2026/04/28 18:00

Brent Faiyaz 『ICON』

ブレント・ファイヤーズの最新作は、肥大化された物語を豪華客演とともにコンセプチュアルに描いた『Wasteland』(2022)とも、スターとしての側面を軽やかなサウンドで打ち出した『Larger Than Life』(2023)とも異なる。今作はなんと客演なしの33分、ミニマルな作りで没入感高く、大人っぽく仕上げてきた。空間を活かしたミニマルなプロダクションで、80s~90sのR&Bをアトモスフェリックな空気で料理している。歌詞もプレイボーイ的な内容から成熟した男性像への変化が垣間見え、たとえば「butterflies.」では、そういった感情の揺らぎを落ち着かないベース音とともに表現。メロディの運びに懐かしさを感じつつも、音像に凝っているため、保守的には感じない。(つやちゃん)

Arlo Parks 『Ambiguous Desire』

インディロック~オルタナティヴR&B的な音楽性に、繊細な歌詞とボーカル表現。これまで高い評価を得てきたアーロ・パークスの核は今作でも変わらない。だが、新たにクラブサウンドを導入したことで、フレッシュさを得た。これまでよりもキックの位置が前に出ることで、グルーヴの推進力が高まっている。ただ、ボーカルのフレージングやコード進行は依然としてR&B的で、完全なるダンスミュージック化はしていない。囁きに近いようなメロディと語りの中間的なフロウも、リリックの親密さも、本作では継承されている。いわばR&Bのコアを維持したまま、トラックのノリだけをクラブ側にスライドさせたような印象だ。ポスト・オルタナティヴR&Bとでも形容すべきか、絶妙な匙加減に唸る。(つやちゃん)

ROSESIA 『What’s love?』

今回のK-R&Bの掘り出し物はこちら。SoundCloudを起点にDIYな活動を展開するROSESIAの最新アルバムで、BOXYのコラボ作を含めるとキャリア4作目となる。1曲目の「Cinnamon Love」では甘さを、2曲目の「Soap」では洗い流したい記憶を――その後も数々のモチーフとともに繊細な感情を丁寧に表現していく。サウンドはベッドルームR&B~lo-fi pop寄りの設計で、憂いを帯びたボーカルにうっとり。感情の質感をテーマ化し、歌に落とし込んでいく力が巧みだ。注目は「Kissmebetter」で、ピンクパンサレス以降の軽快なグルーヴ感をK-R&Bのスタイリッシュな感性と融合させた佳曲。続く「forever…」へ続く流れもすばらしく、幻想的なアートワークの魅力を具現化したよう。 (つやちゃん)

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