Girlfriend『Honey Water』
アルバム『Honey Water』という名が示す通り、ガールフレンドの音楽は甘く滑らかに耳を撫でるが、その成分には執着や後悔という苦みが濃厚に溶け込んでいる。ムード溢れるドラムの質感と包容力のある重厚なハーモニーは、クラシカルなR&Bのノスタルジーを湛え、誠実な歌声がどこまでも響く。かつて志したセラピストの道から、アルター・エゴを纏ってマイクを握る表現者へと転じた彼女。その言葉には、圧倒的なリアリティという名の温もりがある。暗闇の中で自らの境界線を探すような、ひりつく愛の葛藤。「Higher」による自己救済の旋律に至るまで、新時代の才能が鳴らす「癒やしの密度」に圧倒される一作だ。(Cookie)
Ari Lennox 『Vacancy』
OTOTOYで音源を買う⇩
『Vacancy』というタイトルが示す心の空白を、彼女は孤独として嘆くのではなく、新たな創造性のための「余白」へと変えてみせた。今作で際立つのは、既存のR&Bの枠組みを軽やかに踏み越えていく、しなやかな冒険心だ。これまで培ってきたソウルフルな歌唱の純度を保ちながら、レゲエやポップスといった異ジャンルを自身の血肉として取り込むその姿は、アーティストとしての一つの成熟を克明に示している。かつての葛藤や不安さえも、豊かな表現の彩りとして昇華されており、これまでの彼女の良さが削ぎ落とされるどころか、より多層的な魅力となって響いてくる。自分自身の舵を握り、自由な空気を纏った彼女の歌声は、今、かつてないほど力強く、そして優しい。(Cookie)
Sonya 『Can't Get Enough』
深夜のプレイリストに深く沈み込むような、至高のメロウネス。制作陣のクレジットはあるものの、Sonyaというアーティスト本人の体温は一向に見えてこない。半年間で5作品にも及ぶ多作ぶりは、明らかに従来の制作サイクルを逸脱しており、彼女がAIではないかという説が私の中で静かに、しかし確実に浮上している。もし、この琴線に触れるメロディがテクノロジーの計算の結果だとしたら、私はこの感性をどう受け取るべきか。この完成度は一体なんなのか。既存の音楽のあり方とはまるで違う、その捉えどころのなさにも困惑する。これを肯定すべきか、あるいは畏怖すべきか。正体はわからないが、吸い寄せられるようにこの音を聴き続けている自分が、確かにそこにいるのも確かだ。(Cookie)

























































































































































