Kehlani 『Kehlani』
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ずっと避けてきた「セルフタイトル」を、今このタイミングで選んだこと。それこそが、本作『Kehlani』における最大のメッセージだと思う。彼女いわく、心身ともに本当に健康になり、真の自分を見つけた今こそがこの名前を掲げるべき時だったという。セルフタイトル=本性であるならば、この作品が「THIS IS R&B」と言わんばかりの迷いのないサウンドで貫かれていることが、シンプルに嬉しい。時代を創ってきたビッグネームが顔を揃える客演やMVは、豪華な聴き心地とともに、R&Bの青春そのものを鮮やかに蘇らせてくれる。しかしその裏には、確かな苦難の跡が残る。だからこそ、“Unlearn”で「痛みを学び直す」と歌いながら成長へ向かって締めくくる終盤に、鳥肌が止まらない。(Cookie)
Jaz Karis 『Twenty Something』
ジャズ・カリスの新作『Twenty Something』は、生楽器の響きを軸にした温かみのあるサウンドが心地良い一枚だ。面白いのは、音を綺麗に磨き上げる方向に行かなかったこと。ボーカルの微かな粗さや感情の揺らぎをあえてそのまま残していて、この生々しさが武器になっている。音のミニマルさも効いていて、余白があるぶん歌声がぐっと前に出てくる。歌の情感と楽器の響き、どちらでも聴かせられるバランス感覚もこのアルバムの持ち味だ。リリックで綴られるのは、20代ならではの混沌とした日常や、信仰と自己の間で揺れる心情。飾らない言葉で自分の成熟をそのまま記録していくような切実さがあって、聴いているとこちらの心の隙間まで満たされていく感覚がある。(Cookie)
Dylan Sinclair 『Make You Feel』
カナダ・トロント出身の若きR&Bシンガー、ディラン・シンクレア。「金銭的な提供」や「管理」といった束縛の愛を、ここまで堂々と美しく響かせるアーティストが他にいるだろうか。『Make You Feel』で描かれるのは、不器用なまでに強すぎる、生々しく人間らしい愛の形だ。ジョーダン・マンズウェルによるサウンドは至高の一言で、ひたすらスムースでありながら、自然と身体が揺れて、踊れすらしてしまいそうな絶妙なグルーヴを保っている。彼が歌う強烈な愛情表現はリアルで怖さも感じるが、この極上のメロウネスを前にすると、その執着さえも甘美な心地よさに錯覚してしまう。抗いがたい魅力に満ちた、クレイジーな傑作だ。(Cookie)

































































































































































