2025/11/29 17:00

SosMula 『KAMP KRYSTL LAKE』

トラップメタルの代表的なデュオ、シティー・モーグでの活動で知られるソースムーラ。トイレに行きたいのを我慢している時、あるいは足の小指を強打した時のような悶え気味の発声でラップする強烈なラッパーだ。本作ももちろんトラップメタル路線が多い作品だが、ヒップホップ文脈の外に出ないストレートなトラップビートもいくつかあるし、「TRENCH BRAZY」の前半では隙間の多いフィリードリル系のビートを採用していたり、エレクトロポップ的な「MERCEDEZ BRAZY」のような曲もある。歌寄りのアプローチなど乗せ方にも幅があるが、だからといって器用さとは真逆の印象だ。癖の強いラップを聴きたい方は是非。

WHATMORE 『WHATMORE』

日系アメリカ人ラッパーのヨシ・Tを擁する、クロスオーバー志向の5人組コレクティヴによる初のアルバム。メンバーのシスコ・スワンクがソロ作で聴かせたようなジャズ色は「slow down」以外には薄く、サンプルベースのヒップホップにインディロックやフォークの要素を加えたものが中心の作品だ。ヒップホップの芯の部分にトラップの色が濃いのが今っぽい。タイトなラップを聴かせるメンバーもいるが乗せ方もメロディアスなスタイルが目立ち、全体的な印象はかなりポップだ。「jenny’s」などはタイトなラップの方が少なく、サウンドもインディロックに振り切っており前情報がなければヒップホップと思わないかもしれない。

X-Raided 『A Prophecy in Purgatory』

X・レイディッドはベイエリアのベテランラッパー。畳み掛けるスキルフルなラップとダークなサウンドで知られており、本作もそのドロドロの魅力が不気味に光る一枚となっている。トラップ的な高速ハイハットを使った曲もあるものの、全体的にトレンドの匂いは希薄。ピアノやストリングス主体のサウンドに乗る詰め込み気味のラップは、初期エミネムのスタイルを拡張したような魅力もある。そんな中、三曲ある「Outside」シリーズは跳ねるようなドラムを使ったベイエリアらしいビートを使用。いずれもC・ボーやモジーなど地元ラッパーを迎えて、地元シーンとの繋がりを強調している。ローカル性と独自性がどちらも感じられる好作。

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