Roc Marciano 『656』
ロック・マルシアーノは、1990年代から活動するNYのベテランラッパー。しかしそのキャリアが上向いてきたのは2010年作「Marcberg」頃からで、その後徐々に人気を拡大していき現在が黄金時代と呼べそうな好調ぶりを見せている。ジ・アルケミストやDJ・プレミアなど一人のプロデューサーとのタッグも多いラッパーだが、本作では外部を頼らず全曲を自らプロデュース。ソウルフルなネタ使いにドラムを足さないブーンバップのビートに、冷徹な声色で緊張感の漂う安定したラップを乗せてハードボイルドな一枚を作り上げている。ある意味似たような曲がひたすら続く作品だが、その美学の徹底した追及こそが本作の魅力だ。
$uicideboy$ 『THY WILL BE DONE』
ニューオーリンズ出身のスーサイドボーイズは、ロック的な要素も含むダークなスタイルを聴かせてきたラップデュオだ。本作でもデス声も交えて迫るオープニングの「Leviticus」や冷たいピアノが印象的な「BLOODSWEAT」などドロドロ感の強い曲がもちろん味わえるが、歪んだギターを使った真っ直ぐなエモラップの「Whatever Floats Your Boat Will Definitely Sink My Ship」から始まる中盤からは少し毛色を変えてメロディアスな感性を覗かせている。透明感のあるエレピとローファイなドラムを使ったビートでエモーショナルに歌フロウを聴かせる「MSY」がハイライト。
xaviersobased 『Xavier』
スネアの乱打などが特徴のサブジャンル、「ジャーク」を代表するラッパーのゼイヴィアソーベイスド。デビューアルバムとなる本作はクラウド・ラップから受け継いだドリーミーな質感で、うなされながら歌うようなラップが不気味に響く怪作だ。トレードマークのジャークだけではなく、割れ気味のトラップや鍵盤を弾いたようなフレーズのプラグなども導入。ハイハットだけ妙に生々しい「Minute」、硬質なシンセが途中から入ってくる「Tony Hawk」などサブジャンル云々ではない面白い瞬間も多い。ベストトラックはオフビート気味のフロウを得意とするリオ・ダ・ヤング・OGとのエモーショナルな異色コラボ「Heart Felt」。

























































































































































