2BYG 『The Yearbook』
テキサス州フォートワースを拠点に、Z世代の感性と高い演奏技術を併せ持つ4人組ボーイズ・グループ、2BYG。90年代ボーカル・グループの黄金律を、これほど鮮やかに「今」へと接続した例があっただろうか。デビュー作『The Yearbook』は、単なる懐古主義に留まらない。B2KやDru Hillへの深い敬意を滲ませ、人間味のあるオーガニックな響きで時代を横断している。トキシックな恋愛観を拒絶し、誠実さを歌う彼らの姿は、R&Bへの純粋な愛そのものだ。ボビー・コールドウェルのカバーで締める心憎い演出まで、全編に漂うのは新人離れした完成度。懐かしさのその先にある、新しいR&Bの夜明けを確信させる。(Cookie)
Summer Walker 『Finally Over It』
2019年から続く「Over It三部作」が、本作でついに完結を迎えた。ナインティーン85やテラス・マーティンに加え、レジェンド勢の参画で磨き上げられたサウンドは、初期のトラップ・ソウルから洗練されたオーセンティックなR&Bへの進化を果たしている。不誠実な関係を冷徹に描きつつ、慈しみを感じさせるボーカル表現は、彼女の表現者としての器や成熟を裏付けるものだ。ビヨンセらの引用についても、伝統的な様式美を現代のビート感覚に精密に落とし込むことで、ジャンルの継承と更新を同時に成し遂げた。本作の完遂により、この三部作は2020年代R&Bにおける、最も誠実なドキュメンタリーの一つとしての地位を確立したのではないだろうか。(Cookie)
AKIA『DUMBCRAZYSTUPID』
アトランタを拠点に活動し、“RnPop”という新ジャンルを拓くアーカンソー出身のR&Bシンガー、AKIA。2025年を通じて放たれた『DUMB』『CRAZY』、そして完結編『STUPID』。この三部作が一つに溶け合った本作は、ありふれた愛憎劇ではない。相手との関係以上に、AKIAが自分自身とどう向き合い、折り合いをつけるかという内省の記録だ。葛藤を乗り越えようともがき、けれど結局乗り越えられない自分さえも静かに受け入れていく。その諦念にも似た肯定が、たまらない人間的魅力を放っている。起伏に富んだ彼女の声は、揺れ動く感情そのものだ。強い女性像より、脆さや心の平穏を大切にする彼女の体温が、この30分間に確かに宿っている。(Cookie)

























































































































































