"アゲ"に関しては、僕らも負けられない
るいまる:「ウンザウンザシリーズ」は、先にウンザウンザにすることを決めてから作りはじめるんですか。
豊島:決めてから作るときもあるし、出来上がってから「ウンザウンザにしちゃおうぜ」みたいなときもあります。「アメリカでウンザウンザを踊る」に関しては、アメリカへ行くことが決まったから、それに合わせて作りました。
るいまる:あ~!
豊島:アメリカへ行くお金が高いから、こんなにお金を払うんだったら、MVでも撮ってこないとわりに合わないという話になって。アメリカって、どこを撮っても絵になりそうじゃないですか。
るいまる:なりそうですね。
豊島:だから、監督をひとり連れていけば、手持ちのカメラでけっこういいMVが撮れるんじゃないかなって。だったら、アメリカでウンザウンザを踊るでしょ、みたいな(笑)。結果的に「アメリカでウンザウンザを踊る」と当時あった新曲の2本のMVが撮れたので、渡航費用もトントンかな。
るいまる:勉強になります!
豊島:勉強になる(笑)。
るいまる:僕らもアメリカへ行くことになったら、元を取らんと。
豊島:アメリカでMVを撮るの、マジでいいですよ。どこもかしこもスタジオみたいな感じですからね。街並みが全然違うから、映像にしてみると、明らかに日本で撮ったものとは違う雰囲気になる。日本でセットを使って撮影しても、なんだかんだちょっと映りこんだ葉っぱが日本を感じさせたりするんですよ。
るいまる:たしかに、そうですね。
豊島:そういうのがないから。アメリカへ行けば、全部がアメリカなので。
るいまる:僕、アメリカへ行ったことがないんでわからないんですけど、どこもUSJみたいな感じってことですよね?
豊島:そうかもしれないですね。街並みのどこを撮っても映画みたいで、ロケ地がいらない。その場でカメラを回してるだけで絵になるから、「雰囲気いいから、ここで撮っちゃおうよ」みたいな感じで、わらわら降りてチャカチャカ撮ってきました。
るいまる:いつかマーベル作品みたいな感じでアメリカでMVを撮れたらいいな。
豊島:すぐに撮れると思います。オススメです。
るいまる:僕らもバクシンさんのウンザウンザみたいに、アメリカでなんちゃらをやりに行きたいと思います。できたら、お伝えしますね。
──お互いにシンパシーを感じるところはありますか。
るいまる:アゲのバンドって似ているところがあるイメージなんですけど、バックドロップシンデレラさんに関しては、似ているところがないというか、被るところがない感じで。アゲの道も細分化できたんだなって感じています。しいてあげるなら、歌詞に感情描写が多いのは「似てるところあるかも」って思ったポイントかな。アゲって情景描写よりも感情描写のほうが表現しやすいので。
豊島:僕は"アゲ"がコンセプトの時点で、めっちゃシンパシーを感じますよ。「ライヴを盛り上げたい」とか「お客さんの心拍数やテンションをあげたい」とかって、通常の僕らもやっていることなので。
──"アゲ"のマインドは一緒だと。
豊島:そうだと思います。
るいまる:アゲになったほうがいいよね、ライヴは。
幸村:そうだね。
──せっかくなので、"アゲ"を貫くうえで大切にしていること、"アゲの美学"をお聞きしてもいいですか。
るいまる:けっこうありますよ。自分がライヴで大事にしているのは、名前を憶えてもらわないこと。風のように過ぎ去っていきたいんですよね。シュンって。
豊島:へ~!
るいまる:アニメだと、爆速で物がブーンって走ったときに、スカートや髪がぶわってなって「なにがあった!?」ってなるシーンがあるじゃないですか。それを行えるバンドでありたくて。風のように過ぎ去って、ラライヴが終わったあとには「なんかよくわからなかったけど、楽しかったね」っていう余韻がお客さんに残る感じ。何度も観たら、バンドの名前は自然と心に刻まれていくと思うので。「楽しかった」っていう一瞬の輝きになるのは、すごく大事にしています。
豊島:美学としては、どんなときでもスタイルを崩さない、あまり変わらないことは意識しています。1回1回のライヴで、観客や対バンのメンツに寄せない。もしかしたら外すときもあるかもしれないけど、ハマったら成功みたいな感じでやってますね。
るいまる:いまおっしゃってた「変わらない」って、シンプルだけどいちばん難しくないですか。僕らもすごく大事にしたいと思うけど、自分たちがビバラッシュの曲に飽きちゃうところって少なからずあって。本当にはじめて聴いたかのように楽しく表現するのって、マジで難しいから。
豊島:「変わらない」っていうのは「同じ曲をずっとやっていく」というわけではなくて。自分らのなかに、根幹となるものがひとつあるんですよ。
るいまる:マインドみたいな?
豊島:マインドというか、美意識というか。俺たちのやりたいことから、ぶれないようにしているんですよね。イベントへのリップサービスにしても、ここまではありだけどこれ以上は違うみたいなラインがある。その美意識のラインをイベントによって変えない。基本的には、どこでも同じ気持ちでやってます。
──とはいえ、美意識をブラさないのは難しくないですか。
るいまる:マジでむずいっすね。
豊島:ずっとやっている間に、少しずつできるようになっていったんだと思います。ライヴが終わったあとに「あのMCダサかったな」と思ったり、「言わんでいいこと言ったな」って反省したり。そういうことの繰り返しですよ。
るいまる:僕も言わんでいいこと、言っちゃうんですよ……。
豊島:言わんでいいこと、言っちゃうよね(笑)。
るいまる:無駄な話をしちゃうんです、僕は。
豊島:ここまで説明してれば伝わってるはずなのに、さらに説明を加えて長くなったりとかね。
幸村:うちのヴォーカルもそれですね(笑)。
豊島:もうちょっと盛り上げたいなと思って、言わんでいい対バンさんの打ち上げ失態エピソードを話して当て逃げみたいになったりとか。
るいまる:仲がいいのを伝えたいがゆえに、事故るときもありますよね。
豊島:そういうのも楽しいっちゃ楽しいんだけどさ(笑)。
──最後に〈アゲアゲJAPAN’24〉への意気ごみをいただけますか。
豊島:初絡みのバンドですし、アゲていきたいと思います。"アゲ"に関しては、僕らも負けられないので。対バンさんも仲がいいバンドとはじめましてのバランスがよく、僕らがいちばん好きな感じなので、頑張りたいと思います。ぜひぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。
るいまる:僕は細分化されたアゲのなかのひとつが、バックドロップシンデレラさんの"ウンザウンザ"だと思っているので、"ウンザウンザ"にしかないアゲを体験できるのをすごく楽しみにしていますし、僕らなりのアゲもお届けしたいと思います。
豊島:楽しみにしています。
編集:梶野有希
〈ビバラッシュ Presents「アゲアゲJAPAN’24」〉
ビバラッシュ Presents〈アゲアゲJAPAN’24〉フライヤー
日付:2024年5月17日(金)
時間:16 : 30(OPEN) / 17 : 15(START)
場所:大阪・GORILLA HALL OSAKA
【出演者】
かずき山盛り/KEYTALK/バックドロップシンデレラ/ビバラッシュ/ BabyKingdom/夜の本気ダンス
料金 : 前売りチケット 5,000円 / 当日券 5,500円 ※ともに税込、ドリンク代別途
チケット:https://eplus.jp/vivarush/
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応募フォーム:https://forms.gle/UWW6CaSpxr1mbXH98
※締切:2024年5月15日(水)23時59分まで
アゲアゲ↑↑になること間違いなしのライヴ定番曲!
他出演者との対談
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PROFILE:ビバラッシュ
2016年、活動開始。自由をコンセプトに、ビバがスプラッシュするように、音楽の楽しさをオーディエンスに伝えていく。“アゲみ集団”という謳い文句通り、ユーモアたっぷりで華やかなムードのグループだが、パワーポップ調からEDM要素など、様々なエッセンスを持ち合わせ、予想を超えるサウンドとエンターテインメント性で聴く者の心を持ち上げる。ファンの愛称は「Dreamer」。
■公式HP:https://vivarush.jp/
■公式X:https://twitter.com/vivar_official
PROFILE:バックドロップシンデレラ
2006年東京池袋にて結成。不動の4人編成。
2011年メンバー自身でナチュラルアフロレコード(NaturalAfroRecord)を立ち上げ、以降現在まで完全DIY、完全セルフプロデュースで突き進む。世界中の民族音楽を大胆に取り込む、人間の本能を呼び覚ますかのようなその音楽性を「ウンザウンザ」と名付け「踊るヤツがエラいのだ」と年間100本近く日本全国でウンザウンザを踊っている。
突出したオリジナリティ、祝祭感あふれるライブ、なにより知れば知るほど奥が深い音楽性に、ノンプロモーション、口コミだけで中毒者はじわじわと増え続け、いつの間にか〈ROCK IN JAPAN〉〈SUMEER SONIC〉〈VIVA LA ROCK〉〈METOROCK〉など、全国大型フェスティバルの常連バンド。2020年はコロナ渦によりライヴを自粛。2021年2月新木場STUDIO COASTワンマンでライヴ活動復活。2022年開催の全国ツアーは全公演ソールドアウト。2023年にはアメリカ・テキサス州オースティンで行われた音楽・映画の祭典〈SXSW 2023〉、台湾の〈New Taipei City River and Ocean Music Festival〉に出演し現地で高評価を得る。2024年初めのツアーでは全公演ソールドアウト、3月アメリカでフェスを含むツアー。いよいよワールドワイドに活動を広げる。
■公式HP:http://backdropc.com/
■公式X:https://twitter.com/bdcwataru