DSDネイティヴ録音&ミックスで、2台のピアノを聴き比べてみました
シンガー・ソングライター、映像音楽作家として活躍する世武裕子が、DSDのネイティヴ録音、ネイティヴ・ミックスを初体験。2012年の『』から積極的に高音質配信を行い、してきた彼女が、ついにDSDでのレコーディングに挑んだ。配信はもちろん、OTOTOYが2月に解禁した5.6MHzのDSDで行い、24bit/48kHzのHQD版の全トラックと「やもり」の歌詞ブックレットを同梱。
2ヶ月連続でリリースする今回のシリーズは、福生にあるピアノ・スタジオ「アルト・ノイ・アーティストサービス」で、Fazioli concert grand pianoとYAMAHA C3Bの2種類のピアノを使い、世武裕子の弾き語りで録音された。さらに録音には世界に3台しかないDSDレコーダー「Clarity」を使い、エンジニアには奥田泰次(studio MSR)を迎えて、ネイティヴ録音、ネイティヴ・ミックスを行っている。今回配信を開始する第一弾には、2台のピアノの音色の違いを聴き比べることができる新曲「やもり」を2トラックと、ゆらゆら帝国の「夜行性の生き物3匹」のカヴァーを収録。世武裕子の力強く、優しく、そしてあまりにも生々しい歌声と共に、それぞれのピアノの音色を聴き比べてみませんか?
世武裕子 / 世武裕子 DSD recording sessions vol.1 やもり
【配信形態】
DSD 5.6MHz+HQD(24bit/48kHzのwav) まとめ購入のみ 700円
※「やもり」の歌詞ブックレット付き
【Track List】
01. やもり(Fazioli F-278 ver.) / 02. やもり(YAMAHA C3B ver.) /
03. 夜行性の生き物3匹 (cover) (YAMAHA C3B ver.)
Recording & Mixing at アルト・ノイ・アーティストサービス
Recording & Mixing by 奥田泰次(studio MSR)
Supported by KORG INC.
Recording materials :
1. Fazioli concert grand piano F-278 (2004年製造) Made in Italy
2. YAMAHA C3B (1975年製造) customized by ALT.NEU.ArtistService Co.,Ltd
(Stephen Paulello music wire and Custom mechanic)
>>DSDの聴き方はこちら
※本パッケージには楽曲のDSFファイルとDPPファイル、全曲のHQD(24bit/48kHzのwav)トラック、歌詞ブックレット(PDFファイル)が同梱されております。
※5.6MHz DSDの音源は、ご使用の再生環境によっては再生できない可能性もありますので、ご購入の前にご確認ください。
※DSD DISCでお聴きになる場合は、DSD(2.8MHz)にダウン・コンバートしてご使用ください。
※ダウンロードしたファイルに不備や不明点がありましたら、info(at)ototoy.jpまでお問い合わせください。
【ダウンロードに関して】
Windowsをご利用のお客さまは、標準の解凍設定、もしくは解凍ソフトによっては正常にファイルを解凍できない可能性がございます。その場合、お手数ですが別の解凍ツールを使用し、再度解凍をお試しくださるようお願い致します。7-Zip(フリー・ソフト)での解凍を推奨しています。
※7-zip http://sevenzip.sourceforge.jp/
世武裕子の歌声を、DSDで聴きたくなったから、録ってきた
世武裕子の以前の作品を聴いていたら、DSDで聴きたくなった。もっとピアノの音色がきらめき立ち、そこに彼女の声が乗る。決して上手いわけじゃないけれど、温かく、でもぎりぎりな感じ。それって、もう生々しさでしか表現出来ないんじゃないか? それこそが彼女が表現したい世界なんじゃないだろうか? そう思い立ち、彼女とマネージメント、そしてエンジニアの奥田泰次(studio MSR)を口説き落とし、世界に3台しかないDSDレコーダー「Clarity」を担ぎ、福生まで連行した(笑)。
なんと、着いた先のアルト・ノイ・アーティストサービスには、イタリア製のFazioliのコンサート・グランド・ピアノ(Herbie Hancockのサイン入り!)と、ステファン・パウレロが1975年に設計したYAMAHAのピアノ… 値段は聴いて驚くなかれ、Fazioliは2500万円! YAMAHAは、100万円! 恐れおののいた我々は、まずYAMAHAで録音を始めた。さすがのDSDネイティヴ録音なだけあって、ピアノの音も歌も、とってもリアルに録れていく。特にピアノの音は、本当に鮮やか。何曲か録った後、Fazioliへトライ。
…! …! …!
こりゃ凄い。低音は疼き始め、「やもり」は豪華にキラメキを増す。ここまで違うものかと…。
ただし、とても大事なことは、Fazioliの音を知ることによって、YAMAHAの良さを再認識出来たこと。Fazioliに比べ、豪華できらびやかではないけれど、その分やさしさと温かさに溢れている。アルト・ノイ・アーティストサービス店主の毎日の手入れによって、時間は深みとなって刻み込まれた。Fazioliが美しい女王であるなら、YAMAHAは力強い農婦だ。そして、そんな2つの生き様を引き出すのが、世武の歌とDSD。まんま録れるDSDネイティヴ録音だからこそ、この2つの違いが鮮明に聴こえてくることも、決して忘れてはいけない。
外には一匹のヤギがいて、梅が咲いたその一軒家には、一日中、リラックスした世武裕子の歌とピアノが鳴り続けた。本作は、それをそのまま、録ってきた。ただそれだけの作品なのだ。そして、それが最も彼女が表現したい世界なのだと思う。
text by 飯田仁一郎(OTOTOY編集長 / Limited Express (Has gone?))
OTOTOY DSD 5.6MHz Archive
AUN J クラシック・オーケストラ / 八人の響き
【配信価格】
5.6MHz DSD+mp3 ver. まとめ購入のみ 2,500円
2.8MHz DSD+mp3 ver. まとめ購入のみ 2,300円
24bit/96kHz HQD ver. 単曲 300円 まとめ購入 2,200円
24bit/48kHz HQD ver. 単曲 250円 まとめ購入 2,000円
01. 乱~RAN / 02. 桜小道 / 03. Oriental Journey / 04. Ocean / 05. 白い追憶 / 06. TRICK STAR / 07. SAVANNAH / 08. 連雨 / 09. Go West 53
※DSD ver.には楽曲のDSFファイルとDPPファイル、全曲のmp3トラックが同梱されております。
※HQD ver.まとめ購入時には全曲のmp3トラックが同梱されております。
朝日美穂 / ひつじ雲(5.6MHz DSD)
【配信価格】まとめ購入のみ 2,500円
※こちらの作品には、OTOTOYジングル(mp3)、楽曲のDSFファイルとDPPファイル、WEBブックレットが同梱されております。
『ひつじ雲』のDSD配信は、全曲、新たにDSD用にリマスタリングしたファイルを使用しています。曲によっては、CDとはかなり異なる仕上がりのものもあります。
また、DSDのネイティヴ再生を念頭に置いて、リマスタリングしていますので、以下のことにお気をつけ下さい。DSDにはPCMよりもヘッドルームがあります。PCMの0dbの上に、3.1dbほど余裕があるのです。今回のDSDリマスターの中には、レベルが0dbを越えて、その3.1dbのヘッドルームに達しているものもあります。AudioGateでこうしたDSDのファイルをwavファイルなどに変換すると、ピーク時にクリップして、歪んでしまいます。クリップしないように変換したい場合は、AudioGateの変換時のゲイン設定を-3dbに下げれば、避けることができます。
やくしまるえつこ / ロンリープラネット(DSDマスタリング ver.)
【配信価格】
DSD(5.6MHz)+mp3 500円
DSD(2.8MHz)+mp3 450円
※どちらの作品にも、楽曲のDSFファイルとDPPファイルが同梱されております。
Cojok+徳澤青弦カルテット / QUANT(5.6MHz Ver.)
【配信価格】まとめ購入のみ 1,000円
※こちらの作品には、楽曲のDSFファイルとDPPファイルが同梱されております。
世武裕子 過去作はこちら
LIVE INFORMATION
だいじょうぶ みらいのこどもツアー
2013年4月5日(金)@福岡 STEREO SIDE-B
w/洪申豪(透明雜誌)
2013年4月7日(日)@広島 音楽喫茶ヲルガン座
w/洪申豪(透明雜誌)
2013年4月13日(土)@札幌 CAFEサーハビー
w/SiMoN
2013年4月20日(土)@岡山 城下公会堂
w/宮本菜津子
2013年4月21日(日)@梅田 MAMBO CAFE
w/宮本菜津子
2013年5月19日(日)@東京 青山・CAY
2013年5月24日(金)@仙台 SENDAI KOFFEE
w/次松大助
2013年5月25日(土)@南相馬 50's Spot SHOUT
w/掘下さゆり
PROFILE
世武裕子
滋賀県出身、パリ・エコールノルマル音楽院映画音楽作曲科卒の作曲家 / シンガー・ソングライター。「イングリッシュ・ペイシェント」「ベティー・ブルー」「善き人のためのソナタ」など多くの映画音楽を手がける作曲家ガブリエル・ヤレドに師事し、ジャン=リュック・ゴダール監督の『気狂いピエロ』等で知られる作曲家アントワーヌ・デュアメルからもその才能を賞賛され、同音楽院卒業制作では満場一致の首席にて卒業。帰国後は、くるり主宰Noise McCartney Recordsよりデビューし、FUJI ROCK FESTIVAL京都音楽博覧会、COUNTDOWN JAPAN、KAIKOO POPWAVE FESTIVALなど、大型フェスへも次々出演を果たす傍ら、金髪ルックが印象的な自身出演のCM "Googleで、もっと。クロームでストリート・ライヴ"、Panasonic Beauty、ユニクロ、大阪ガス、Mitsubishi Motors Japan、KOSEなどのCM音楽、BeeTVドラマ「3枚目のボディーガード」、映画「家族X」、Studio 4℃×TOYOTAとのコラボレーション、最近では、3月からWOWOWで放映される廣木隆一監督によるドラマ「ソドムの林檎~ロトを殺した娘たち」の音楽も担当するなど、多方面でその才能を発揮している。そして2013年3月、『おうちはどこ?』『アデュー世界戦争』では現代音楽の面白さを、『リリー』『Good Morning World! / Hello Hello』では、まるで景色を鳴らすような声で人々を魅了した彼女が、待望の新作『「だいじょうぶ3組」オリジナル・サウンドトラック+ミニ・アルバム『みらいのこども』』の豪華2枚組作品をリリースする。サウンドトラックとEPを収録した本作は、まさに世武裕子のこれからを象徴するような一枚と言えるだろう。