最初は初音ミクで作った“Cipher.”が入ったアルバムを出すのも良いなと
──1曲目の“Cipher.”は、2010年にはすでに曲自体はあったんですよね。
佐藤 : fhána結成の前日譚のような曲です。fhánaを結成する直前、僕がFLEETっていうバンドをやっていて、現在のメンバーでもあるyuxuki君、kevin君と知り合った頃に作った曲ですね。当時ボーカロイドのカルチャーがすごく盛り上がっていたので、僕も作ってみたいなと思って、yuxuki君から教えてもらって、初音ミクで打ち込んで作りました。歌詞は、fhánaの作詞をいまもメインでずっとやってもらってる林英樹君に、はじめてお願いしましたんですよね。林くんは当時メカネロっていうバンドをやっていて、当時から才能がある人だなと思っていて。実際、すごく良いのが上がってきたので、それからもずっと林君には歌詞をお願いするようになりました。
──今回のアルバムに収録するきっかけはなんだったんでしょう。
佐藤 : 今年2022年の1月にBillboardツアーをやったんですけど、そこでtowanaが久々のライヴだから“Cipher”を歌いたいと伝えてくれたんですね。元々、セトリには入っていなかったんですけど、ライヴでやってみたらすごくパワーのある曲だなと思ったんですよ。しかも前日譚みたいなストーリーもある。それから、towanaボーカルとfhánaの演奏で再録したらいいんじゃないかとうアイデアに行き着いたという感じですね。
towana : fhánaの曲ではないけれど、前にもワンマン・ライヴとかではやっていたことがあったから、久しぶりのツアーで歌いたいなと思っていて。
佐藤 : 歌詞についても、基本当時のままなんですけど、部分的にリクリエイトしてるんですよ。すごく良い歌詞だなと当時から思っていたんですが、それを2022年の現在の世界観にアップデートする必要があるなと思って、一部歌詞を新しくしてもらったのが、“Cipher.”ですね。
──今作に収録されているものには、最後にピリオドがついているんですよね。
佐藤 : そうですね。歌詞を変えたら別のタイトルにしなきゃいけないということで、どうしようかなと考えていて。でも、“Cipher 2022 ver.”とかだったらダサいなと思って、ピリオドになりました。ドットには一区切りみたいな意味もあるけど、ピリオドって時代という意味もあるので。
──“Cipher.”の原曲は、初音ミクが歌唱していますが、いまの音楽シーンにおいて、ボカロというカルチャーが、また盛り上がっている感触もあるんですよね。そこについて感じることはありますか?
kevin : 若い子たちもまた、ボカロで曲を作る子たちが増えてきましたね。規模も大きくなっているし。曲をつくって、インターネットにあげるという意味では、10年前とやってることは同じなんですけど、昔はニコニコ動画のなかだけだったのが、日本中に広まるようになっている感じがします。メジャーの音楽とまた違うバズり方ですよね。
yuxuki : 僕は2011年くらいからニコニコ動画とかでやってたんですけど、そのとき曲を聞いていた小中学生の世代が、ちょうどいま20代ぐらいになって、クリエイターとしてどんどん出てきてるんじゃないかなっていう感覚はあります。インターネット上のクリエイターも増えていて、イラストレーターとも相性が良いですよね。それこそAdoちゃんみたいなヒットもそうですし。すごくおもしろいなと思って見てます。そのタイミングで、最初は初音ミクで作った“Cipher.”が入ったアルバムを出すのも良いなと思いますね。
──確かにそうですね! 新録でいうと、2曲目の“Air”はtowanaさんが作詞を担当されています。
佐藤 : “Cipher.”と“Air”は、ダブル表題みたいな感じで考えていたんですよ。僕のなかでは、去年のfhánaといえば“愛のシュプリーム!”なんですよね。すごくハッピーな感じで、ブラックミュージックの要素も入っていて、サウンドもストリングスとかブラスが入って華やかみたいな。アルバム全体のコンセプト的なテーマを担ってるのは“Cipher.”だけど、サウンド的に“愛のシュプリーム!”の流れを引き継いで、音楽的に新しさを見せようみたいな感じで作ったのが2曲目の“Air”ですね。言ってみればアシッドジャズなんですけど、途中の間奏にも、towanaのセリフを散りばめて、エヴァンゲリオンっぽさがあったりもします(笑)。音楽的にもかなり攻めているんですが、楽器のレコーディングが終わったあとも、なんかここ足りないんだよなって悩んだりして。“Air”は完成形が最後までわからず作っていた曲ではありましたね。
towana : キャッチーな曲なので、歌詞は、重たい意味を持たせず、軽く聴けるようなものにしたいと思っていました。なにを書こうかなって迷ってたら、カフェで渡されたカップに書いてあった「Love is in the air」という言葉がすごい素敵だなって思って。そこからインスピレーションを得て書きはじめました。
佐藤 : 歌詞のなかにも「愛はこの⾵の中」って書いてあるんですよね。
──確かに、“Air”から“愛のシュプリーム!”の流れが、すごくハッピーな感じだなと思ったんですよね。
佐藤 : この“Air”っていう曲は、ひさびさの有観客ワンマン・ライヴだったBillboardツアーを受けて作った曲でもあるんですよ。ライヴのときは、久しぶりにファンのみんなに会えて、愛に満ちた空間だったと思うんですけど、その風景とかその空気感みたいなものがこの曲のなかにあると思います。
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fhána ディスコグラフィー
商品情報
発売日:2022年4月27日(水)
商品タイトル:Cipher
アーティスト:fhána
品番:【初回限定盤】LACA-35946 / 【通常盤】LACA-15946
価格:【初回限定盤】5,280 円(10%税込)/ 4,800 円(税抜)
【通常盤】3,300 円(10%税込)/ 3,000円 (税抜)
初回限定盤には「fhána where you are tour 2019 -divine-」フルサイズ映像、オンラインライブ「fhána Sound of Scene ONLINE "Pathos" &"Ethos"」厳選ライブ映像、さらに1万字に及ぶオフィシャルインタビュー、ライブフォト含むスペシャルブックレットを同梱。
fhána 4thアルバム「Cipher」 (初回限定盤)
https://www.amazon.co.jp/dp/B09Q96MP5P/
fhána 4thアルバム「Cipher」 (通常盤) https://www.amazon.co.jp/dp/B09Q9BB17W/
LIVE INFORMATION
■「fhána Cipher Live Tour 2022」東京公演一般販売受付中!
・日時 2022年5月8日(日) 開場16:00 / 開演17:00
・会場 中野サンプラザホール
・チケット料金 全席指定 8,500円(税込)
※3歳以上有料
※転売禁止
※オークションへの出品禁止※転売チケット入場不可
<チケット販売> ・イープラス: https://eplus.jp/fhanalive2022/
・ローソンチケット: https://l-tike.com/fhana22/
・チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/fhana-t/
※先着順の販売となりますので、予定枚数が終了次第、販売終了となります。
■新潟公演
会場:NIIGATA LOTS 日時:2022年7月2日(土)
■大阪公演
会場:umeda TRAD 日時:2022年7月23日(土)
■名古屋公演
会場: NAGOYA ReNY limited 日時:2022年7月31日(日)
各公演に関するお問い合わせ先:U/M/A/A Inc. info@pinc.jp
※詳細・チケット販売スケジュールは後日詳細発表予定
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PROFILE:fhána

●fhána(ふぁな)
佐藤純一(key,cho)を中心に、女性ボーカリストのtowana、kevin mitsunaga(Sampler,RAP,etc.)、 yuxuki waga(Guiter)による4人組バンド。2013年8月に「ケセラセラ」(TVアニメ『有頂天家族』ED主題歌)でメジャーデビュー。
本作に至るまで16作品ものアニメで主題歌の担当を果たし、作品の世界観に寄り添いながらも豊かな音楽性を提示し続けている。また、10thシングル「青空のラプソディ」(TVアニメ『小林さんちのメイドラゴン』OP主題歌)のMVは、YouTubeにて再生回数4,500万回を突破(2022年4月現在)。さらに最新シングル「愛のシュプリーム!」(TVアニメ『小林さんちのメイドラゴンS』OP主題歌)は発売されるやいなや各界から絶賛され、MVの再生回数も早くも1,000万回再生を突破し、様々なアワードも受賞した。尚、YouTubeのオフィシャルチャンネルの総再生数は1.5億回を超えている。
バンド活動以外にも、各メンバーは他アーティストへの楽曲提供、プロデュース・ワーク、執筆活動など多岐に渡って活動の幅を広げている。
日本国内だけでなく海外でのライブも積極的に行っており、また2020年夏よりオンラインライブも定期的に開催。アニソン界を軸としながらも、ROCK IN JAPAN FESTIVALやCOUNTDOWN JAPANへの出演を続けるなど、ジャンルの壁や国境を越え、軽やかなスタンスで音楽への挑戦を続けている。
■公式HP http://fhána.jp/