2026/02/20 18:00

Myles Bullen, Factor Chandelier 『Afterlife』

インディ・ロックやフォークなども取り入れるクロスオーバー志向のラッパーであるマイルス・ブレンが、オルタナティヴ・ヒップホップのベテランプロデューサーノファクター・シャンデリアと組んだアルバム。フォーキーなギターやメロウなエレピなどを用いたビートは、仄かに他ジャンルに視線を向けながらもヒップホップマナーからは逸脱しないもの。歌やシャウト、スポークン・ワードを織り交ぜながらラップするマイルス・ブレンもあくまでも「ラッパー」の外には出ないようなバランスに留めている印象だ。基本的にはマック・ミラー的なゆるさがあるが、「Fix Our Heart」での鬼気迫るラップなどにはエミネムを思わせる瞬間も。

Nef The Pharaoh 『ChangSzn 4』

ベイエリアを拠点に活動するネフ・ザ・ファラオは、脱力感のあるスムースなラップが持ち味。サウンドはベイエリアらしい跳ねたドラムを多用してメロウ&ファンキーに仕上げたものがメインで、サウス的なバウンシーなスタイルも好む。しかし、オープニングを飾る「Perignon P」からアマピアノのログドラムっぽい音が聞こえてきたり、今回は少しだけ様子の違うビートにもトライ。アフロビーツにも通じるドラムやサックスが印象的なとろける極上メロウ「Look At Sea」、ヴェイパーウェイヴ名曲と同ネタを使った「Designer Credit」など、他ジャンルの文脈も取り込みながらサウンドをアップデートしている。

Niontay 『Soulja Hate Repellant』

ブーンバップ方面で人気を集めるマイクが率いるレーベル、10kに所属するラッパーのニオンテイ。しかし、その音楽性はそこまでマイクと近くはなく、本作ではメロウで妖しいフロリダの「モーション・ミュージック」的なサウンドを中心に聴かせる。ただしメインストリームを目指すような華は希薄で、その点はアンダーグラウンド流儀と言えそうだ。そこに小さな声で呟くようなリラックスしきったラップが乗ることで、ズブズブと浸れるような魅力が生まれている。「Cressidaway!/ TPGeeK」ではアール・スウェットシャツをフィーチャーしているが、ここでも特に客演に合わせることなく808が効いた不気味なビートを使用。

[連載] xaviersobased

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