2025/07/31 18:00

Asiahn 『FREE』

鳥のさえずりのような美声とアクロバティックなヴォーカル・スキルで2010年代初期から活躍し、グラミー・ノミネート経験もあるアジアーン。以前所属のモータウンでは実力に見合ったプロモーションが行われずヤキモキしていたが、晴れて自主レーベルよりリリースされた今作ではタイトル通り自由を手に入れた彼女のクリエイティビティがいかんなく発揮。官能的に攻める"WASSUP WIT IT"、フィアンセのDJジェイ・シャレイが手がけた"HOME"など、過去にドレイクやJ・ロウなどの楽曲も手掛けていた彼女のペンが冴え渡り、同名異曲ながらデニース・ウィリアムズの姿も重なる表題曲の心地よさも格別。このまま眠らせてはいけない貴重な逸材です。(Yacheemi)

kwn 『with all due respect』

UK R&Bシーン期待のホープとして大きな注目を集めるkwn、いよいよデビュー・アルバムの登場だ。ナイジェリア系の父とアイルランド系の母のもとで育ち、父はDJだったため幼少期から様々な音楽に触れていたという。“stand on it”のようにホーンやウォームな鍵盤、コーラスを活かしたジャジー&スピリチュアルなR&Bを歌ったかと思えば、“back of the club”ではしっとりしたミッドテンポのスロウジャムにニーヨやアリーヤ、アシャンティ、シアラの初期作のような空気感を融合。ケラーニとの“Worst Behaviour”は、ミニマルなトラックに2人のヴォーカルが絡むシザ的な内省的R&B。つまり全方位何でもできるというわけで、ヴィヴィッドな才能を見せつけた堂々たるファーストだ。(つやちゃん)

HAAN・Chan 『HAAN Chan Store』

今回の韓国R&Bのレコメンドはこちら。伝統的なソウル・ミュージックの資質を持ったHANNと、モダンR&Bのプロダクションを様々なアーティストと生み出してきたChanという二人のシンガーが生み出した、息ぴったりのコラボレーション作品。2022年にもEP『Synergy』をリリースしており、そちらに続き今回はアルバムを制作。UKガラージ風のビートで駆け抜ける“Rainbow”、DON MALIKを招き見事な歌とラップの対比を聴かせるディープな“Mayb3”、奇想天外な展開の“No lie”など、シンガーとしての才能はもちろんのこと、二人のプロデューサーとしてのセンスが爆発。“Go Play”でここぞとばかりに入るシンガー、meenoiの起用も含めて、全曲飽きさせない構成だ。いっそ今後も、HANN&Chanのユニットとしてシリーズ化してほしい!(つやちゃん)

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