい…んですかね。あんまりわからないんですよ。ちょっとミックスボイスやってみたくて。
雫:いやいやミックスボイスって、地声で高い音が出ない人がやる手法やと思うから、地声で高い音が出せる人はせんでいいのよ(笑)。
──おふたりはヴォーカリストという共通点がありますが、お互いのヴォーカルについてここがいいなと思う点はありますか。
Sou:雫さんの歌は全部好きですけど、特に息の使い方がすごいですね。声にどのくらい息の成分入れるかの調整が上手いなって思います。曲と曲の間の息継ぎの部分だったり、強弱の部分にも、その声にどれだけ息入れるか入れないか表現をしたりするんです。そこのバランス調整みたいな部分が本当に上手いなって思います。
雫:照れるなー(笑)。
──そのあたりは意識して歌っている部分なんですか?
雫:そうですね。全てにおいて意識してますね。私はやりたいこととか、ここでこういう歌い方で、ここは半音しゃくる、みたいなのとかを全部考えてやってるんです。だからやらなきゃいけないことが多すぎて、「もうできん! 」とか言って、レコーディングのときたまに暴れ出しそうになります。
Sou:暴れて出来上がってるんだ(笑)。
雫:涼しい声とか言われるんですけど、結構暴れてますね。テイクとテイクの間に結構ぶつぶつ言いながらやってます。
──雫さんから見てSouさんのヴォーカルはどうですか?
雫:ハイトーンが綺麗みたいなことはみんな知ってると思うんですよ。でもSou君の声って張りがあって伸びやかなんです。ちゃんと音が繋がっていて欲しいところで繋がっている。リズムの捉え方なのかな。伸びやかさが楽曲全体の疾走感を生み出してくれてるんですよ。でも16分のリズムもしっかり捉えて歌ってて、キレを出したいところは出している。これが両方できる人っていうのがなかなかいないんですよ。
Sou:ありがとうございます。めちゃくちゃ嬉しいですね。
雫:しっかり声帯をコントロールできてるんだなって思いますね。表現力も素晴らしいし。“WHAT”の2番Aメロの表現力がとにかくすごかったです。
Sou:歌の中でリズムとか自分の歌のノリを合わせるのに神経使うんですよ。そこを気づいてもらえたのは嬉しいですね。
雫:それができるのが、上手いヴォーカリストだと思います。
──今回のアルバム「センス・オブ・ワンダー」には様々な楽曲が収録されています。全体としてはどういうものを目指したんでしょう。
Sou:毎回そうなんですけど、コンセプチュアルな感じのアルバムというより、自分が頼みたい人に頼んで、作ってくれた人がひねり出してくれた最高の曲を詰め込んだるぜ、みたいな感じで作っているんです。今回もそれに基づいていろんな方にお願いして、最終的にこういうアルバムになりました。
雫:私もアルバム全部聞かせていただいたんですけど、1曲1曲に「強い」、「かっこいい」、「この曲Souくんこういう歌い方してるんだ。わーやられた」って思いながら聴いていました。
